瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小泉八雲の文庫本(3)

・角川文庫1398『怪談・奇談』(3)
 8月23日付(1)にて、天野喜孝のカバーにつき、昭和63年(1988)7月の【七十八版】にて記述した。その後、同じ天野氏のカバーの別の版を見て、比較してみたのでここにメモして置く。8月23日付(1)ではなか見!検索の【一〇三版】と比較しつつ記述したが、そのことを忘れて既に記述済みの箇所も含めてメモを取ってしまったのだが、整理するのも面倒なのでそのまま上げておく。
【九十版】昭和三十一年十一月十日初版発行・平成六年六月十五日九十版発行・定価340円・287頁
 表紙は同じ。表紙折返し、九十版には右下に「カバー 天野喜孝」とあるのみ*1だが、七十八版には横組みで下部に「野性時代」の広告(定価なし)、上部に「怪談・奇談」と題して、以下明朝体9行(1行16字)の紹介文がある。九十版では同じ文は裏表紙の中央に縦組みゴシック体10行(1行14字)で入っている。ルビも一致しており、七十八版の方が最初を1字下げにしているのに対し九十版の方は1字下げにしていないことと鍵括弧を七十八版は全角にしているが九十版は半角にしているといった違いがあるのみである*2
 表紙裏表紙、七十八版は上部にISBNコードとCコード、「\340E 定価340円」が1行に入るのみ。九十版は紹介文の他、左上にバーコード2つ、右上に1行めISBNコード、2行めCコードに「P350E 定価350円」とあって定価の下に「(本体340円)」とある*3
 裏表紙折返し、左下に横組み明朝体で小さく「カバー 暁美術印刷」、右下にKBマークがあるのは一致する。七十八版はこれだけで後は余白になっているが、九十版は上部に小振りなゴシック体で「ラフカディオ・ハーン/Lafcadio Hearn」と題して、「1850年アイルランド人の父とギリシア人の/母の間に、ギリシアイオニア諸島で生まれ/る。父母の離婚にともない世界を点々とし、/1890年、日本にたどり着く。小泉八雲を名乗/り、大学で英文学を講じるいっぽう、日本的/情緒を随筆等に描きつづけた。」とある*4。「点々と」は「転々と」の誤り。
 背表紙、七十八版は縹色地、九十版は菫色地、ともに褪色しているかも知れない。最上部は赤地で七十八版(縦0.7cm)は白抜きで「120-1」その下に黒で「340」、九十版(縦1.0cm)は白抜き「ハ|1-1」とあり、そのすぐ下に「怪談・奇談」の標題があるが七十八版はゴシック体太字、九十版は明朝体太字。中央やや下に「ハーン」と、一回り小さい同じ字体で入り、下部に七十八版は小さなゴシック体で「角川文庫」、九十版はそれよりも一回り大きなゴシック体で「角川文庫●350」●に白抜き「P」*5
 本体の方に眼を転ずるに、奥付の前は白紙。
 九十版の奥付の形式は角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』【十六版】に同じ。子持枠の中の「怪談・奇談/田代三千稔=訳」等、それから発行日、匡郭外の左下「ハ 1-1」と右下のISBNコードが違うのみ。
 七十八版は角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』【再版】に同じ。「印刷所――旭印刷」は同じだがその下の「製本所――千曲堂製本」それから匡郭の外の左下にまだ九十版の「ハ 1-1」のような五十音順の整理番号はなく、右下に九十版と同じISBNコードとCコードがあるのみ。
 角川源義「角川文庫発刊に際して」の後に、七十八版は3段組の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)」の(26)〜(33)頁と「角川文庫目録 外国文学(赤帯)」の(34)〜(36)頁、「角川文庫目録 思想・科学・芸術・其他(白帯)」の(37)頁、「角川文庫 最新刊」1頁に10点の(49)(50)頁。九十版は角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』【十六版】に同じ「角川文庫の名作/語り継がれる一冊がある」があって8頁めまでは一致、本書にはさらに9頁めに上段6点下段4点で余白には地球の上を本を読みながら歩く若者のイラストがある。その次の見開きが「角川文庫海外作品」1頁に6点、次の見開きが映写機のイラストのある「名画コーナー」でやはり1頁に6点、最後の頁は「マイ・シューヴァル/ベール・ヴァールー」でこれも1頁6点。

*1:一〇三版も同様。

*2:これは一〇三版に同じ。

*3:一〇三版は2行めにCコードに「\480E」、3行め「定価:本体480円(税別)」。

*4:これも一〇三版に同じ。

*5:2013年1月23日追記】九十三版を見た。平成七年五月三十日九十三版発行・定価417円。カバーは九十版にほぼ同じ、異同は背表紙の最下部の数字は「430」、裏表紙は価格に関係するところ、2つめのバーコードの下4桁「4301」、Cコードの次「P430E 定価430円/(本体417円)」。奥付「製本所――多摩文庫」。目録は、まず2012年12月7日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(6)」で見た角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』十七版に8頁あった「角川文庫の名作/語り継ぎたい一冊がある。」と1頁めは一致するが、本書には9頁あり、本書2頁めは『羅生門・鼻・芋粥』の8頁め、同様に3頁めが2頁め、4〜5頁めは4〜5頁め、6頁めが3頁め、8頁めが7頁め、9頁めが6頁め、7頁めは『羅生門・鼻・芋粥』にはない。次いで1頁に6点の「角川文庫ベストセラー」5頁。