瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

水島新司『ドカベン』(29)

 原作は、今になって読むと突っ込みどころ満載なのだが、もう今更訂正のしようがない、と云うか、訂正レベルでは済まない辻褄の合わない箇所が少なくない。――今回は、そこまでではないが、引っ掛かった点を幾つか挙げて置く。
・東郷学園対鷹丘中の試合*1
 文庫版⑥140頁1コマめの殿馬の台詞「おっ てめえカッコつけんな てめえが出なきあゃこれでいやな試合が終われるんだぜ」は、ちょっと発音しづらい。
 鷹丘中と東郷学園の試合の決勝点は、腹部を負傷した山田が強引に2塁盗塁を刺そうとして悪送球したことで入るのだが、このときラジオ放送の実況は「東郷学園逆転!!」と言う(文庫版⑥193頁3コマめ)。しかしながら、このコマの背景に示されるスコアボードにある通り、

 
東郷        
鷹丘          

と云う展開なのだから「逆転」ではなく「勝ち越し」だろう。――試合はこのままのスコアで中学野球だから7回までやって、終了する。
・賀間の勤め先
 山田の世代が中学2年生の時期の賀間の勤め先が「江夏商店」であることは10月6日付(17)に注意して置いたが、この酒屋は明訓高校野球部徳川監督がツケで酒を買っている店であった(文庫版⑦170〜171頁)。但し「江夏酒店」と名称が変わっている。山田が明訓高校に入学した4月の時点で、賀間はまだこの店で昼間に働いている。
 いつ甲府に移ったのだろうか。(以下続稿)

*1:11月15日追記】以下全て「鷹岡」となっていたのを「鷹丘」に訂正した。