瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『吉野朔実劇場』(2)

 前回の続きで「吉野朔実劇場」の文庫版2冊について。
・角川文庫12353『お父さんは時代小説が大好き』
・角川文庫13350『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、角川文庫12353「97840436400101920195004951」角川文庫13350「97840436400271920195005149」、右上に3行、角川文庫12353「ISBN4-04-364001-3C0195 ¥495E定価本体495円(税別)」角川文庫13350「ISBN4-04-364002-1C0195 ¥514E定価本体514円(税別)」とあって*1、中央にゴシック体縦組みで紹介文、角川文庫12353には、

レジに本を出す時、ちょっとた/めらうタイトルがあります。ま/して注文するために、タイトル/を口に出さなければならない恥/づかしさったら!
「『誰にも気づかれずに大バカが/治る』取り寄せてください」
……言えない……バカすぎる。
 (「ステキなタイトル」より)
純文学から、辞典、ロールシャッ/ハテストまであらゆる本をめぐ/る読書遍歴録*2
本好き達の飄々*3とした会話、繊/細でユーモラスなイラスト、読/んでもいない二十冊以上の本が/同時に楽しめる贅沢な一冊。
解説・目黒考二

とあって、引用は2章め、47〜82頁「午後のお茶会」の1節め、48〜50頁「Book.........7 ステキなタイトル」の1コマめ(49頁1コマめ。48頁は「「誰にも気づかれずに/大バカが治る」/野田秀樹 著/光文社刊」と「「牛への道」/宮沢章夫 著/新潮社刊」の書影2点)に、横長のコマの右側に「レジに本を出す時/ちょっとためらうタイトルがあります。/まして注文するために/タイトルを口に出さなければならない時の/恥づかしさったら!」とあり、中央に作者本人が「「所ジョージの「国語、算数、イカ、シャケ、貝」と/野田秀樹の「誰にも気づかれずに大バカが治る」取り寄せて下さい。」と書店の女性店員に言い、店員は普通に「はい」と答えている。左側には大きく「…言えない…」とあり、その左下に斜めに手書きで「バカすぎる…」と添えて汗が流れている。
 角川文庫13350は次の通り。二重鍵括弧閉じは半角。

カフカの『変身』で主人公が変/身する虫はどんな虫? 本の解/説は本文の前に読む、それとも/後? 『大菩薩峠』全巻と安吾の/問題長編『吹雪物語』、どちらを/読みきったら自慢になる?
リアリストの母の愛読書は『赤/毛のアン』。その理由は?
こよなく読書を愛する本の虫た/ちの仲むつまじい会話が、かわ/いいエッセイ漫画になりました。/読み終えた後、もっと本が読み/たくなる一冊です。
柴田元幸とのオースター談議付。


 こちらは章分けされておらず、20〜24頁「Book 01」から105〜107頁「Book 21」まで21節。「柴田元幸とのオースター談議」と云うのは115〜125頁「|対談柴田元幸×吉野朔実/偶然と貧乏の達人、/ポール・オースター」で2段組、Paul Auster(1947.2.3生)については巻頭、7〜14頁に漫画「オースターたち」、そして15頁(頁付なし)が「ポール・オースター/『偶然の音楽』」の扉で16〜19頁(6行め)は1頁15行、1行33字のエッセイ。他に文章は109〜114頁(9行め)「『招かれた女』/――あとがきにかえて――」。
 角川文庫12353には3つの章の末尾に対談が収録されていたが、角川文庫13350はこれ1つである。末尾、125頁下段15行め、前を2行分空けて、下寄せで小さく「(二〇〇四年四月八日弊社会議室にて行われました)」とあって、文庫版刊行の前月、すなわち単行本には収録されていない、文庫版のために行われたものと分かる。(以下続稿)

*1:2019年8月6日追記はてなダイアリーからのはてなブログへの移行に際し、半角の「¥」が文字化けして「\」となってしまったので全角で打ち直した。

*2:ルビ「クロニクル」

*3:ルビ「ひょうひょう」。