瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

丸山昭『まんがのカンヅメ』(08)

・単行本(4)カラー口絵③
 一昨日からの続きで、カラー口絵の最後、8頁(頁付なし)を見て置こう。
 上段はカラー(6.3×5.1cm)で、右に縦組みで、

ちばてつや氏『1・2・3と4・5ロク』(『少女クラ/ブ』一九六二年一月〜一二月連載)のとびら原画

とある。絵は上下2つの枠に分かれておりその間に横書きでタイトル「☆三枝ちゃんのお話☆12345ロク」とあり、上部(2.2cm)に敷石の上に赤で落書きをする幼児と半ズボンの男児と長ズボンの女児、下部(3.8cm)は恐らく同じ女児の黄色の花柄のスカーフを頭に被り左手を挙げた肩から上が描かれている。何号に当たるのかは分からない。文庫版には収録されていないが、恐らく白黒印刷では映えないと判断してであろう。
 下段は白黒写真で、右(4.5×5.0cm)は下に横組み左寄せで「仕事場のちばてつや氏」とキャプション。若い。眼鏡を掛けベレー帽を被りチェックのシャツを着て右手にペンを持って机に向かっているがカメラ目線。この写真も文庫版には収録されていない。
 左(5.3×6.0cm)は下に横組み右寄せで、

愛知県犬山公園での『少女クラ/ブ』愛読者大会に出席したとき。/後列左から著者、石森章太郎/氏、ちばてつや氏(1960年ころ)

とある。丸山氏は背広姿、石ノ森氏とちば氏はジャケットを羽織っている。前列は精一杯余所行きの服を着た少女が5人、左端は長身で美人、残りの4人はまだ小学生であろうか。さらに前列右端に、丸い帽子・ジャケットに蝶ネクタイの幼児が写っている。
 同じ写真は文庫版74頁の下半分(8.1×9.1cm)に収録されている。下に横組みで、

愛知県犬山公園での「少女クラブ」愛読者大会に出席したとき。/後列左から筆者、石ノ森章太郎氏、ちばてつや(1960年ころ)

とキャプション。――これを見ると、単行本は写真全体の左上を切り取ったものであることが分かる。単行本ではスカートの裾までだった少女たちは、文庫版では全身が写っており、後列の3人が立っている段(10歳くらいの少女の膝の高さ)も写っている。上と左も若干切られているが、右側にさらに2人写っていたのが切除されていることが分かる。すなわち、単行本では右端に写っていた幼児を抱えるようにした、ジャンパーを羽織った背広の若い父親が段に腰掛け*1、その顔の右に小さく、何かに腰掛けている女性が写る。背景には山。その右、右端に毛髪の後退した(禿げ上がってはいない)コートを羽織った背広の男性が、右脚を段に踏んで立っている。(以下続稿)

*1:この父親の両手は単行本にも入っているが、顔と身体が切れているので心霊写真みたいになっている。