瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

今野圓輔『幽霊のはなし』(2)

 昨日の続き。
 第8刷の奥付について。下部に縦組みで「■ポプラ・ブックス 25■」この2行がゴシック体で、以下は明朝体。1行弱空けてやや大きく「幽霊のはなし」1行強空けて下寄せで小さく「(著者との話し合いにより検印廃止)」以下シリーズ名・標題と同じ高さから「著 者  今野圓輔*1/発 行  昭和47年8月30日 第1刷©/昭和58年4月30日 第8刷/発行者  久保田忠夫/発行所  株式会社 ポプラ社   (160)/      東京都新宿区須賀町5 振替東京4―149271」社名の4文字はやや大きい。少し空けてやや小さく「印 刷  新興印刷株式会社/製 本  富士製本株式会社/オフセット印刷  有限会社トラヤ印刷/      (落丁・乱丁本はいつでもお取りかえいたします)」。左下に横書きで「N.D.C.388/[ 8039―022025―7764 ]」1行めは「印 刷」の下から左、2行めは「発行所」から左の行の下、大きな枠に収まっている。

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 今野圓輔(1914.8.10〜1982.7.31)の幽霊に関する著述と云うと、2011年2月8日付「今野圓輔編著『日本怪談集―幽霊篇―』(1)」に取り上げた現代教養文庫666『日本怪談集―幽霊篇―』が著名であるが、本書は児童向けで資料集としての側面が強かった『日本怪談集』に比して実例の数も多くはないものの、『日本怪談集―幽霊篇―』のちょうど3年後の刊行で、その間に収集された同種の資料が活用されているところが貴重である*2。なお、この頃の今野氏の資料収集には令嬢もしくは一族の今野しのぶと云う学生が協力していたらしく、その一端は2011年1月14日付「村松定孝『わたしは幽霊を見た』考証(03)導入」に指摘したように、少年少女講談社文庫C-14『わたしは幽霊を見た』(昭和47年11月24日第1刷発行・昭和54年9月30日第17刷発行・定価480円・190頁)に利用されている。ちなみに『わたしは幽霊を見た』も、5年前は2つの館で借りることが出来たのだが、うち1館は除籍されたらしく今は所蔵しておらず、もう1館は利用資格を失ったため、借り出してゆっくり眺めることが出来なくなってしまった。――少々引っ掛かるところがあって滞っているうちに5年経過してしまったけれども、書くべきことは定まっているので、早く続きを投稿したいと思ってはいるのだが……。(以下続稿)

*1:ルビ「こんの えんすけ」。

*2:今野氏は同様の資料収集を以後も続けていたのではないかと思うのだが、これ以降同種の著述をなしていない。