瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

伊藤左千夫『野菊の墓』(2)

 11月23日付(1)の続き。Amazonの表示方法については毎回突っ込んでおり、自分でもしつこいような気もするのだが、陳情ではないが毎度声を挙げ続けることにした。いろんな版元の本のレビューが混ざって表示されてしまうのに「20件のカスタマーレビュー」もしくは「 20個すべてのカスタマーレビューを表示(新しい順)」をクリックしない限り「レビュー対象商品: 野菊の墓 (新潮文庫) (文庫)」とは表示されず、「形式:文庫」としか示されない。なんかクリックさせると版元にポイントが付くような仕組みでもあるのか。けれども、レビューの数が多いと読むのも面倒になる。だからうっかりトップにある別の文庫のレビューを見て、騙されて違う文庫を買わされかねない。版元はそれでもいいのか知らんが、いい迷惑である。

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新潮文庫880(2)
 カバーについて見て置く。
 現在Amazon詳細ページに示される書影は、今私の手許にある諸本のうちでは③百十四刷に同じ。②六十九刷・八十四刷・③九十五刷はそれ以前のカバー表紙で、絵柄は同じだが、上部に赤蜻蛉にまざって「野 菊 の 墓伊藤左千夫」と明朝体、最下部中央に浜菊に紛れるように明朝体で「新潮文庫」とあったのを、現行の表紙は絵の上部を紫色で塗りつぶしてこれらの文字を集めたのである。また、以前は表紙の全面が絵で、表紙折返しにも及んでいたのを、現行のカバーは縮小して四周に余白を作っている。
 表紙折返し、②六十九刷・八十四刷・③九十五刷は右下に「カバー 馬淵 聖」とあるのみで他は余白*1。③百十四刷は「カバー装画 馬 淵 聖」とあって、上部に顔写真入りで伊藤左千夫の略伝*2
 背表紙、上部の標題と中央の著者名はほぼ同じ。最下部、②六十九刷はゴシック体で「新潮文庫 〔草〕 四八A  140」とある。〔草〕は横並びで明朝体*3。他の諸本は「[い 5 1]新潮文庫」とあって②八十四刷「200」、③九十五刷「280」に下線*4、③百十四刷「\286」とある(ようだが分類票貼付のためはっきり確認出来ない)*5
 裏表紙折返し、②六十九刷「新潮社の三大辞典 」の広告で、右から「〈現代語/古 語〉〈改/訂〉新潮国語辞典」¥2600/〒240、「〈新/潮〉世界文学小辞典」¥3400/〒280、「〈新/潮〉日本文学小辞典」¥3400/〒280、最下部左に「カバー印刷 錦明印刷」*6。②八十四刷は匡郭内上部に丸ゴシック体横組みで「新潮社の辞典 」とあって右から「新潮世界美術辞典」定価19000円、「新潮現代国語辞典」定価2000円、「〈新装/改訂〉新潮国語辞典〈現代語/古 語〉」定価3500円、最下部左に「カバー印刷 錦明印刷」*7。③九十五刷は右半分が切除されていて匡郭内上部の教科書体横組み「新潮社の」まで残存、そして右から「新潮世界美術辞典」「新潮現代国語辞典」「〈新装/改訂〉新潮国語辞典〈現代語/古 語〉」の広告でさらに右に3つあったと思う。最下部「カバー印刷 錦明」まで残存*8。③百十四刷は「|新潮文庫 日本の近代文学|*9」で2月10日付「中島敦の文庫本(13)」で触れた新潮文庫1895『李陵・山月記』の④七十七刷(29人29題)にほぼ同じだが、16番めに「高橋和巳 悲の器」が残っていて30人30題になっている。最下部に「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」*10
 裏表紙、②六十九刷・八十四刷は右上の紹介文の上下に横線がある。六十九刷は中央の横線の下、中央に葡萄マークがあって、左下隅に「0193-104801-3162」右下隅に「¥ 140*11。八十四刷は横線と葡萄マークの間に「ISBN4-10-104801-0 C0193 \200E 定価200円」とある。③九十五刷も11行(1行16字)の紹介文は②八十四刷と同版、最上部の横線がなくなっており、左上にバーコード2つ、中央の横線の上、左に「定価280円(本体272円)」、横線の下、左にISBNコード/Cコードに「P280E」、右に葡萄マーク*12。③百十四刷も同じレイアウトだが紹介文は組み直されており、2つめのバーコードの下4桁が「2806」→「2867」に、定価が「定価:本体286円(税別)」、ISBNコードが13桁で下1桁が「-0」から「-7」に、Cコードの次が「\286E」になっている*13。(以下続稿)

