瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(14)

新潮文庫1804『羅生門・鼻』(3)
 2013年8月30日付(13)の続き。
 ②五十三刷で2013年8月21日付(12)で確認したカバーとは異なるものの掛かった本を見た。そこで、追記とせずに別に記述して置くことにする。
 表紙は一致。以下、既に見ている「定価311円」に、新たに見た「定価350円」の順に、並べて異同を確認して置く。
 背表紙は最下部の「320」に太い下線が「360」に太い下線になっている。
 裏表紙のレイアウトは同じで、バーコード2つめの下4桁が「3209」ではなく「3605」に、定価表示「定価320円(本体311円)」が「定価360円(本体350円)」となっている。従って横線の下の2行め、Cコードの次が「 P320E」ではなく「 P360E」である。
 裏表紙折返しの上部は一致。最下部「カバー印刷 錦明印刷」が「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」と現行のものと同じになっている。よって定価350円のカバーの方が新しいと見て誤りなかろう。
 表紙折返し、右下「カバー 高松次郎」は一致。新潮カセットブックの広告ではなく、現行と同じ、上部に上下を横線で挟んだ間、右側に顔写真、左側は上寄せで横組み「芥川龍之介Akutagawa Ryûnosuke(1892―1927)」とあって、その下に横組明朝体14行の紹介文がある。これを今手許にある③六十七刷と比較するに、10行めまでは一致。11行め以降が次のようになっている。灰色の太字で示した部分は②五十三刷(定価350円カバー)にはない。

‥‥。'25(大正14)年頃よ/り体調がすぐれず、「ぼん|やりとした/不安」のなか、薬物自殺。|「歯車」「或/阿呆の一生」などの遺稿|が遺された。

 

 「/」が②五十三刷(定価350円カバー)の改行位置で最後の句点はぶら下げで14行にぎりぎり収めている。「|」は③六十七刷の改行位置で15行めまで。ズレている理由は灰色太字にした「(大正14)」を挿入したためである。なお、新潮文庫1806『蜘蛛の糸杜子春』五十五刷(平成八年五月三十日)及び五十九刷(平成十二年五月三十日)のカバー表紙折返しは②五十三刷(定価350円カバー)に一致する。
 この紹介文は2013年8月23日付「芥川龍之介『地獄變』の文庫本(1)」で見たようにもう1度改訂がなされる*1のだが、まずはこれが初稿ということになろう。(以下続稿)

*1:この現行の紹介文は、既に見たように10行めまでは②五十三刷(定価350円カバー)に同じ、11行めと14〜15行めは③六十七刷に一致している。