瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山中恒『なんだかへんて子』(14)

偕成社文庫2082(6)
 7月14日付(12)の続き。
 3刷と4刷を比較して見た。
 大きな違いは、6月19日付(07)に指摘したように、3刷は厚さが1.2cmだが、4刷は初版第1刷と同じ1.6cmに戻っている。用紙は白い上質紙である。どうやら、3刷で白い上質紙に切り換えたらしいのだが、用紙を薄くしたのは良いが、薄くし過ぎてしまって、挿絵や本文が裏写りしている。4刷は裏写りしない程度に厚い用紙を選択して、その点を改善してある。
 カバー表紙・表紙折返し・背表紙・裏表紙は一致。
 カバー裏表紙折返しは7月8日付(08)に見たように、3刷は白地の左端下寄りに明朝体縦組みで小さく1行「カバー絵/長尾みのる」とあるのみで他は余白であったが、4刷には横組みで、まずゴシック体で「偕成社文庫|日本の童話」1行分空けて、以下7点は明朝体で2行、標題は緑色で著者名はやや小さく黒、それぞれの間をやはり1行分ずつ空ける。参考までに書影を添えて置いた。
人魚がくれたさくら貝/長崎 源之助」

人魚がくれたさくら貝 (偕成社文庫2010)

人魚がくれたさくら貝 (偕成社文庫2010)

四年三組のはた/宮川 ひろ」
四年三組のはた (偕成社文庫2061)

四年三組のはた (偕成社文庫2061)

りゅうのたまご/佐藤 さとる」
りゅうのたまご (偕成社文庫 2069)

りゅうのたまご (偕成社文庫 2069)

かいじゅうになった女の子/末吉 暁子」
かいじゅうになった女の子 (偕成社文庫2075)

かいじゅうになった女の子 (偕成社文庫2075)

おかしな金曜日/国松 俊英」
おかしな金曜日 (偕成社文庫 (2080))

おかしな金曜日 (偕成社文庫 (2080))

なんだかへんて子/山中 恒」
雨やどりはすべり台の下で/岡田 淳」
雨やどりはすべり台の下で (偕成社文庫)

雨やどりはすべり台の下で (偕成社文庫)

とあり、右下に水色で二重丸に蝸牛に乗った人の偕成社文庫のマーク。
 本体の異同は、奥付と目録で、奥付ではそれぞれの刷の発行年月と、最下部の長方形の枠(0.6×7.3cm)に、

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とあること。
 目録はまづ3頁めまでの2000番台のうち、1〜2頁めは一致。3頁めは3刷は上段「2082」から「2090」までの9点であったのが、4刷では2点追加されて「2092」まで合計11点となっており、3刷の最後に下詰めで入っていた「(*は近刊)」がなくなっている。但し2000番台に「*」の打たれた本はない。
 4〜8頁めまでが3000番台であるのは同じだが、3刷の4頁めが上段「3001」から「3021」まで20点21冊、下段「3022」から「3044」まで20点23冊であるが、4刷にはこれに当たる頁が掲載されていない。
 3刷の5頁め、上段「3045」から「3064」まで20点20冊、下段「3065」から「3086」まで20点22冊、4刷の4頁めは上段「3046」から「3066」まで20点21冊、異同としては、3刷では「3063 アンデルセン童話集(1)     山室静編訳3064 アンデルセン童話集(2)     山室静編訳」と2行であったのが、4刷では「3063 3064 アンデルセン童話集(1)(2)    山室静編訳」と纏めてある。
 3刷の6頁め、上段「3087」から「3111」まで19点25冊、下段「3112」から「3134」まで19点23冊、4刷の5頁め、上段「3089」から「3115」まで19点27冊、下段「3116」から「3137」まで19点21冊、異同は、3刷の下段2点め「*3115 ひめゆり部隊の最後    金城 和彦」が、上段19点め「3115 路傍の石     山本 有三」となっていること、3刷の下段17〜19点め「*3132 善財童子物語(1)わし、学校に行きとうない 菅  龍一/*3133 善財童子物語(2)生きていて よかった   菅  龍一/*3134 善財童子物語(3)大統領の涙        菅  龍一」が、4刷の下段15〜17点め「3132 神秘の島[第一部]3133 神秘の島[第二部]3134 神秘の島[第三部]」に差し替えられており、いづれも「ヴェルヌ/大友徳明訳」。
 3刷の7頁め、上段「3136」から「3159」まで20点24冊、下段「3160」から「3184」まで20点25冊、4刷の6頁め、上段「3138」から「3161」まで20点24冊、下段「3162」から「3187」まで20点26冊、3刷の下段1〜3点め「 3160 ファーブル――虫の詩人/*3161 パスツール――微生物の狩人/ 3162 キュリー夫人――光は悲しみをこえて」でいづれも「ドーリー/榊原晃三訳」であるが、4刷では上段20点め「3161」のみが「太宰  治」の「走れメロス」に差し替えられている。
 3刷の8頁め、上段「3185」から「3207」まで20点23冊、下段「3208」から「3234」まで20点24冊、4刷の7頁め、上段「3188」から「3209」まで20点22冊、下段「3210」から「3235」まで20点26冊、3刷の下段17点め「*3228 恐怖の谷        〈コナン・ドイル/  各務三郎訳〉」は4刷の下段15点めでは「*」が取れている。他の3刷では「*」が打たれていた書目は、4刷では別の書目に差し替えられているのだが、この1点のみ「近刊」が実現されたのである。3刷の下段20点めは「3234 タイムマシン     〈H・G・ウェルズ/   雨沢 泰訳〉」だが、4刷ではその前にある「3231-3233 エミリー(上)(中)(下)      〈モンゴメリ/神島統夫訳〉」を3刷は載せていない。3刷には最後に、左にはみ出すようにして、下詰め「(*は近刊)」とある。
 4刷の8頁めは「3236-3238」から「3252」まで14点17冊、下段は余白。(以下続稿)