瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『漾虚集』の文庫本(1)

新潮文庫382『倫敦塔・幻影の盾』(1)
①昭和二十七年七月十日発行
②昭和四十三年九月十五日二十刷改版
・昭和五十八年十二月二十日四十六刷(222頁)定価220円
・昭和六十一年九月三十日五十二刷・定価220円*1
・昭和六十二年五月十五日五十四刷・定価220円*2
・平成三年一月二十五日六十一刷・定価272円
・平成十年十月五日七十刷・定価362円*3
・平成十二年五月二十日七十一刷・定価362円*4
・平成十四年四月二十日七十二刷・定価362円*5
・平成十五年五月十五日七十三刷・定価362円*6
・平成十六年十月十日七十四刷・定価362円
・平成十七年十二月十日七十五刷・定価362円
・平成十九年七月二十日七十六刷・定価362円*7
③平成二十年十月二十五日七十七刷改版(307頁)定価438円
・平成二十一年四月二十五日七十八刷・定価438円
・平成二十三年十一月三十日八十刷・定価490円*8

倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

・平成二十七年四月二十日八十二刷・定価490円*9
 「解説」でも断っていないが、収録作品は全く同じ配列で『漾虚集』と題して明治39年(1906)5月に大倉書店・服部書店より刊行されている。『漾虚集』は近代デジタルライブラリーで閲覧することが出来る。従って、この標題でまとめてみたい。6月8日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(12)」で取り上げたちくま文庫夏目漱石全集2』は、分量から言ったら『漾虚集』の括りで取り上げるべきであった。
 さて、まず新潮文庫のカバーについて。七十四刷・七十五刷のカバー、それから七十七刷改版・七十八刷のカバーは全く同じに見える*10
 カバー表紙折返しの右下、七十五刷まで「カバー 津田青楓装幀「色鳥」(夏目漱石著 大正四年 新潮社刊)より」であったが、七十七刷改版から「カバー装画 安野光雅『西洋古都』より」となっている。七十六刷は未見。
 表紙折返し、四十六刷は「新潮日本文学アルバム」全20巻の『2夏目漱石』の広告*11。六十一刷は「新潮カセットブック/夏目漱石のカセット/●『硝子戸の中』より/朗読=日下武史」の広告。七十四刷・七十五刷と七十七刷改版・七十八刷は夏目漱石の紹介で上部に名前(漢字とアルファベット)生没年に顔写真、その下に横組み15行(1行16字)の紹介文、同文だが前者は作品名について「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「草枕」『三四郎』『それから』『行人』『こころ』『明暗』と鍵括弧を使い分けていたのに対し、後者は全て『 』にしている*12
 背表紙、小豆色の地に白抜き明朝体で標題、作者名が入るのは同じ。下部、四十六刷はゴシック体で「新潮文庫」分類票貼付で不明「一〇=2= 220」、六十一刷からは角切の長方形に白く抜いた中にゴシック体で[な 1 2]とあり、その下にゴシック体白抜きで「新潮文庫」、最下部は六十一刷は黒字で「280」と下線、七十四刷以降は黒地にゴシック体白抜きで、七十四刷・七十五刷は「\362」*13、七十七刷改版・七十八刷は「\438」と下線がある*14
 裏表紙、右上の紹介文は横組み11行(1行16字)。四十六刷から七十八刷に至るまで同文だが、七十五刷まで作品名が『 』で括られていたのが、七十七刷改版からは「 」に変わっている。四十六刷は紹介文の上下に横線があり、下の横線の下、中央やや下に葡萄のマーク、ISBNコード等は最下部に1行で「…… \220E 定価220円」と入っている。六十一刷からは現在の形式と同じで、左上にバーコード2つ、1つめは六十一刷から七十八刷まで一致、2つめは下4桁が「2806」→「3628」→「4380」と定価が変わる度に変わっている。横線は中央のもののみ、その上の左寄りに定価、六十一刷「定価280円(本体272円)」→七十四刷・七十五刷「定価:本体362円(税別)*15七十七刷改版・七十八刷は数字が「438」に変わる。にその下の左に2行にISBNコード(七十七刷改版から13桁)とCコード・定価、右に葡萄のマークがある。
 裏表紙折返し、四十六刷と六十一刷は「〜〜新潮文庫〜〜/夏目漱石の作品」だが、四十六刷はこの2行の行間が詰まっているのに対し、六十一刷は少し開いている。四十六刷は18点で3月11日付「夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(1)」に紹介したものに同じ*16。六十一刷は17点、六十一刷の配列は現行のものと同じで「明暗」が最後。以上ゴシック体。ともに*のカセットブックの注記はない。最下部左に小さい明朝体で「カバー印刷 錦明印刷」とある。七十四刷以降は17点に新潮文庫編『文豪ナビ 夏目漱石』で、これは2月28日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(02)」に紹介した新潮文庫92『坊っちゃん』の百三十六刷及び3月12日付「夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(2)」に紹介した新潮文庫373『硝子戸の中』の九十二刷・九十七刷に同じ*17。(以下続稿)

*1:2016年11月12日追加。

*2:2014年7月31日追加。

*3:2014年11月5日追加。

*4:2016年6月11日追加。

*5:2015年1月29日追加。

*6:2016年3月4日追加。

*7:2018年8月12日追加。

*8:9月30日追加。

*9:2016年4月3日追加。

*10:2016年3月4日追記】先日書店で新潮文庫の「夏目漱石の本」のカバーデザインが(安野氏の装画は同じだが)変わっていることに気付いた。Amazon詳細ページの書影も変わっている。よって書影の貼付箇所をずらした。

*11:2014年7月31日追記】五十四刷は「新潮日本文学アルバム〈全36巻/別巻4〉」の『2夏目漱石』の広告。

*12:2014年12月2日追記】七十刷は七十四刷に同じ。

*13:2014年12月2日追記】七十刷も同じ。

*14:2014年7月31日追記】五十四刷もこの形式で最下部に「220」。

*15:2014年12月2日追記】七十刷も同じ。

*16:2014年7月31日追記】五十四刷も同じ。

*17:2014年12月2日追記】七十刷は、2012年3月12日付「夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(2)」に追記した新潮文庫373『硝子戸の中』七十八刷に同じ。【2015年2月11日追記】七十二刷はカセットブック・水村美苗の本や『文豪ナビ』もなく17点のみ、最下部は「カバー印刷」だけでなく「デザイン 新潮社装幀室」。裏表紙折返し以外は七十刷・七十四刷・七十五刷に同じ。