*1:2015年1月1日追記】②六十三刷も同じ。

*2:2013年2月25日追記】③百十二刷も同じ。【2014年5月23日追記】③百八刷も同じ。【2014年11月13日追記】③百十五刷も同じ。

*3:2015年1月1日追記】②六十三刷は最下部の数字が「120」。

*4:2013年2月23日追記】③百刷のカバーは表紙・表紙折返しは九十五刷のカバーに同じ、背表紙もほぼ同じだが最下部の数字が「320」に下線になっている。【2013年2月25日追記】③九十三刷と③九十五刷の、カバー背表紙最下部が「240」に下線となっているものを見た。カバー表紙・表紙折返しは②八十四刷・③百刷に同じ。

*5:2013年2月25日追記】③百十二刷は「\286」とある。【2013年4月13日追記】③百十二刷と③百十四刷を並べて見るに「\286」とあるのは確か、従って本文の( )の部分を削除した。【2014年5月23日追記】③百八刷も同じ。【2014年11月13日追記】③百十五刷も同じ。

*6:2014年3月17日追記】②七十九刷のカバーは②六十九刷のカバーにほぼ同じで、異同はこの広告の『新潮国語辞典』の定価が「\2900」となっているのみ。【2015年1月1日追記】この広告については2013年3月25日付「「新潮社の辞典!」の広告(1)」に詳細を述べた。②六十三刷は『新潮国語辞典』の定価が「\2400」となっている。【2016年11月6日追記】②七十八刷のカバーは②七十九刷のカバーに同じ。

*7:2017年6月3日追記】私の見た③八十八刷は右半分が切除されているが、今手許にある新潮文庫2045『カルメン』二十一刷(2013年4月27日付「「新潮社の辞典!」の広告(5)」に追加)に一致する。なお、2013年3月26日付「「新潮社の辞典!」の広告(2)」に示したように、②八十四刷及び③九十刷のカバーにはこれより以前の形式の広告が載っており、私の見た③八十八刷のカバーは③九十刷のカバーより、後のものに掛け替えられていることになる。

*8:2013年2月23日追記】②九十五刷と②百刷の、裏表紙折返しが完全に保存されたものを見た。上部は横組みの楷書体で「新潮社の辞典 」とある。広告はやはり6点で、右半分は右から「新潮日本人名辞典」「〈増補/改訂〉新潮世界文学辞典」「〈増補/改訂〉新潮日本文学辞典」。最下部、九十五刷は「カバー印刷 錦明印刷」のみ、百刷にはその右に「  デザイン 新潮社装幀室」とある。【2013年2月25日追記】一昨日追記した③九十五刷のカバーは定価272円ではなく定価233円のものであった。③九十三刷、最下部は③九十五刷に同じ、広告は「新潮日本人名辞典」がなく5点で配列は同じ、③九十五刷・③百刷に比してゆったり組まれている。標題の下にゴシック体縦組み3行の紹介文があるが、③九十三刷は1行17字だったのが、③九十五刷・③百刷は1行18字、内容はほぼ同じだが説明の順序を変えたり全体に書き直している。

*9:2013年3月31日追記】「新潮社」としていたのを③百十二刷により「新潮文庫」に改めた。【2013年4月13日追記】③百十四刷も「新潮文庫」となっている。

*10:2013年2月25日追記】③百十二刷は28人28題。【2013年4月13日追記】③百十二刷は活字が一回り大きい。【2014年5月23日追記】③百八刷は29人29行。【2014年11月13日追記】③百十五刷は上部は余白になっており、最下部の1行のみ。

*11:2015年1月1日追記】②六十三刷は右下隅が「¥ 120」となっている他は同じ。

*12:2013年2月23日追記】③百刷も同じレイアウトで、異同は2つめのバーコードの下4桁が「3209」、「定価320円(本体311円)」、Cコードの次が「P320E」。【2013年2月25日追記】③九十三刷と③九十五刷の定価233円のカバーは、裏表紙折返しの広告が異なるのみで、裏表紙は一致している。レイアウトは③百刷に同じ、異同は定価に関連する箇所でバーコード2つめの下4桁「2400」、「定価240円(本体233円)」、Cコードの次「P240E」。

*13:2013年2月25日追記】③百十二刷も同じ。【2014年5月23日追記】③百八刷はISBNコードが10桁のままである点を除いて③百十二刷・百十四刷に同じ。【2014年11月13日追記】③百十五刷もISBNコード13桁で百十四刷に同じ。