瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『アラベスク』(28)

・バレエ名作ダイジェスト(7)
 『完全版Ⅲ』220〜221頁、まず220頁から見て置こう。右端上下の飾り枠の間に「――7――くるみ割り人形*1」題はモダンゴシック体、続いて藻を連ねたような飾りの線によって上下に分けて、モダンゴシック体(ルビは明朝体)で、

 今回は、「白鳥の湖」「眠れ/る森の美女」とならんで、チ/ャイコフスキーの3大バ/レエのひとつ「くる/み割り人形」を、クリス/マスにちなんでおとどけします。*2
 少女クララは、クリスマス【上】のプレゼントに、奇妙なくる/み割り人形をもらいます。*3
 その夜クララは、マリオネ/ットのコロンビーヌや、鉛の/兵隊が動き出す世界へ入りこ/みます。*4
 突然、ネズミの兵隊におそ/われたクララは、あのくるみ*5

とあり、下段の右側にはクリスマスツリーと子供3人のイラストがあって、左側下詰めに縦組み「第1幕*6」とある。このツリーの☆を付けた頂部が仕切りを越えて上段に及んでいるため、上段の3〜5行めの字数が減っている。
 上段の左側には女性6人のイラストがあって、その上に、左詰めで「「雪片の踊り」*7」とある。うち1人の左脚が仕切りを越えて下段に及んでいるが、5行めと6行めの間にうまく入り込んでいるので字数には影響していない。
 221頁は右側に上下の仕切りがあり、上段の右端に男女のイラストがあって、その左側に下寄せ縦組みで「「クララと王子の踊り」*8」とある。また、左下に女性10人のイラストがあって、その下の右寄せ横組み「「花のワルツ」*9」とある。この部分は仕切りがなく、上段の文字数は左上の飾り枠とこの女性たちの腕を避けるのとで一定していない。

割り人形に助けられます。クララの/投げつけたスリッパのおかげで、う/まくネズミを追い払った後に、くる/み割り人形は、りりしい王子様にか/わっていたのです。*10
 クララは王子様につれ/られて、雪の国やお菓子/の国、花の国をめぐり/楽しい旅をしま/した。*11
 朝、めざめ/るとクララは、/くるみ割り/人形を抱いて眠/っていたのでした。*12【上】
 1892年、マリンスキー/劇場(今のレニングラード劇/場)で初演。この作品はバレ/エ学校の全学年が出演でき、/人形や、雪の精、お菓子の精、/花の精がいり乱れる、2幕の/美しいバレエです。*13


 単行本(HC版第II部第2巻)40〜41頁、まず明朝体で大きく「くるみ割り人形*14」とあって、その左に男女のイラストがあって下寄せ丸ゴシック体縦組みで「「クララと王子の踊り」 」とある。続く文章は明朝体縦組み。

 少女クララは、クリスマスのプレゼント/に奇妙なくるみ割り人形をもらいます。*15
 その夜クララは、マリオネットのコロン/ビーヌや、鉛の兵隊が動きだす世界へはい/りこみます。*16
 突然、ネズミの兵隊におそわれたクララ/は、くるみ割り人形に助けられます。クラ/ラの投げたスリッパのおかげで、うまくネ/ズミを追い払った後に、くるみ割り人形*17【40頁】りりしい王子/様にかわって/いたのです。*18
 クララは王/子様につれら/れて、雪の国/やおかしの国、/花の国をめぐ/り楽しい旅を/しました。*19
 朝めざめる/とクララは、くるみ割り人形を抱いて眠っ/ていたのでした。*20
くるみ割り人形」は「白鳥の湖」「眠/れる森の美女」とならんで、チャイコフスキ/ーの3大バレエのひとつといわれます。*21
 1892年、マリンスキー劇場(今のレ/ニングラード劇場)で初演されました。*22


 41頁右下に女性10人のイラストがあってその下に左寄せで丸ゴシック体横組み「「花のワルツ」」、単行本にはこれまでキャプションがなかったのが、最後になってキャプションを附している。
 イラストは2つを省略、文章の異同は、まず冒頭の季節感を込めた件を削除して最後の方へ回したことと、最後の段落のバレエ学校や多彩な役の紹介が省略されていることである。
 『文庫版Ⅲ』218〜219頁、218頁右端に女性1人のイラストがあってその左側下寄せ縦組み「「クララと王子の踊り」」、このキャプションの左に「《くるみ割り人形 》」とある。219頁の大部分(左下寄せ)に女性10人のイラストがあってその下、右寄せ横組み「「花のワルツ」」。単行本と同じ2つが採られている。(以下続稿)

*1:ルビ「わ・にんぎょう」。

*2:ルビ「こんかい・はくちょう・みずうみ・ねむ/もり・びじょ/だい//わ・にんぎょう/」。

*3:ルビ「しょうじょ/きみょう/わ・にんぎょう」。

*4:ルビ「よる/なまり/へいたい・うご・だ・せかい・はい/」。

*5:ルビ「とつぜん・へいたい/」。

*6:ルビ「だい・まく」。

*7:ルビ「せっぺん・おど」。

*8:ルビ「おうじ・おど」。

*9:ルビ「はな」。

*10:ルビ「わ・にんぎょう・たす/な/お・はら・あと/わ・にんぎょう・おうじさま/」。

*11:ルビ「おうじさま/ゆき・くに・かし/くに・はな・くに/たの・たび/」。

*12:ルビ「あさ//わ/にんぎょう・だ・ねむ/」。

*13:ルビ「ねん/げきじょう・いま・げき/じょう・しょえん・さくひん/がっこう・ぜんがくねん・しゅつえん/にんぎょう・ゆき・せい・かし・せい/はな・せい・みだ・まく/うつく」。

*14:ルビ「わ・にんぎよう」。

*15:ルビ「しようじよ/きみよう・わ・にんぎよう」。

*16:ルビ「よる/なまり・へいたい・うご・せかい/」。

*17:ルビ「とつぜん・へいたい/わ・にんぎよう・たす/な/お・はら・あと・わ・にんぎよう」。

*18:ルビ「おうじ/さま/」。

*19:ルビ「おう/じさま/ゆき・くに/くに/はな・くに/たの・たび/」。

*20:ルビ「あさ/わ・にんぎよう・だ・ねむ/」。

*21:ルビ「わ・にんぎよう・はくちよう・みずうみ・ねむ/もり・びじよ/だい」。

*22:ルビ「ねん・げきじよう・いま/げきじよう・しよえん」。