瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島敦の文庫本(29)

・角川文庫294(10)
 2015年6月25日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(15)」に縷々述べたところだが、角川文庫は奥付に改版時期について断らないので、今手にしている本が、いつからこのような内容・組み方で行われていたのか、判断しづらい。その点、岩波文庫新潮文庫にはその表示があるので、あまり点数を集めなくても見当を付けやすい。角川文庫は、とにかく数を集めて、いつからこの頁数になったのか、このカバーになったのか、詰めて行くしかない。しかし、特定するには、例えば200頁の三十五版と222頁の三十六版を見ない限りは無理で、さもなければ三十三版と三十九版の間に改版が行われた、と云う見当に止まる。『角川文庫総目録』のような書籍の刊行もしくは内部資料の公開が行われて、時期が明示されればこんなことをする必要もなくなるのだけれども。
 しかしながら、公立図書館での所蔵は新潮文庫よりも少なく、なかなか数を揃えられない。従って、1冊1冊につき、メモして行くと云う行き方を取って来た。そんな中で、角川文庫235『こゝろ』及び角川文庫13391『こころ』は、ある程度、数を集め得たので全体の一覧を作成して見たのである。
 さて、本題の角川文庫294であるが、『こころ』ほど見ている訳ではない。しかしながら、これも複数のカバーを見ている*1ので、この辺りで一覧形式で纏めて置く。
①『李陵・弟子・名人傳』 105頁
・昭和二十七年二月二十五日初版發行
・昭和三十六年十二月二十日十三版發行・定價五拾圓
②『李陵・弟子・名人伝』 249頁
・昭和四十三年九月十日初版発行
・昭和五十八年九月三十日改版二十四版発行・定価340円(カバー 山際千寿*2
・昭和六十一年五月三十日改版三十版発行・定価340円(カバー 山際千寿)
③『李陵・山月記 弟子・名人伝』 256頁
・昭和六十三年八月二十日改版三十五版発行*3・定価340円(カバー 森村 玲)
・平成元年六月十日改版三十七版発行・定価340円(カバー 森村 玲)
・平成三年七月三十日改版四十一版発行・定価340円(カバー 森村 玲)
・平成五年六月二十日改版四十四版発行・定価340円(カバー 森村 玲)
・平成五年六月二十日改版四十四版発行・定価456円(カバー 森村 玲)
・平成二十年七月二十日改版五十九版発行・定価476円(カバー/森村玲)
・平成二十二年四月三十日改版六十一版発行・定価476円(カバー/森村 玲)
・平成二十三年八月十日改版六十三版発行・定価476円(カバーイラスト/あさぎ桜
平成28年 5月25日改版69版発行・定価476円(文豪ストレイドッグス製作委員会)
 以下、新たに見たものはここに追加し、関連する記述もリンクを貼って示すつもりである。(以下続稿)

*1:これで全てではない。――画像検索するに、②の緑の帯の掛かったものと、白地に緑のKBをあしらったカバーとがヒットした。

*2:私の見た本では切除されているため推定。

*3:奥付は「李陵・弟子・名人伝」。