瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『三四郎』の文庫本(2)

・角川文庫271(2)
 2012年3月20日付(1)で、九十八版(282頁)と百二十版(337頁)を比較したが、その後、後者と同じ表紙・頁数で、カバー等に若干の異同のあるものを見たので、ここにメモして置く*1
【百二十五版】平成七年五月三十日百二十五版発行・定価340円
【一三四版】平成二十年十一月十五日一三四版発行・定価362円
 カバー表紙折返し、百二十五版は百二十版と一致するらしく、著者の写真及び明朝体縦組み12行(1行17字)紹介文は2012年3月22日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(05)」で見た角川文庫79『坊っちゃん』改版八十五版や2012年10月27日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(1)」で見た角川文庫235『こゝろ』一八八版にあるものと同じ。最下部右寄りに「カバー わたせせいぞう」とある*2。一三四版はゴシック体横組み24行(1行17字)でこれは2012年10月28日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(2)」及び2012年11月6日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(5)」で見た角川文庫13391『こゝろ』改版十六版・改版十八版のものに一致、下部には余白が殆どなく、最下部左寄りに紹介文よりは太いゴシック体で「カバー/わたせせいぞう」とある。
 カバー背表紙は地色は肌色、但し私の見た百二十五版は褪色している。百二十五版は上部にゴシック体で「CLな|1-5」すぐ下に楷書体で標題、中央やや下にゴシック体で著者名、下部にゴシック体で小さく「|1-6350」とあってすぐ下が色の帯状(縦4.5cm)になっていてその上寄せに白抜きゴシック体で「角川文庫クラシックス」とある。一三四版は上部ゴシック体で「な 1-5 夏目漱石  で囲われる。すぐ下に明朝体太字で標題、下部にゴシック体で「角川文庫|■*3
 裏表紙は左上にバーコード2つ、2つめの下4桁が「3506」から「3628」に変わっている。百二十五版は右上の1行めにISBNコード、10桁で下1桁「-2」、2行めはCコードと「P350E 定価350円」定価のすぐ下に(本体340円)とある。中央のゴシック体縦書き10行(1行14字)の紹介文は百二十版と同じ*4。一三四版ではバーコードの下にISBNコード(13桁)/Cコードに「\362E」/定価:362円(税別)」とあり、右上にはゴシック体横組み14行(1行14字)で紹介文。百二十五版が「「それから」「門」と続く三部作の/序曲ともいうべき作品。……」で始まっていたのに対し、一三四版は末尾(11〜14行め)が「/うで……。愛されようとしてい/るにも拘わらず愛を得られない/複雑な心境を描く。『それから』/『門』に続く初期3部作の序章。」となっている。
 裏表紙折返しの目録は横組みで、百二十五版「角川文庫クラシックス夏目漱石作品集」と題して、1行めと2行めは同じ横幅、明朝体で15点。左下に小さく「カバー 暁印刷」右下にKBマーク*5。一三四版は上部に小さいゴシック体で「角川文庫|夏目漱石の本 ||」と題して11点、百二十五版と比較するに5番め「坑夫」9番め「彼岸過迄」13番め「明暗」と14番め「文鳥夢十夜・永日小品」の4点がない。下部は余白で右下にKBマークがあるのみ*6
 本体は百二十版のままだが、1頁(頁付なし)及び奥付の子持枠内の鳳凰が、百二十五版では脚と翼を広げて羽を銜えたものだったのが、一三四版では翼を広げて脚を揃えたものに変わっている。奥付の子持枠内の方にのみ、標題と著者名に振仮名があるのは一致。
 奥付の形式、百二十五版は発行日が2行である点を除いて1月4日付「夏目漱石『草枕』の文庫本(3)」で見た角川文庫722『草枕二百十日』改版四十二版(発行日3行)に一致する。異同は発行日やISBNコード、「印刷所――旭印刷 製本所――千曲堂」、匡郭下辺の左下「な 1-6」くらいである。ちなみに背表紙の上部にのみ「1-5」とあったが背表紙下部及び奥付は「1-6」である*7。一三四版は匡郭下辺の左下「な 1-5」で、右下にISBNコード・Cコードがあるが前者は10桁で百二十五版の奥付及びカバー裏表紙に一致する。大きな異同としては「発行所―株式会社角川書店」の他に「発売元―株式会社角川グループパブリッシング」が追加されていることで、それぞれ住所/電話/〒を添えるが住所は同じ、電話は発行所が「電話・編集」で発売元が「電話・営業」、百二十五版の「電話〈編集部/営業部〉の市外局番(〇三)の下が「三八一七」だったのが「三二三八」になっており、下4桁は「営業」の方は一致するが「編集」の方は違っている。〒は下3桁が異なる。発売元の〒の次の行にHPアドレス。印刷所一致するがその下は一三四版は「製本所――BBC」となっている。その次の2行は一致、次が百二十五版は「落丁・乱丁本はご面倒でも小社角川ブック・サービス宛に/お送りください。送料は小社負担でお取り替えいたします。」であるが一三四版は「落丁・乱丁本は角川グループ受注センター読者係にお送/りください。……」と変わっている。百二十五版は半行分空けて「定価はカバーに表示してあります。」とあったが、一三四版では匡郭左辺の左下寄せに移動している。
 奥付の裏は角川源義「角川文庫発刊に際して」、目録は、百二十五版はまず2012年12月7日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(6)」で見た角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』十七版に8頁あった「角川文庫の名作/語り継ぎたい一冊がある。」が9頁あって、1〜2頁めは一致、本書3頁めが『羅生門・鼻・芋粥』4頁め、以下同様に4頁めが3頁め、5頁めは一致、7頁めは一致、8頁めは6頁め、9頁めは8頁めで、本書6頁めは『羅生門・鼻・芋粥』には存在しない*8。次いで1頁6点の「角川文庫ベストセラー」が3頁*9。一三四版は1頁7点の「角川文庫ベストセラー」が12頁、うち1頁と2頁の3点めまでが夏目漱石で、「吾輩は猫である草枕二百十日虞美人草三四郎/それから/門/行人/道草/文鳥夢十夜・永日小品/坊っちゃん」で、カバー裏表紙折返しの11点と比較するに「こゝろ」がない。

