瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

今野圓輔『幽霊のはなし』(1)

 以下は2011年2月17日に準備したものである。本書には、2011年1月25日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(09)」の注に言及したことがある。現在、第9刷を所蔵している図書館は利用資格がなくなってしまい改めて現物に当たることが困難なので*1、まづは草稿をそのまま投稿して置こう。

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 カバーのない第8刷と、カバーのついている第9刷とを見た。
 表紙・背表紙・裏表紙はカバーと本体と、全く同一である。
 表紙は暗赤色の平面の上に、いずれも藍色を基調にした色刷の表紙の和本が3冊ずらして置かれている。左下の一番上の本の表紙お岩で左に「……妖怪 吉川観方著」と読める。真ん中の本は左の墓石型の灰色のシルエットに「繪畫に見えたる妖怪 吉……」と読める題が入り、その右に若い男の生首を両手に持って、そのあごに齧り付いている白髪で腹が膨張し腰から下が白衣に包まれた男が描かれている。この2冊は綴じ糸がなくなっており、別に開けた2つの穴に紫色の紐を通して綴じている。一番下の1冊には綴じ糸が残っている。表紙の右上しか写っておらず、書名などは不明だが、その右上には髪の毛を振り乱し、お歯黒の歯の間から舌を出した横顔がある。横書きで上部に白抜き「幽霊のはなし」その右下に黒で「今野圓輔」とある。
 背表紙は白地に、一番上に赤で太陽の紋様、「幽霊のはなし」との題があり、その下に2行で「ポプラ・ブックス 25/  今 野 圓 輔」、一番下に横書きで「ポプラ社」とある。この背表紙は黒以外褪色しており、もともとはもっと濃かったと思われる。
 裏表紙は横書き黒で、右上に「POPURA BOOKS 25/全国学図書館協議会選定図書/定価 850円」とあり*2、黄土色と赤で太陽と波の図案、左下に「ポプラ社」とある。
 表紙カバー折返しには赤い枠内に、横書きで一番上に桃色地の上に丸ゴシックで「ポプラ・ブックス」明朝体で「一流の執筆者が情熱こめて書き/下ろしたユニークなシリーズ」以下31種並び、下部に「(以下続刊)/ 〈全国学図書館協議会選定図書〉」とある。なお、奥付の裏には「ポプラ・ブックス」の広告があり、1段15冊分で3段、第8刷では「特選40冊」、第9刷では「特選44冊」である。他に「中学生向・四六判/全国学図書館協議会選定図書」とある。折返しにはこのうち34冊目までの中から2番目の「魚つりのすべて」9番目の「みんなのゲーム遊び」19番目「日本の神話」が抜けている以外は順番も一致する。但し「25」のはずの『幽霊のはなし』は12番目に挙がっており、この順番の理由は分からない。
 裏表紙カバー折返しには赤い子持ち枠内に「のびのび人生論シリーズ」として[1]から[24]まで並び、下部に「(以下続刊)/(全国学図書館協議会選定図書)」とある。

 奥付は縦書きで「■ポプラ・ブックス 25■幽霊のはなし/……/著 者  今野圓輔/発 行  昭和47年8月30日 第1刷©/昭和60年8月30日 第9刷/……」左下に横書きで「N.D.C.388/ISBN 4-591-01936-5」とある。

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 以上が震災前(!)の草稿で、奥付について第9刷しかメモしていないのは、第8刷は開架にあるので気軽に手に取れるのに対し、第9刷は書庫に収まっているので、もちろん請求すればいつでも出してもらえるのだが、やはりこの表紙の児童書を再々出してもらうのは抵抗があるので、まづ第9刷についてメモを取って、第8刷についてはいづれそのうち、と思っているうちに震災に遭って2011年3月15日付「田中英光『オリムポスの果實』(04)」や2012年12月15日付「岩本由輝『もう一つの遠野物語』(7)」に述べたような按配で図書館が利用しづらくなったため、そのままになってしまったらしいのである。
 今、手許に第8刷がある。次回、第8刷について補って、久々に本書を手にした理由に及ぶつもりである。(以下続稿)

*1:12月5日追記】別の図書館の開架にある、カバーの掛かった第9刷を借りることが出来た。【2020年2月24日追記】さらに別の図書館の閉架にある、カバーの掛かった第9刷を借りることが出来た。異同は下記。

*2:2020年2月24日追記】別の図書館で借りたカバーの掛かっている第9刷にてこの箇所を見るに、右上に横組み、右詰めで3行、1行めは白文字の右下に黒い影がある。2~3行めはゴシック体。3行めはゴシック体で「定価 876円(本体 850円)」としたシール(0.6×4.3cm)を貼付して「定価 850円」を隠している。