瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

徳冨蘆花『不如歸』の文庫本(1)

岩波文庫31-015-1『小説 不如帰』(1)
①1938年7月1日第1刷発行
②1971年4月16日第34刷改版発行(229頁)
・1977年5月10日第41刷発行 ¥200 *1
・1986年6月20日第50刷発行 定価400円
・1987年10月15日第52刷発行 定価400円
・1988年5月16日第53刷発行 定価400円
・1989年9月8日第56刷発行 定価398円*2
・1994年4月5日第65刷発行 定価447円*3
・1994年10月5日第66刷発行 定価447円
・1996年4月5日第68刷発行 定価447円*4
・2004年5月25日第77刷発行 定価560円

不如帰 (岩波文庫)

不如帰 (岩波文庫)

③2012年7月18日改版第1刷発行(333頁)定価700円
 ③の標題は「不如帰」のみで「小説」の2字はない。
 私の見た②第50刷・第52刷・第53刷にはカバーがないが、元からなかったのであろう。第66刷・第77刷にはカバーがある。
 巻頭に白黒口絵があって、左辺の下寄せに縦組みで「黒田清輝 画」とある、平成24年(2012)改版のカバーに掲載されているものの全景。
 この口絵、私の見たものでは第50刷は扉の前、2冊見た第53刷のうち1冊は扉の次にある。第52刷と第53刷のうちもう1冊は外れたものが扉の次にテープで貼付されており*5、第66刷は扉の前にテープで、扉と向合うように貼付されている。してみるとテープのない第50刷と第53刷もどちらかは外れたものを糊で貼付したものということになるのだろうけれども、判断出来ない。その後見た第77刷では扉の前に、扉と向合うようになっており、これは補修などの手は加えられていないようだ。
 ②第50刷・第52刷は「読書子に寄す」までで目録類はない。
 ②第52刷・第53刷の異同は奥付の「1938年7月1日 第 1 刷 発 行/1971年4月16日 第34刷改版発行©」の次のそれぞれの発行日のみ、第50刷もほぼ同じだが「Printed in Japan」の下にISBNコードがない。
 ②第53刷は目録が附いていて、「'87.7現在在庫 B-1(〜3、A-1〜3)」と「岩波文庫の最新刊」の「1988. 3.」と「1988.4.」。
 ②第66刷・第77刷のカバーは、緑帯の通常のカバーで、表紙左上に「小説不 如 帰徳冨蘆花」以上は短冊形に緑色地。カットは口絵の黒田氏の絵の肘から上の部分。

日清戦争の時代,家族/制度のしがらみと結核/にさいなまれる浪子と/武男の哀切きわまりな/い物語としてあまりに/も有名なこの小説は,/数多くの演劇・映画の/原作ともなって,今日/なお読みつがれている。/大山巖元帥の娘信子の哀話をもとに,明治31-32/年『国民新聞』に連載され,当時空前の反響をよ/んだ蘆花(1868-1927)の出世作


 左下に緑色の円に種を蒔く人があって、その右に「緑 15-1/岩波文庫」文庫名のところ短冊形に肌色地。
 カバー背表紙、上部は肌色地で「小説 不 如 帰 徳冨蘆花」下部に緑色の帯状になったところにゴシック体で「緑 一五-一  岩波文庫 」第66刷はその下に「460」に下線があるが、第77刷には数字はない。
 カバー裏表紙は白地、左上にバーコード2つ、1つめの下1桁は第66刷は「0」第77刷「3」、2つめの下1桁、第77刷「5608」、右上1行め「ISBN4-00-310151-0」、2行め第66刷「C0193 P460E」第77刷「C0193 \560E」、少し空けて第66刷「定価460円(本体447円)」第77刷「定価(本体560円+税)」、中央に「岩波」の壺印。
 カバー表紙折返し、右下に小さく「カバーカット=黒田清輝」、第66刷『広辞苑』第四版の広告、第77刷「図書」の広告で「年間購読料=1000円(税・送料込)」。
 カバー裏表紙折返し、第66刷「ワイド版 岩波文庫」の広告、第77刷は岩波文庫編集部編『世界名言集』の広告で「定価2625円/(定価は消費税5%込)」。
 奥付の形式は昭和末年のものとは異なる。標題に振仮名「ほととぎす」が附されていること、「定価はカバーに表示してあります。」となっていること、振替番号を止めて電話番号を3つ示すことなど。
 本体は「読書子に寄す」の次に目録、第66刷「'94,7.現在在庫 B-1(〜4、A-1〜3)」に「岩波文庫の最新刊」の「1994.9.」。第77刷「'03,8.現在在庫 B-1(〜5、G-1)」に「岩波文庫の最新刊」の「2004.4.」と「2004.5.」。(以下続稿)

*1:2016年11月1日追加。

*2:2017年11月26日追加。

*3:2019年1月28日追加。

*4:2016年7月28日追加。

*5:2016年2月3日追記】この口絵はアート紙である。扉の次に口絵の存している第52刷を見た。【2016年2月3日追記】昨日見た第56刷は、扉の次に口絵があった。