5月20日付(1)で角川文庫9195の初版と再版についてメモした。今度は単行本と文庫版初版を比較して見る。
・単行本(平成四年四月三十日初版発行・定価1359円・角川書店・233頁・四六判上製本)*1
カバーは飛行機から撮影したらしき雲海で、表紙の左方奥に夕陽があるのか一際明るい。この写真はそのまま背表紙から裏表紙まで続いている。カバー表紙は白く縁取りされた極太のゴシック体縦組みで中央に「「撃墜」事件」、右に同じ幅に詰めて「一九五二年日航機」、左にやや小さく「松 本 清 張」とある。カバー背表紙は同じ字体で若干縮小、上部に標題、これはカバー表紙右の1行と同じく全て文字は横長に詰めている。下部に著者名、これも表紙にあったものと同じ、最下部にごく小さく横組み・横並びに「角川書店」その下の●に白抜きで「P」。カバー背表紙は上部に1行「定価1400円(本体1359円) ISBN4-04-872670-6 C0093 P1400E」とある。
カバー表紙折返し、最下部、黒く幅0.4cmを潰して2行、1行め(6.2cm)に白抜きゴシック体で「資料提供:朝日新聞社(昭和27年4月9日夕刊、4月10日朝刊)」2行め(3.7cm)は左詰めで「毎日新聞社(サン新聞掲載の写真より)」とある。すなわち、カバー表紙折返し上部に縮小掲載されている新聞紙面が「朝日新聞」昭和27年4月9日夕刊「日航機、会場に不時着/乘員全員救助さる」で、カバー裏表紙折返し上部にあるのが「朝日新聞」昭和27年4月10日「〈遭難の/日航機〉全員の生存絶望視/機體なお發見せず」、これらの新聞記事の文字はなんとか読める程度。そして下部にはそれぞれ3点ずつ、表紙折返しの右上は夜間、照明に照らし出される機体の一部、左上は白壁の室内で椅子に据えられたラジオの周囲に並ぶ椅子に座って連絡を待っているらしき乗客の家族らしき9人、下部は山の上で収容された白い布の掛けられた遺体が数体並び、20人ほどの報道・捜索関係者らしき人物がその脇に立っている。裏表紙折返し下部の右上は「もく星號遭難……」と墨書した標柱に献花する「あんこ」で周囲に6人ほど僧侶が立つ。左上は10人余が衣服など収容された遺品を見ている場面。下は合同葬儀の「遺族控室」と霊柩車に数百人の参列者。
私の見た本は例によって図書館蔵書なので帯(幅5.5cm)はもちろん外されているが、紹介文の部分が見返しに貼付されていた。赤地に横長の明朝体白抜き、縦組みで字数は不定。
昭和二十七年、日航機/「もく星」号は伊豆大島の/三原山に墜落した。/直後、「全員救助」と/米空軍は発表。/誤報か策謀か。/多数の死亡者の中に/ダイヤ密売の美女。/世を震撼させた事件の/真相に迫る長篇小説!
以上が表紙側、画像検索するに、私の見た本には保存されていないがこの左に黒で版元や定価の記載があった。
次に裏表紙側を見て置こう*2
●著者のことば
「もく星」号墜落事件/から四十年が過ぎた。/その後、頻発した/航空機事故報道に/ふれるにつれ、先の大/惨事に隠された真実を/確信するようになった。/本作品は改作ではある/が、新事実を加えて/ぜんたいを見直し、/書き下ろしに/近いものになった。
●は○で囲われている。この下に横組みでカバー裏表紙上部にあったISBNコード・Cコードに「P1400E」が黒で入る。(以下続稿)