*1:2016年3月7日追記】百二十七版(平成九年六月十日百二十七版発行・定価340円)を見た。この間に挟まるもの故、ここに添えて置く。

*2:2016年3月7日追記】百二十七版の写真と紹介文は百二十五版と一致する(ようだ)が最下部に文字はない。

*3:2016年3月7日追記】百二十七版は最上部0.6cm強が白地でQRコード、以下は肌色地で0.3cm間隔で横線があってゴシック体で「|な|1-5|Y340|夏目漱石 で囲われる。すぐ下に明朝体で標題。下部は一三四版に同じ。

*4:2016年3月7日追記】百二十七版のバーコード2つめの下4桁は「3406」、右上の2行めはCコードと「\340E」、3行め「定価:本体340円(税別)

*5:2016年3月7日追記】百二十七版の上部の目録は2013年1月2日付「夏目漱石『草枕』の文庫本(2)」で見た、角川文庫722『草枕二百十日』改版四十六版に同じ。最下部左寄りに明朝体横組み「カバー 泉文社 R」Rは◇で囲われる。右下にKBマーク。

*6:【2015年6月19日追記】この段落の入力ミス2箇所を修正した。

*7:2016年3月8日追記】百二十七版も同じ割付で、百二十五版との異同はそれぞれの発行日の他「製本所――大谷製本」、匡郭下辺の左下「CL な 1-5」、「電話〈編集部(〇三)三二三八―八四五一/営業部(〇三)三二三八―八五二一〉」。

*8:参考までに各頁の1点めを本書により挙げて置く。1頁め『銀河鉄道の夜』2頁め『恋人たち』3頁め『スローカーブを、もう一球』4頁め『銀の匙』5頁め『五番町夕霧楼』6頁め『美女と野獣』7頁め『蜘蛛の糸地獄変』8頁め『常識について』9頁め『動物農場』。

*9:2016年3月8日追記】百二十七版の目録については2014年3月12日付「「角川文庫クラシックス」の目録(2)」に追加した。