瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

七人坊主(20)

 矢口氏はこの伝説「七人坊主の話」を、以上3タイプ3話の他に9話、3タイプ聞いている訳だが、その内容はまだ発表されていない。
 そして、世間話の祟りの話の方だが、11月9日付(16)に引用したこの資料紹介の解説部分には「七人坊主のタタリ」とあったが、本文の方では「七人坊さんの祟り」となっている。次の1話しか紹介されていないが、これしか聞かなかったのかどうか、数を挙げていないので分からない。

 20・七人坊さんの祟り
 すーと七人坊さんが住んでいる里に来ないで山に住んでいて、死ねば死に場所にそういう塚が/
建っている。七人、そこで坊さん*1のことを言えば必ず祟りがあるから。ここでは七人坊さんのこ/
とを言うと牛が倒れるとか、なにかしたことがあるんで間にね。こんだぁこないだの皆若い者*2の/
知っていることのわけだ


 初出ではここまでが77頁で、最後の行に「(以下巻末に続く)」とある。そして裏表紙の表(84頁の次、頁付なし)、奥付の上に「(77頁より)」として続いている。ここに昭和27年の事故が語られているが、次回に回すこととする。
 さて、今回引いた部分だが、矢口氏が伝説に分類している内容が前振りになっている。やはり断片である。どうして「里に来ないで山に住んでい」るのか、なぜ「祟りがある」のか、全く分からない。分からなくて語らなかったのではなくて、やはり分かっていて語っていないように思われるのだが。
 それはともかく、「七人坊さんのことを言うと牛が倒れるとか」の箇所は、10月17日付(04)の菊池たかし「七人ぼうずのたたり」の登場人物が語る、「去年、牛をひいてここをとおった人が、『七人ぼうずのくそぼうず』と、ふざけたそうだ。したら、とたんに牛のあしの骨が折れて、ひっくりかえったというが、これはたたりかね?」という話と合致していることが注意される。現状では行き止まりの林道であるはずの「塚が建っている」辺りに「牛」がいた理由だが、これは後日述べることとしたい。(以下続稿)

*1:ルビ「ぼん」。

*2:ルビ「もん」