瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『小説帝銀事件』(1)

・角川文庫2081(1)
【238頁】昭和三十六年八月十五日初版発行・昭和六十二年十一月三十日四十八版発行・定価340円
【257頁】昭和三十六年八月十五日初版発行・平成五年九月二十日五十七版発行・定価379円
【257頁】昭和三十六年八月十五日初版発行・平成七年六月十日五十八版発行・定価379円
 このうち四十八版と五十八版を並べて見た。
 四十八版も初版そのままではなく、さらに五十八版までの間に改版が行われている。
 四十八版と五十八版のカバー表紙は同じで、左上に2つの中を黄色地にした縦長の単郭があって右(4.6×1.5cm)にゴシック体で著者名、左(9.0×1.8cm)に明朝体で「小説帝銀事件」とある。左下に縦組みゴシック体太字で「角川文庫」とある。いろいろなものがコラージュされているが、10人ばかり彫りの深い白人の顔が配された中央に「G. H. Q.」と印字された透明の液体の詰まった茶色の薬瓶が、松本氏の推理を象徴している。
 カバー表紙折返し、四十八版は上部に横組みで「小説 帝銀事件」と題する、明朝体10行(1行16字)の紹介文。冒頭1字下げ。五十八版では同文が冒頭1字下げなしでカバー裏表紙の中央、縦組みゴシック体11行(1行14字)で全くの同文が入っている。詳しくは新装版の紹介文と比較しつつ述べることにしたい。四十八版は下部に「野性時代」の広告③。五十八版は角川文庫9136『犯罪の回送』初版と同じ顔写真と著者の紹介文がある。最下部右寄りにゴシック体で「カバー 篠田昌三」とあるのは四十八版と五十八版で一致。
 この篠田氏以前は伊藤憲治のカバーであったが未見。
 カバー背表紙、四十八版は赤地、明朝体白抜きで上部に「小説帝銀事件」中央やや下に著者名、下部に黒のゴシック体で「角川文庫 緑 二二七」その下に「―6 ―」最下部にゴシック体で「340」。五十八版は赤地、白抜きで「ま|1-4 小説帝銀事件」中央やや下に著者名、標題と著者名は秀英初号明朝、下部にゴシック体で「角川文庫」すぐ下に黒で「●390」●に赤紫で「P」。
 カバー裏表紙、白地で四十八版は上部に「ISBN4-04-122706-2 C0193 \340E 定価340円」とある。
 五十八版は左上にバーコード2つ、1つめの下1桁は「0」、右上の1行めは四十八版と同じISBNコード、2行めに「C0193 P390E 定価390円」定価のすぐ下に細いゴシック体で「(定価379円)」、中央の紹介文は既述。
 カバー裏表紙折返し、四十八版は3月7日付「松本清張『内海の輪』(1)」で見た角川文庫3251『内海の輪』二十三版の定価380円のカバーに一致する。五十八版では「野盗伝奇/紅い白描 信玄戦旗/黒い空 数の風景/犯罪の回送」の6点が追加されている。
 本体、1頁(頁付なし)扉の匡郭(11.5×7.5cm)や子持枠(4.5×4.9cm)、鳳凰など一致。
 目次はなく3頁から本文、四十八版は1頁18行、1行43字。五十八版は1頁17行、1行42字。
 3頁、5行取り(前後2行分空白)1字下げで「第一部」、2行取り7字下げ半角漢数字ゴシック体で章番号となっているのは同じ。「第二部」は前後に1.5行分空白、「第三部」「解説」は前に1行分、後に2行分空白。
 「第一部」四十八版3〜83頁(6行め)・五十八版3〜89頁(10行め)、「第二部」四十八版84〜158頁(9行め)・五十八版90〜170頁(11行め)、「第三部」四十八版159〜232頁(7行め)・五十八版171〜250頁(6行め)。「解説」第一部」四十八版233〜238頁(13行め)・五十八版251〜257頁(5行め)、1行分空けて下寄せで「佐々木基一」とある。
 奥付、匡郭(11.7×7.6cm)子持枠(4.6×5.0cm)はほぼ同じ、異同はそれぞれの発行日の他、発行者が兄から弟、「電話〈編集部/営業部〉」の市外局番(〇三)の次が「二三八―」から「三八一七―」に変わっていること(下4桁は一致)、「〒一〇二 」の下が「振替東京③一九五二〇八」から「振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」に、印刷所の下「 製本所――千曲堂製本」が「 製本所――千曲堂」に、そして四十八版は「落丁・乱丁本はお取替えいたします。/定価はカバーに明記してあります。」半行分空けて横転した「Printed in Japan」とあったのが、五十八版は「本書の無断複写・複製・転載を禁じます。/落丁・乱丁本はご面倒でも小社角川ブック・サービス宛に/お送りください。送料は小社負担でお取り替えいたしします。」半行分空けて1字下げ「定価はカバーに明記してあります。」となり、匡郭下辺の上右寄せに「©Printed in Japan」となっている。匡郭下辺の下、右寄せでカバー裏表紙と同じISBNコードとCコードがあるのは同じ、五十八版には左寄せで「ま 1-4」とある。
 「角川文庫発刊に際して」は組み直されている。四十八版はここまで。
 五十八版は目録、1頁6点、明朝体で大きく標題、ゴシック体で著者名、明朝体1行10字×3行の紹介文、「角川文庫ベストセラー」が7頁、「角川文庫最新刊」が3頁。
 なお、五十七版は五十八版とカバー一致。目録も一致、奥付はそれぞれの発行日と「振替東京③一九五二〇八」→「振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」、「製本所――大谷製本」→「製本所――千曲堂」が違うのみ。