瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

丸山昭『まんがのカンヅメ』(10)

小学館文庫『トキワ荘実録』(5)写真②
 今回は、当時の写真ではないが、昭和期のトキワ荘にまつわるものの写真について見て置く。
・115頁(頁付なし)、第二章「実録トキワ荘」の扉、題の下に水彩画らしいアパートの絵があり、キャプションは横組みで上に「当時のトキワ荘全景(西側より)鈴木伸一・絵」、下にはやや小さく「豊島区立郷土資料館提供」とある。
・昭和61年(1986)12月 トキワ荘
・214頁1月4日付(06)に紹介した、5頁(単行本1頁=カラー口絵)と同じような襖2枚の写真で、5頁の襖は引手が外側だったがこの写真では引手は内側である。キャプションは下に横組みで「トキワ荘解体前の「同荘会」での元住人たちの寄せ書き。/(豊島区立郷土資料館蔵)」とある。だとすると、寄せ書きをもう1組描いたことになるが、これは不注意による間違いである。
 そう判断出来る根拠は左側の襖に「1986.12.6」とあることで、前回文庫版に新たに追加された写真でも確認した「同荘会」での寄せ書きではない。
 ではこの日、何があったのかというと、文庫版には再録されなかった、単行本カラー口絵2頁下段、写真週刊誌「Emma」に掲載された写真に紹介されていた、昭和61年(1986)12月6日の豊島区立郷土資料館「トキワ荘展」に於ける寄せ書きである。この寄せ書きに見えて「Emma」の写真に写っていないのは寺田ヒロオのみで、残りの11名は写真にも寄せ書きにも見えている。昭和56年(1981)1月13日の「同荘会」の参加者では、手塚治虫森安なおやが来ていない*1
 貴重な回想であるだけに、このような不注意による誤記があると困る。
・「墨汁一滴」第6号
 1月5日付(07)に紹介した肉筆同人誌「墨汁一滴」の写真も、文庫版では3点追加されている。
・10頁、下に横組みで、

石ノ森章太郎氏主宰「東日本漫画研究会」の肉筆同人/誌「墨汁一滴」第6号表紙(1955年)。世界でただ一冊/だけの雑誌。同人たちの熱気があふれている。

とキャプション。
・30頁、下に横組みで、

「墨汁一滴」6号掲載の手塚治虫氏「ロック冒険記」/の原画稿。当時は漫画家が原稿をファンなどに記念 /に送ったりしたこともあった。

とキャプション。頁付は見えないが1月5日付(07)に見た、単行本6〜7頁・文庫版23頁掲載の「第6号目次」5頁から(恐らく14頁まで)の「[諸先生肉筆原画]」のうちの1枚であろう。「ロック冒険記」は未確認。
・37頁、左に縦組みで「「墨汁一滴」6号に掲載の石ノ森章太郎氏のキャラクターカット集。」とキャプション。右上に横書きで「動物の凝人化④/[/CAT]」との題があるが、やはり頁付が入っている下部が切れているので掲載位置は不明。「凝人化」は「擬人化」。「S.oNoTeRA/1955.12」とのサインがある。(以下続稿)

*1:この2つの会に寺田氏の参加していたのか、代筆だとすれば誰が描いたのか、については別の記事にて確認する予定。