ちくま文庫の整理番号は「み 25 2」。
カバー表紙折返しの紹介文、新潮文庫の三刷ではなく、二刷に近い。異同を挙げてみる。
「生れ」→「生まれ」、「大学仏文科卒業」→「大学卒、仏文専攻」、「プリンストン、ミシガン、スタンフォード大学で」→「プリンストン大学などで」、「、『続明暗』」→「『續明暗』」、「を、'95年には、本書」→「、95年に」、「また、'98年、朝日新聞に連載された」→「98年に」、「を刊行。」→「刊行。2002年『本格小説』で読売文学賞を受賞。08年『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』、09年『日本語で書くということ』『日本語で読むということ』を刊行。」
この文の上にちょっと傾いた顔写真。下部に「カバーデザイン 堀口豊太」。
以下、新潮文庫とちくま文庫を比較してみる。
1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)新潮文庫は「登場人物紹介」の扉、ちくま文庫は「目 次」、新潮文庫には目次はない。4〜5頁(頁付なし)に登場人物紹介で14人が1〜5行で説明される。ちくま文庫は4頁の1行めが見出し。7頁(頁付なし)中扉で標題、9頁から本文で頁付がある。新潮文庫は1頁18行、1行41字。ちくま文庫は1頁17行、1行39字。
章番号は新潮文庫は明朝体、ちくま文庫はゴシック体、2行取り、5字下げ、最初の「百八十八」のみ、その前に1行の空白がある。
本文、新潮文庫は375頁まで、ちくま文庫は409頁まで、最後に(冒頭百八十八回は『明暗』末尾の漱石の原文)とある。
新潮文庫376〜381頁「あとがき」、ちくま文庫版では410〜416頁「新潮文庫版あとがき」として再録、「一九九三年八月」付。417頁に新たに「二〇〇九年二月九日」付の「ちくま文庫版あとがき」が追加されている。(以下続稿)