・「女の長風呂」シリーズ(1)
15年間続いた田辺氏の「週刊文春」連載エッセイは『田辺聖子全集』に抄録だけれども、次の1巻を充てて収録されております。
・『田辺聖子全集』第九巻(二〇〇五年二月十日 第一刷発行・集英社・口絵+563頁・A5判上製本)
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 2005/02/04
- メディア: 単行本
シリーズ名については、『全集』第九巻531~545頁「解説」に記述があります。531頁(頁付なし)は「解説」の扉で裏は白紙、533頁から本文で田辺聖子「桔梗は わが叛逆の 旗印*1」、冒頭を抜いて置きましょう。533頁5~13行め、
この巻はエッセー集であるが、〈カモカのおっちゃん〉の登場する〈カモカ・シリーズ〉としてまとめ/られたものである。
昭和四十六年、『女の長風呂』というタイトルで、「週刊文春」に見開き二ページのエッセーを連載した/が、当初三カ月の約束であったのに、それが延々、十五年に及んでしまった。この巻にも、すべては収め/きれず、抜萃*2となっている。
私自身、こんなに長く続けるつもりはなかった。三カ月が過ぎた時点で、また三カ月、といわれること/数回に及び、ついに〈出来ればいつまでも〉と、十五年間続いてしまったのだ。
単行本は全十五冊にもなり、タイトルはそれぞれ違うが、登場人物は、〈カモカのおっちゃんとおせい/さん〉であるのは同じ。内訳、左の如*3し。
続いて、単行本15冊の標題と刊年を列挙しています。
平成7年(1995)には『ベスト・オブ・女の長風呂』と題する単行本3冊の選集が刊行されておりますから「女の長風呂」シリーズと呼ぶことも出来そうです*4。
・ベスト・オブ・女の長風呂 Ⅰ『イブのおくれ毛』一九九五年五月三十日第一刷・定価1553円・文藝春秋・285頁・四六判上製本
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 1995/05/30
- メディア: 単行本
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 1995/06/30
- メディア: 単行本
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 1995/07/30
- メディア: 単行本
本巻は、十五年間にわたって「週刊文春」に連載したエッセイ、カモカ・シリーズ全十五冊、『女の長風呂』/『女の長風呂(続)』『イブのおくれ毛』『イブのおくれ毛(続)』『ああカモカのおっちゃん』『ああカモカのお/っちゃんⅡ』『カモカのおっちゃん興味しんしんⅠ』『カモカのおっちゃん興味しんしんⅡ』『芋たこ長電話』/『女の居酒屋』『女の口髭』『女の幕ノ内弁当』『女の中年かるた』『浪花ままごと』『女のとおせんぼ』のなかか/ら厳選し、百五十編を収録した。
として、以下、546頁3行め~554頁17行め〔初出〕に150編の1冊ごとに「週刊文春」の発行日・巻号を示し、554頁18行め~556頁16行め〔収録〕に単行本・文庫版・選集を列挙しています。1行空けて556頁17行め~562頁7行めに単行本『女の長風呂(続)』と『女のとおせんぼ』の「あとがき」、文庫版『浪花ままごと』の「文庫版のためのあとがき」を引用しています。そして最後、562頁8行め~563頁4行めに、評論家(武蔵野次郎、岡庭昇)の評や、新聞の書評若干を紹介しています。
なお『ベスト・オブ・女の長風呂』は5冊ごとに1冊に纏めているようですが、その後、文春文庫で刊行された『エッセイベストセレクション』全3冊は選び方がまた違っているようです。
・文春文庫『女はふともも エッセイベストセレクション1』2013年3月10日 第1刷・2013年6月20日 第2刷・定価590円・313頁
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
- 作者:田辺 聖子
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 文庫