瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Prosper Mérimée “La Vénus d'Ille”(2)

岩波文庫32-534-4『メリメ怪奇小説選』(2)
 昨日の続きで、本体について。
 本体の表紙、カバーの掛かっていない第2刷とカバーの外せる第4刷を比較して見たが一致*1
 1頁(頁付なし)扉から268頁まで一致。
 3頁(頁付なし)「目  次」には、1行空けて、

ドン・ファン異聞    5
ヴィーナスの殺人    111
熊  男        173

 訳  注        253
 あとがき        265

とある。5頁(頁付なし)は「ドン・ファン異聞」の扉で、左下に横転したイタリックで「Les âmes du purgatoire (1834)」と原題と発表年が入る。本文は7〜110頁。111頁(頁付なし)は「ヴィーナスの殺人」の扉で、左下に「La Vénus d'Ille (1837)」、112頁(頁付なし)中央やや上にépigrapheが明朝体で小さく3行、3行めは下寄せで「――ルキアノス作『うそつき』」とある。本文は113〜172頁。173頁(頁付なし)は「熊  男」の扉で、左下に「Lokis (1868)」、本文は175〜251頁。
 253〜263頁「訳  注」。
 265〜268頁「あとがき」。末尾(268頁8〜12行め)に、

 原題『煉獄の魂』を『ドン・ファン異聞』、『イールのヴィーナス』を『ヴィーナスの殺人』、/『ロキス』を『熊男』と改めたことも、これは、大方の識者の了承を得られるものと念じてい/る。
   一九八六年二月 東京
                                 訳 者 識

とある(読点の前の二重鍵括弧閉じは半角。12行めはやや大きい)のだが、「ドン・ファン異聞」はともかく、残りの2つは、この題では読んでいる途中でオチが分かってしまうのだけれども。
 奥付、第2刷・第3刷・第4刷の異同はそれぞれの発行日。それから2本めの太線の下、右側の「Printed in Japan」の下に第3刷からISBNコードが入っている*2
 第8刷は大きく形式が変わっている*3。第4刷と比較するに、まづ横線の長さが第4刷(7.0cm)第8刷(7.5cm)、2本の間隔が第4刷(4.7cm)第8刷(4.9cm)、1本めの横線の上、左寄りに標題があるのは同じだが、第8刷は訳者名・版元名*4と同じ大きさでルビ「かいきしようせつせん」があり、ルビの分だけ「小」の左右が空いている。第4刷の発行日2行は左寄りであったが、第8刷は中央で1行めの「第1刷発行」に「©」を添えていない。
 以下、第8刷は「訳 者 杉 捷夫/発行者 岡 本 厚/発行所  株式会社 岩波書店」と続き版元名の下に7桁の郵便番号と住所を添える。ついで7〜8行め「案内 03-5210-4000 販売部 03-5210-4111/文庫編集部 03-5210-4051」と9行めHPアドレス。そして2本めの横線の上に「印刷・精興社 製本・中永製本」横線の下にISBNコードと2字半空けて「Printed in Japan」。
 この辺り、第4刷は「発行者」が「緑川 亨」でゆったり組まれている。「発行所」名の上に郵便番号3桁と住所が添えられ、下の右寄せで電話番号9桁/振替番号。2本めの横線の上、やはり右寄りに「印刷・精興社 製本・永井製本」とある。2本めの横線の下、左寄りに「落丁本・乱丁本はお取替いたします」とあった。
 「読書子に寄す」の匡郭も第2刷・第3刷・第4刷は四隅が繋がっており一致。第8刷は右上隅と右下隅が切れている。
 目録はそれぞれ2頁で、、第2刷の1頁めは3段組(1段17点)で下段の最後2点分空白、中段2点めに「エトルリヤの壺他五篇〈メ  リ  メ/杉  捷 夫 訳〉」3点め「カ  ル  メ  ン  〈メ  リ  メ/杉  捷 夫 訳〉」4点め本書「メリメ怪奇小説選  杉 捷 夫 編訳」。第3刷は「岩波文庫創刊60年記念新刊10点」で、表裏にそれぞれ5点5冊、右下に「1987.7.」、第4刷は「岩波文庫の最新刊」の「1988.2.」と「1988.3.」*5。第8刷は「岩波文庫の最新刊」の「2013.5.」と「2013.4.」。(以下続稿)

*1:6月30日追記】第5刷も一致するが刷りが濃い。

*2:6月30日追記】第5刷は第8刷ほどの変更はない。1本めの横線の上、左寄りに標題があり、新たにルビ「かいきしようせつせん」が追加されている、2本の横線(7.0cm)の間隔(4.0cm)は狭くなっているのは、主として第4刷まで3行め右寄りに「定価450円」とあったのを消費税導入に伴って削除したためで、続く「訳者」と「発行者」の行間もやや狭くなっている。他に異同は、それぞれの発行日、発行者が「緑川 亨」が「安江良介」に、3桁だったのが「〒101-02」と5桁に、9桁の電話番号の下にあった「振替 東京 6-26240」がなくなっていること、2本めの太線の上、右寄りに「印刷・精興社 製本・永井製本 」とあったのが、「印刷・精 興 社 /製本・永井製本 」の2行になっている。これは新たに2本めの太線の上に左寄りに「定価はカバーに表示してあります」の注記を加えたためである。このような表示になった結果、カバーが外されてしまうと定価が分からなくなってしまった。それはともかく2本めの太線の下には、1行め「落丁本・乱丁本はお取替いたします  Printed in Japan」に加えて新たに2行め、右寄りにISBNコードを加えている。

*3:2018年3月28日追記】第7刷は第8刷と同じ形式で、異同はそれぞれの発行日と発行者が「山口昭男」であること。

*4:発行者名も同じくらいの大きさだが、これらに比べると若干小さい。

*5:6月30日追記】第5刷は「岩波文庫の最新刊」の「1990.9.」と「1990.10.」。【2018年3月28日追記】第7刷は「岩波文庫の最新刊」の「2006.5.」と「2006.4.」。