瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

織田作之助『夫婦善哉』の文庫本(2)

新潮文庫6557(2)
 昨日の続きで、四十五刷と四十八刷改版の異同を拾って置く。
 カバー表紙、表紙折返しは一致。
 カバー背表紙、明朝体で上部に標題「夫 婦 善 哉*1」、中央やや下に「織田作之助」は一致。下部にゴシック体で、四十五刷は「[お 2 1]新潮文庫 \400」、四十八刷改版は「 [お 2 1] 新潮文庫 430」。
 カバー裏表紙、横線の上、左側のバーコード1つめは一致、2つめ、四十五刷「1920193004007」が四十八刷改版の下4桁「4304」、四十五刷「定価本体400円(税別)」は算用数字が四十八刷改版「430」に、右側の紹介文は一致、横線の下、左側1行めのISBNコード13桁(バーコード1つめと同じ数字)は一致、2行めは四十五刷「C0193 \400E」が四十八刷改版「C0193 \430E」になっている。右側の葡萄マークは一致。
 カバー裏表紙折返し、最下部「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」は一致、四十八刷改版は「|新潮文庫 日本の近代文学|」がなくなって余白になっている。
 本体 1頁(頁付なし)扉は同じに見える。3頁(頁付なし)「目  次」は半角漢数字の頁数がズレているだけでこれも同じレイアウトに見える。
 5頁(頁付なし)中扉「夫 婦 善 哉*2」。
 7頁(頁付なし)は「夫 婦 善 哉」の扉で中扉よりも一回り小さい。
 8頁から本文、最初の1行分空白。以下、四十五刷は1頁17行、1行39字。四十八刷改版は1頁16行、1行38字。四十五刷は56頁14行めまで、四十八刷改版は61頁9行めまで、最後から3行めの前に1行分空白(空白行は当ブログでは行数に勘定していない)。
 四十五刷57頁・四十八刷改版63頁(頁付なし)「木  の  都」の扉、本文は四十五刷72頁4行め・四十八刷改版79頁12行めまで。
 四十五刷73頁・四十八刷改版81頁(頁付なし)「六 白 金 星」の扉、本文は四十五刷107頁14行め・四十八刷改版118頁10行めまで。
 四十五刷109頁・四十八刷改版119頁(頁付なし)「アド・バルーン」の扉、本文は四十五刷153頁3行め・四十八刷改版167頁3行めまで。
 四十五刷155頁・四十八刷改版169頁(頁付なし)「世    相」の扉、本文は四十五刷213頁17行め・四十八刷改版232頁13行めまで。7章に分かれており、章番号は4行取り5字下げのやや大きいゴシック体漢数字。以下その位置を示して置く。「」四十五刷156頁1行め・四十八刷改版170頁1行め、「」四十五刷161頁5行め・四十八刷改版175頁12行め、「」四十五刷174頁11行め・四十八刷改版190頁4行め、「」四十五刷182頁8行め・四十八刷改版198頁11行め、「」四十五刷191頁12行め・四十八刷改版208頁11行め、「」四十五刷197頁12行め・四十八刷改版215頁5行め、「」四十五刷203頁2行め・四十八刷改版221頁2行め。
 四十五刷215頁・四十八刷改版233頁(頁付なし)「競    馬」の扉、本文は四十五刷235頁3行め・四十八刷改版254頁13行めまで。
 青山光二「解  説」は四十五刷236〜243頁、1頁18行、1行41字。四十八刷改版255〜264頁、1頁の行数、1行の字数は本文に同じ。1頁めの最初の5行分、1行空けて3字下げで「解   説」、前後1行空けて下寄せで「青 山 光 二  」とあるのは同じ。末尾に下寄せでやや小さく、四十五刷243頁15行めに「(昭和四十八年十一月)  」、四十八刷改版264頁5行めに「(昭和四十八年十一月、作家)  」とある。
 その次の頁(頁付なし)の小さい明朝体縦組み3行で入っている「(新潮文庫編集部)」の断り書きは一致。
 続く目録、四十五刷は11頁、四十八刷改版は6頁、最後の3頁はともに「新潮文庫最新刊」。四十八刷改版の1頁め、6点のうち1点め「井伏鱒二 駅前旅館」のみ四十五刷に見えない。2〜3点め「伊藤左千夫 野菊の墓泉 鏡花著 歌行燈・高野聖」は四十五刷1頁め5〜6点め、4〜5点め「岡本かの子 老妓抄/尾崎紅葉 金色夜叉」は四十五刷3頁め4〜5点め、6点め「梶井基次郎 檸(れもん)檬」は四十五刷4頁め2点め。
 2頁め1点め「亀井勝一郎 大和古寺風物誌」は四十五刷4頁め3点め、2点め「菊池 寛著 藤十郎の恋・/恩讐の彼方に」は四十五刷4頁め5点め、3〜5点め「木下順二 夕鶴・彦市ばなし/毎日演劇賞受賞国木田独歩 武蔵野/倉田百三 出家とその弟子」」は四十五刷5頁め1〜3点め、6点め「小林多喜二 蟹工船・党生活者」は四十五刷5頁め5点め。
 3頁め1点め「幸田 文著 父・こんなこと」は四十五刷5頁め6点め、2点め「佐藤春夫 田園の憂鬱」は四十五刷6頁め4点め、3点め「田山花袋 蒲団・/重右衛門の最後」は四十五刷8頁め6点め、4点め「長塚節 土」は四十五刷7頁め2点め、5〜6点め「永井荷風 濹東綺譚/町田 康著 夫婦茶碗」は四十五刷に見えない。
 すなわち、最初の1点と最後の2点を除く15点は四十五刷と同じ順序で出ている。
 奥付、上部の横組み部分は一致。縦組み部分、1行めの初刷の発行日は一致、続く四十五刷2行、四十八刷改版1行は異なる。以下は同じだが「価格はカバーに表示してあります。」の左右、四十五刷は左が1行分で右が半行分空いているのに対し、四十八刷改版は右が1行分で左が半行分空いている。下部の横組み部分、1行めの右、四十五刷「製本・株式会社植木製本所」四十八刷改版「製本・加藤製本株式会社」、最下部のISBNコードとCコードは同じだが、四十八刷改版は太く縦に長く字間が詰まっており「―」が細くなっている。(以下続稿)

*1:「夫 婦」に均等ルビ「め お と」、「善哉」には右傍に「ぜん ざい」。

*2:「夫 婦」に均等ルビ「め お と」、「善哉」には右傍に「ぜん ざい」。