・角川文庫(9)
角川文庫235『こゝろ』については、まず2012年10月27日付(01)に一八八版のカバー、2012年10月30日付(03)に一八八版の本体を紹介した。これに近い時期の版としては今年に入ってから3月1日付(11)にて百七十七版を紹介したのだが、今回、この間に位置する版を見ることが出来たので、百七十七版を借りて来て並べて比較して見た。
適宜一八八版のメモとも比較しつつ、記述して置こう。
【一八〇版】昭和二十六年八月二十五日初版発行・平成十年五月三十日一八〇版発行・定価300円・300頁
カバー表紙は百七十七版及び一八八版の「わたせせいぞう」の装画ではなく、2012年8月15日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(14)」に紹介した角川文庫79『坊っちゃん』改版八十五版と同じレイアウトで、異同は、最上部が1.0cm幅の緑色の帯状になっていてその中央に白抜き明朝体で「こゝろ」と標題。
カバー表紙折返しも角川文庫79『坊っちゃん』改版八十五版に同じで、百七十七版とは著者の写真・紹介文は一致、異同は最下部右寄り「カバーデザイン/豊田富路暮」と1行で入っていること。
カバー背表紙、上部は楷書体の標題が百七十七版に比して太い。中央やや下のゴシック体の著者名も百七十七版に比して太い。白地の最下部の「Y300」は百七十七版よりも一回り大きい。
カバー裏表紙は百七十七版に同じ。
カバー裏表紙折返しは最下部左に小さく「カバー 暁印刷」右にKBマークがあるのみで、他は余白。
本体は300頁まで百七十七版・一八八版に一致。
奥付は百七十七版と比較するに組み直されているが、電話番号は百七十七版に同じ、郵便番号と振替番号は一八八版に同じ。「落丁・乱丁本」の送り先は「小社営業部サービスセンターに/」となっており、百七十七版・一八八版ともに異なる。匡郭の下辺の上下の横組みは百七十七版に一致。
「角川文庫発刊に際して」は同じ。
最後の目録2頁は百七十七版に一致。