- 作者: 岡本かの子,上村松園
- 出版社/メーカー: 新学社
- 発売日: 2004/03
- メディア: 文庫
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新学社近代浪漫派文庫(全42冊)*1は版元のHPに「浪漫的心性に富んだ近代の文学者・芸術家を厳選」と謳っているように特色あるシリーズで、他の文庫では読めない作者・作品が多い。表記は歴史的仮名遣いに新字である。
本体、1頁(頁付なし)扉、2頁(頁付なし)下部に小さく「装幀 友成 修/カバー画/パウル・クレー『ふたつ果実―風景Ⅱ』一九三五年」次の行からは下詰めで「個人蔵(スイス)/協力 日本パウル・クレー協会/◆ 河井寛次郎 作画」◆のところにはこちら向きの左手で、親指と人差指を伸ばし人差指の先に○を乗せる。他の3指は握っている。このマークはカバー表紙・背表紙最下部にもあって、マークの下に「新学社」とあるから版元のマークであろうか。3〜4頁(頁付なし)「目次」。
5頁(頁付なし)は「岡本かの子」の扉で、7〜13頁「かろきねたみ」は岡本かの著『かろきねたみ(歌双紙第一編)』(大正元年十二月十五日印刷・大正元年十二月二十日発行・定價二十五錢・青鞜社・6丁)の再録で、原本では半丁に1題7首ずつで10題70首を収めていた。表紙・裏表紙の装画、1丁め表の口繪は本書には採られていない。早稲田大学古典籍総合データベースにて、早稲田大学図書館(今井卓爾文庫)蔵「歌双紙第一編かろきねたみ / 岡本かの子著」が閲覧出来る。小説は14〜40頁13行め「東海道五十三次」、41〜70頁11行め「老妓抄」、71〜122頁15行め「雛妓」の3作品で、1頁めはまず題が大きく2行取りで入り、4行空けて本文。1頁17行、1行38字。さらに123〜178頁10行め「仏教読本(抄)」178頁11行めは下詰めで小さく「(『仏教読本』は後に『人生読本』と改題された)」とあるが、書誌に関する記述はこれのみである。ちなみに抄録されている課を、2行取り4字下げの見出しの位置とともに挙げて行くと、123頁2行め「第一課 悲観と楽観」126頁6行め「第六課 人情に殉じ、人情を完うす」130頁6行め「第十四課 涙の価値」133頁6行め「第十五課 無 駄」135頁8行め「第十七課 誘 惑」138頁13行め「第二十二課 敵、味方 一*2140頁8行め「第二十五課 母 性 愛」147頁5行め「第二十六課 父 性 愛」150頁1行め「第三十一課 性 慾」151頁8行め「第三十二課 恋 愛」153頁7行め「第三十三課 婚約の前に八方手を尽せ」155頁14行め「第三十四課 結婚と夫婦愛」159頁13行め「第三十五課 家 庭」160頁10行め「第四十五課 賞める・叱かる」162頁2行め「第四十八課 女のヒステリー」166頁14行め「第五十五課 運 命」169頁7行め「第五十七課 死」172頁8行め「第七十一課 モダン極楽・モダン地獄」174頁7行め「第七十四課 聖徳太子仰讚」。
179頁(頁付なし)は「上村松園」の扉で181〜324頁7行め「青眉抄(抄)」。細目は略す。
解説はない。
1頁白紙があって裏の上段に「岡本かの子(おかもと かのこ)」の略伝16行、下段に「上村松園(うえむら しょうえん)」の略伝16行。収録作の発表年については、前者の5〜6行め「‥‥。大正元年に処女歌集「かろ/きねたみ」を刊行の前後から‥‥」及び後者の14〜15行めに「‥‥。昭和十八年に「青眉抄」(六合書/院刊)。‥‥」とあるのみ。
次に奥付、その裏が「新学社近代浪漫派文庫(全42冊)」の目録で1段14点で3段、本書は2段めの12番めに見える。(以下続稿)