瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『斜陽』の文庫本(07)

新潮文庫261(7)
 三十九刷と八十一刷(七十刷改版)の比較。前回、5頁までは一致と書いたけれども、5頁10行めの「滑り込ませた」ににあった振仮名「すべ」がではなくなっている。また、は鍵括弧内の最後に句点があるが、にはない。この句点は④⑤にもない。すなわち、にだけある、異常(?)な処置なのである。それはともかく、6頁から少し異同を拾ってみたい。最初は合致している。
・6頁3行め「弟の学友で」→「弟の学友で」以下1字ズレ。
・6頁7行め「高等御下宿」にで新たに振仮名「おん」附される。
・6頁7行め、読点ぶら下げで字数のズレ解消。
・6頁8行め「高等御乞食」の振仮名、こじき」→「おんこじき
・6頁8行め「しんの貴族は、」読点ぶら下げ、には読点なし。
・6頁11行め「私たちならお皿の上に」→「私たちなら、お皿の上に」以下1字ズレ。
・6頁13行めの下部、は「上体をかがめる事も無く、お顔をしゃんと挙げて、」の2箇の読点が半角、はこの行「挙げ」までで「て、」は次の行、すなわち2字ズレ。
・6頁14行めの下部、は「それから、燕のように、とでも形容した」の2箇の読点が半角、は「とでも形」までで3字ズレ。
・6頁18行め「吸う音もお皿の音も、ちっとも」の読点、になし。6頁の最後で4字ズレ。
・7頁2行め、読点ぶら下げ、3字ズレになる。
・7頁4行め、「けれども、私は」の読点、になし。4字ズレ。
・6頁5行め、「あきらめて、お」の読点、になし。5字ズレ。
 ここで段落が変わって字数のズレもリセットされる訳だが、5頁の異同がほぼ振仮名の有無だけだったのが嘘みたいだが、頁によってこんな風に細かい異同がたくさんあったり、殆ど変わりがなかったりするようだ。とにかく細かく見て行くと際限がなさそうなので、ここからは、行数が違ってしまっている箇所を指摘することにしたい。(以下続稿)