瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ゴーゴリの文庫本(3)

岩波文庫32-605-3『外套・鼻』(3)
 昨日の続きで改版前の諸刷について。
 本体、110頁まで(たぶん)一致。
 異同は奥付、文字は全て明朝体横組み、下部に太線2本、第33刷・第47刷・第53刷は太線の長さ7.0cmで間は第33刷が4.3cm、第47刷と第53刷が4.7cm、第61刷・第70刷は長さ7.5cmで間は4.8cm。
 上の太線の上、左寄りに第33刷は「 外套・鼻 ☆」とあったが第47刷・第53刷は☆がなくなっている。第61刷は太線の下にある発行日の位置に「定価はカバーに表示してあります」とあり、その上に左寄りで大きく「 外套・鼻 ゴーゴリ*1」とある。第70刷は定価云々の1行がなく標題と作者が太線のすぐ上にある。
 上の太線の下、発行日が3行、第33刷は

 1938年1月20日 第1刷 発 行
 1965年4月16日 第20刷改版発行©
 1977年5月10日 第33刷 発 行     ¥100  

となっている。3行め右寄りの定価は若干大きい。第47刷・第53刷は3行めがそれぞれの発行日に差し替えられている。第47刷は定価の位置が1行分下、3行め末からは4字分右にやや大きく「定価200円」。第53刷は消費税導入のため2行「定価210円/(本体204円)」1行めは発行日の3行めの右、やや下にズレて第47刷の定価と同じ大きさ、2行めはそのすぐ下に第33刷の定価と同じ大きさで添える。
 第61刷の発行日は訳者名と同じ位置に3行、

 1938年1月20日 第1刷発行
 1965年4月16日 第20刷改版発行
 1994年4月10日 第61刷発行

とあり第70刷は3行めが差し替えられている。
 以下、第33刷と第47刷の下の太線までは、「発行者」が「岩波雄二郎」から「緑川 亨」に変わっている他は一致。右寄せで「訳  者」ルビ「ひらい はじめ」、ついで「発 行 者」、「発行所」の上に郵便番号と住所、下に電話番号と振替番号を添える。最後に「印刷・精興社 製本・桂川製本」*2。第53刷は郵便番号が「〒101-02」と5桁になり、電話の下の「振替 東京 6-26240」が削除されて空白になっている。「発行者」は第53刷も「緑川 亨」だが第61刷「安江良介」第70刷「大塚信一」に変わっている。
 第61刷と第70刷は左寄りで「発行者」の交替と郵便番号が第70刷「〒101-8002」と7桁になっている他は、下の太線の下まで一致。「発行所」の下に郵便番号と住所を添え、少し空けて「電 話」が「訳 者/発行者/発行所」と同じ扱いになっている。最後に「印刷・精興社 製本・桂川製本」も左寄り。
 下の太線の下、第33刷は左寄り「落丁本・乱丁本はお取替いたします」のみ。第47刷・第53刷は右詰めで2行「Printed in Japan/ISBN 4-00-326053-8」。第61刷と第70刷はやや右寄りに「ISBN 4-00-326053-8   Printed in Japan」
 奥付の裏の岩波茂雄「読書子に寄す」は、第47刷・第53刷・第61刷・第70刷は4月21日付(1)に見た改版後の匡郭(11.8×7.1cm)と一致している。第33刷の匡郭(11.6×7.2cm)は大きさが異なる。
 目録類はない。(以下続稿)

*1:ルビ「がいとう・はな」。

*2:4月27日付(2)にて第47刷のカバー表紙折返しと、岩波文庫32-621-1『あかい花 他四篇』の第39刷・第40刷のカバー表紙折返しと一致することを指摘したが、奥付の形式も同じである。異同は標題、それぞれの刷次、訳者、「印刷・法令印刷」、最下部に第47刷は右寄りに1行、ISBNコードを追加していること。