瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

岡本綺堂の文庫本(4)

・『女魔術師』(2)
 4月26日付(3)の続き。
 初め、書棚に見掛けて何となく手にして、カバー裏表紙折返しを見るに、上部に薄い紫色の横線(5.4cm)が3本、1本めは0.1cmと太く、残りの2本は細い。1〜2本めの間(0.7cm)にゴシック体で「岡本綺堂の作品」、2〜3本めの間(0.6cm)に明朝体で「半七捕物帳 [新装版]〈全六巻〉時代推理小説」、3本めの横線の下に8点「影を踏まれた女 [新装版] 怪談コレクション/白髪鬼 [新装版] 怪談コレクション/鷲 [新装版] 怪談コレクション中国怪奇小説集 [新装版] 怪談コレクション/鎧櫃の血 [新装版] 巷談コレクション/江戸情話集 [新装版] 傑作時代小説/蜘蛛の夢 [新装版] 時代推理傑作集/女魔術師 傑作情話集*1とあって、すなわち本書のみ[新装版]ではない*2
 どんな作品が入っているのかと「目次」と「◎底本出典一覧」を眺めて、このうちの「子供役者の死」は同名の作品集を手にしたことがあるので、さらに本文を繰って行くうち、「岩井紫妻の死」の末尾、192頁の左側、本文末から4行分空けて10〜12行めに3字下げで小さく、

【編集部註】青蛙房刊『岡本綺堂読物選集3 巷談編』(一九六九年九月)には、本編とほぼ同じ/内容の作品「岩井紫妻の恋」が収録されています。その選集が著者没後の出版で、作品名や一部記/述が変更された経緯が不明なため、本書掲載にあたっては初出誌に準じて校訂しています。

とあることに気付いた。他の作品にはこのような註記はない。
 『岡本綺堂読物選集』全8巻は、岡本綺堂(1872.十.十五〜1939.3.1)の養嗣子岡本経一(1909〜2010.11.15)が編集し、その経営する出版社から刊行されたものだから、信頼性は高いように思われるけれども、2011年1月4日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(03)」・2011年6月19日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(10)」及び2013年6月28日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(17)」に触れたように、実はそうでもないのである。
 そこで、丁度「浪人時代に」入り浸った「予備校の近くの図書館」に行く用事があったので『岡本綺堂読物選集③ 巷談編』(昭和44年9月5日発行・定価八五〇円・447頁)を借りて来た。(以下続稿)

*1:ルビ「はくはつき・わし・よろいびつ・くも」。

*2:最後の頁が光文社文庫岡本綺堂作品集」8冊の広告であることは前回4月26日付(3)にも注意したが、やはり本書を除く7点には「新装版」と添えている。