瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小金井喜美子『鴎外の思ひ出』(3)

 単行本は紺・紫・黒・白・淡い黄色の縦縞の布装で、角背の辺りだけ紺色で縞がなく、上部に箱と同じ草書の標題が銀でやや太く、同じ高さに入り、下部にはやはり同じ横長の明朝体で著者名が銀で、こちらは下寄りに入っている。
 見返しは橙色で遊紙は布地を刷り出す。さらに白い遊紙を1枚挟んで、1月2日付(1)に触れた扉があり、朱の標題は前の白い遊紙に薄く写っている。扉には他に右上に「小金井喜美子著」左下に「八 木 書 店 刊」と黒の明朝体で入っている。
 ついでアート紙の口絵が4頁(2枚)、1頁めは右を上にして横転した集合写真で、岩波文庫版では301頁、森まゆみ「解  説/――知的で品格高い明治女性の随筆――」に挿入されている。単行本では写真の右(下)に縦組みで「明治三十年四月(鴎外の父森静男一周忌)観潮楼玄関前」のキャプションがあってさらに1字下げでやや小さく7行、まづ「後列左より 森鴎外(36才)、‥‥」として3行8人、次に「前列左より 小金井精子(著者の次女)、著者、‥‥」として4行11人が説明されている。岩波文庫版では写真を横転させずに縮小して示し、下に横組みでキャプション、1行め「明治30年4月(鴎外の父森静男一周忌)観潮楼玄関前」中央揃えで左右3字分ずつ空白、ついで「後列左より 森鴎外(36歳),‥‥」として4行8人、次に「前列左より 小金井精子(著者の次女),著者,‥‥」として4行11人。単行本でも鮮明とは言い難い写真なので、半分くらいの大きさになっている文庫版は、より不鮮明である。
 単行本口絵2頁めは下に横組みで「明治26 .7年頃の鴎外(左側)」のキャプションのある縦長の写真で、文庫版では3頁(頁付なし)に、下にやはり横組みで「明治26,27年頃の鴎外(左側)」とのキャプションを付す。前後の2・4頁は白紙。
 単行本口絵3頁めのキャプションは全て縦組みで、図版は3つ、右側は和歌を書いた短冊で右脇上部に「鴎外短冊」とあり、左に翻刻を載せる。文庫版では【5】「原稿」の41頁の左側(6行分)に、キャプションを全て短冊の左側、1行に纏めて載せている。2つめの図版(左上)は左脇下寄せに「明治十七、八年 十五、六歳の著者」とのキャプションのある洋装の少女の写真、文庫版では【13】「通学」の94頁に拡大されて載り、キャプションは下に横組みで「明治17,18年 15,16歳の著者」と入る。3つめの図版は(左下)は左脇下寄せに「明治二十六、七年二十四、五才頃の著者」とある和装の若い女性の上半身の肖像写真で、文庫版ではカバー表紙にやや縮小して入っており、カバー表紙折返し右下に縦組みで「カバーカット = 明治26、27年の著者(24、25歳頃)」とある。
 単行本口絵4頁めは2色刷、右を上に横転しており、キャプションは右(下)に縦組みで「鴎外が添削して評語を加へた著者の歌稿」とある。鴎外が朱で書き加えた部分が朱で刷られているのである。文庫版では【21】「兄の手紙」の176頁に、単行本にはない長方形の枠(7.5×8.4cm)を加え、下に横組みで「鴎外が添削して評語を加えた著者の歌稿」とのキャプションを添える。色刷ではないから朱書であったことが分かりにくい。筆跡で区別が付くが、傍線が朱であることは、添削された歌稿を見たことのない人にはちょっと分かりにくいだろう。(以下続稿)