瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作『海と毒薬』(3)

・角川文庫13377(1)

海と毒薬 (角川文庫)

海と毒薬 (角川文庫)

 「作者: 遠藤周作,駒井哲郎」とあるが、現在示されている書影は駒井哲郎でも何でもない(現物は未見*1)。駒井氏の表紙はなか見!検索をクリックすると閲覧できる。しかし複数の文庫版が出ていて、そこで表紙も選ぶ際の着目点になるとは言え、著者と並べてしまうのは、やはり可笑しくないか。Amazon詳細ページでは「遠藤 周作 (著), 駒井 哲郎 (イラスト) 」となっているのだけれども。
【改版初版】平成十六年六月二十五日改版初版発行・定価362円・186頁
【改版四版】平成二十年五月十五日改版四版発行・定価362円・186頁*2
【改版六版】平成二十一年五月二十日改版六版発行・定価362円・186頁
【改版七版】平成二十一年八月二十五日改版七版発行・定価362円・186頁
【改版九版】平成二十二年六月三十日改版九版発行・定価362円・186頁
【改版十版】平成二十三年五月三十日改版十版発行・定価362円・186頁*3
【改版十三版】平成二十四年四月三十日改版十三版発行・定価362円・186頁*4
【改版十四版】平成二十五年五月十日改版十四版発行・定価362円・186頁*5
 改版初版にはその発行日の前に「昭和三十五年七月三十日初版発行」とあり、以降の諸版には初版と改版初版の発行日が入っている。
 なお、なか見!検索で閲覧できるのは【改版四版】。それから、本書は和柄スペシャルカバーの、平成23年(2011)夏の6点、平成24年(2012)夏の15点に入っている。私の見た諸版はいずれもそれ以前の発行だが【改版六版】にはこの和柄カバーが掛かっていた。Kindle版の書影を示して置く。
海と毒薬 (角川文庫)

海と毒薬 (角川文庫)

 奥付は私の見たうちでは改版四版以降の諸版は同じ形式で、改版初版とは異なる。
 上部の子持枠、改版初版は4.5×4.9cm、改版六版(及び改版九版)は4.6×5.0cmで、鳳凰や文字は同じだが、改版初版の標題の文字が一回り大きい。改版初版は「発行所」のみだが改版四版以降は「発売元」が加わる。「電話〈編集/営業〉」の番号は改版四版では「発行所」と「発売元」に分かれているが同じ、「〒一〇二―八一七七/振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」改版四版以降は振替番号はなくHPアドレスが入っている。「印刷所――旭印刷 製本所――コオトブックライン」印刷所は同じだが製本所は異なる。「落丁・乱丁本」の送り先は「小社受注センター読者係に」だが改版四版以降は「角川グループ受注センター読者係に」となっている。改版初版にはこの子持枠の下の縦組みの最後、1字下げで「定価はカバーに明記してあります。」とあるが、改版四版以降は匡郭の左辺の外、下寄せに撮されている。匡郭下辺の上下の文字は改版四版以降とほぼ同じで、下のISBNコードが10桁(下1桁「-7」)から13桁(下1桁「-5」)に変わっている。これはカバー裏表紙にあるものに同じ。
 改版四版以降はそれぞれの発行日と「製本所―」が異なるのみ、改版四版「千曲堂」改版六版「BBC」改版七版・改版九版「本間製本」。奥付の裏「角川文庫発刊に際して」は同版に見える。最後に4頁、1頁7点の「角川文庫ベストセラー」があるがこれも改版初版から改版九版まで一致。
 カバー表紙は、私の見た改版初版・改版七版・改版九版はなか見!検索の改版四版と一致。もちろんなか見!検索ではカバー背表紙は閲覧出来ないが。
 カバー背表紙は赤みがかった肌色地で、改版初版は最上部のみ白地でQRコード、その下「|え|1-2|Y362|」とあってゴシック体で著者名、1字分空けて明朝体太字で「海と毒薬」で囲われる。下部にゴシック体で「角川文庫 |■」とある。改版七版・改版九版は上部は「え/1-2」のみになり、より太字のゴシック体で著者名、以下は同じ*6
 カバー表紙折返し、改版初版には写真はなく、右上に縦組みで以下のようにあった。

遠藤周作 (えんどう しゅうさく)
一九二三年東京生まれ。慶応大学仏文科卒業。リヨン大/学に留学。一九五五年『白い人』で第三十三回芥川賞を/受賞。一九六六年『沈黙』で第二回谷崎潤一郎賞受賞他、/数多くの文学賞を受賞。主な著書に『沈黙』『おバカさん』/『恋愛とは何か』『ぐうたら生活入門』など多数。九六年/永眠。


 3〜4行めの二重鍵括弧は全角、5〜6行めは全て半角。この紹介文は以下の諸版では全く異なっている(後述)。最下部にゴシック体横組みで1行「/駒井哲郎(福原コレクション)」とあるが改版七版・改版九版では左寄りに一回り小さく「駒井哲郎(福原コレクション)」となっている。
 カバー裏表紙折返し、上部に改版初版は縦組みで「角川文庫遠藤周作の本」角川文庫は太字の明朝体、●は○で囲う。続いて明朝体で「海と毒薬/恋愛とは何か/ぐうたら生活入門/天使/宿敵(上)(下)/心の海を探る」の6点7冊。最下部左寄りに「カバー 泉文社 R」Rは大きな◇に囲われる。右下にKBマーク。改版七版・改版九版は改版四版と同じで、上部にゴシック体横組みで「角川文庫|遠藤周作の本 ||海と毒薬/恋愛とは何か/ぐうたら生活入門/天使/宿敵 /心の海を探る」の6点7冊。右下にKBマーク。
 カバー裏表紙、改版七版・改版九版は改版四版に同じ(後述)。改版初版は左上にバーコード2つ、これは改版四版以降の諸版に同じ、右上にISBNコード/Cコードに「\362E/定価:本体362円(税別)」、その下、中央にゴシック体縦組みで紹介文があるが、これについては後述。(以下続稿)

*1:2014年10月4日追記】改版十三版に、現在Amazon詳細ページに示されるカバーが掛かっていた。【2018年4月9日追記】ここも現在和柄になっているが、執筆当時は改版十三版・改版十四版と同じく水色地のカバー表紙が示されていた(はずである)。

*2:2015年10月4日追加。

*3:2014年9月16日追加。

*4:2015年10月4日追加。

*5:2018年4月9日追加。

*6:2015年10月4日追記】改版四版も同じ。