瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

田辺聖子『女の長風呂』(3)

・「女の長風呂」シリーズ(2)
 最初の2点の、単行本と文庫版計4冊を揃えただけなので、専ら『田辺聖子全集』第九巻の浦西和彦「解題」に頼って記述することになるのだけれども、ここでシリーズ全体について眺めて置きましょう。
 まづ、「週刊文春」連載時の題と、休載期間を確認して置きましょう。
・「女の長風呂
  第13巻42号(昭和46年10月25日発行)~第15巻41号(昭和48年10月15日発行)
・「イブのおくれ毛
  第15巻42号(昭和48年10月22日発行)~第17巻40号(昭和50年10月2日発行)
・「ああカモカのおっちゃん
  第17巻41号(昭和50年10月9日発行)~第19巻35号(昭和52年9月1日発行)
・「モカのおっちゃん興味しんしん
  第19巻36号(昭和52年9月8日発行)~第21巻35号(昭和54年8月30日発行)
・「芋たこ長電話
  第21巻36号(昭和54年9月6日発行)~第23巻34号(昭和56年8月27日発行)
・ 休載1
・「女の口髭
  第24巻2号(昭和57年1月14日発行)~第25巻6号(昭和58年2月10日発行)
・ 休載2
・「女の幕ノ内弁当
  第25巻15号(昭和58年4月14日発行)~第27巻13号(昭和60年4月4日発行)
・ 休載3
・「浪花ままごと
  第27巻22号(昭和60年6月6日発行)~第29巻23号(昭和62年6月11日発行)
 最初の10年(9年10ヶ月)は休みなく連載していたようです。同じ題で2年、1年1冊で単行本化されております。「カモカのおっちゃん興味しんしん」までは単行本の2冊めも同題で「続」もしくは「Ⅱ」となっていましたが「芋たこ長電話」の後半から題が変わっております。文庫版では『ああカモカのおっちゃんⅡ』から改題されて『カモカのおっちゃん興味しんしん』は文庫版の題に採用されておりません。
 そして「芋たこ長電話」の終了から4ヶ月半の休載1を挟んで「女の口髭」が1年、以後は2ヶ月の休載を挟みつつ「女の幕ノ内弁当」2年、「浪花ままごと」2年で、15年間という勘定になっております。単行本と文庫版の対照関係は、簡単な表にして置きましょう。全集150編の内訳も添えて置きました。

  単行本 文庫版 全集収録数
女の長風呂 女の長風呂 14
女の長風呂(続) 女の長風呂Ⅱ 12
イブのおくれ毛 イブのおくれ毛Ⅰ 11
イブのおくれ毛(続) イブのおくれ毛Ⅱ 6
ああカモカのおっちゃん ああカモカのおっちゃん 9
ああカモカのおっちゃんⅡ 女の気まま運転 9
モカのおっちゃん興味しんしんⅠ 女の停車場 8
モカのおっちゃん興味しんしんⅡ 女のハイウェイ 4
芋たこ長電話 芋たこ長電話 13
女の居酒屋 女の居酒屋 12
女の口髭 女の口髭 9
女の幕ノ内弁当 女の幕ノ内弁当 12
女の中年かるた 女の中年かるた 16
浪花ままごと 浪花ままごと 6
女のとおせんぼ 女のとおせんぼ 9

 ⑥⑦⑧の文庫版には「カモカ・シリーズⅡ(~Ⅳ)」のシリーズ名が与えられております。しかし、それにしても、①②『女の長風呂』正続にはそれぞれ50編ずつ収録されておりますので、1/4程度の収録では如何にも少ない、と申せましょう。(以下続稿)