・角川文庫2094(3)
1月14日付(6)の続きで、五十一版の本体について適宜、2012年10月26日付(5)で見た五十八版と比較しつつ、記述してみる。
1頁(頁付なし)扉は現行と同じ形式、翼と脚を広げ羽を銜えた左向きの鳳凰。
目次なく3頁から本文207頁まで。1頁18行・1行43字。章題は3字下げで一回り大きい活字。前後1行ずつ空ける。「一」の前のみ2行空ける。参考までに位置を示しておく。「一 小石先生」3頁1行め〜23頁2行め、「二 魔法の橋」23頁3行め〜41頁18行め、「三 米五ン合豆一升」42頁1行め〜65頁7行め、「四 わかれ」65頁8行め〜83頁16行め、「五 花の絵」84頁1行め〜101頁10行め、「六 月夜の蟹」101頁11行め〜125頁10行め、「七 羽ばたき」125頁11行め〜145頁11行め、「八 七重八重」145頁12行め〜163頁15行め、「九 泣きみそ先生」164頁1行め〜183頁14行め、「十 ある晴れた日に」183頁15行め〜207頁(14行め)。
窪川鶴次郎「解説」208〜213頁。
214頁「壺井栄」の略伝、組み直されているが字配りなども含め五十八版220頁と同文。
奥付、形式は同じ、それぞれの発行日の他、電話が(大代表)のみだったのが、〈編集部/営業部〉の割書になっていること、「製本所――」が「多摩文庫」→「大谷製本」、最後の行、五十八版は右が上の「Printed in Japan」のみだが、五十一版には続いて「 0193-111308-0946(3)」とある。単郭の外には何もないが五十八版は下辺の下右寄りに、カバー背表紙と同じISBNコードとCコードがある。五十一版には目録類はない。
なお、カバーの藤田実は他にも角川文庫のカバーを担当していて、ネット検索してみるに、古書店のサイト等に福田清人『若草』及びその改題本『めぐり逢い(原題 若草)』、杉森久英『天才と狂気の間』がヒットする。しかしながら本書のカバーを担当していたことについては、他に情報が上がっておらず画像もヒットしない。