瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

桂米朝『米朝ばなし 上方落語地図』(3)

 昨日の続きで本書の成立事情について、永井龍彦記者の「あとがき」の、最後の方を抜いて置こう。
 2頁め後半(単行本354頁7〜12行め・文庫版480頁8〜14行め*1

 連載中は米朝師の話をもとに私が文章化させてもらったが、本書の刊行に際して米朝師自身|が全面/的に補筆されたのは言うまでもない。各回のメモは、各種の文献を参考に私が書かせて|いただいた。
 写真は、写真部の中尾豊、苧阪盛昭、北田研索、伊藤俊文の四氏が、遠隔地は休日を返上、|毎回情/趣あふれる美しい作品を提供してくれた。また取材に快く協力して下さった関西テレビ|「ハイ! 土/曜日です」のスタッフのみなさん、本書の発行に尽力して下さった出版局図書第三|編集部の菊地敬夫/部長、高杉治男前前部長、清水香臣氏に、厚く御礼を申し上げます。


 「ハイ! 土曜日です」は、昭和42年(1967)6月から昭和57年(1982)3月まで、桂米朝が司会を務めていた朝のワイドショーであるが、当時は学校週5日(週休2日)制ではなかったので私は見た記憶がない。
 2012年10月5日付「四代目桂文團治の録音(2)」に触れた、平成14年(2002)6月2日(日)放映のNHKスペシャル桂米朝 最後の大舞台」とは違って、適任の担当者を得て実現した好企画である。永井記者は昭和49年(1974)11月刊の「サンデー毎日」では「毎日新聞京都支局」の所属であったから、その後、大阪本社の学芸部に異動してこの連載を担当したようだ。
 本文(単行本11〜350頁・文庫版13〜476頁)の詳細な比較は別の機会に果たすこととして、内容を最後までざっと眺めて置こう。
 単行本351頁「〔メモ参考文献〕」に郷土資料を中心に37種が挙がる。なお、頁付が下部小口側にオールドスタイルの算用数字で入り、奇数頁には項目名が「351  メモ参考文献」と添えられる。文庫版477〜478頁「〔メモ参考文献〕」、単行本はきっちり1頁に収めていたが、こちらは2頁め上段に12種。頁付は小口側上部に「477  参考文献」奇数頁はやはり項目名を添えるが、この「参考文献」は飽くまでも「あとがき」に説明されているように、永井記者が執筆した各項の「メモ」の「参考文献」なので、単行本のように示すべきである。この「メモ参考文献」は目次には見えていない。
 単行本は352頁(頁付なし)白紙で353〜354頁「あとがき」、最後(358〜355頁)に左開き、横組み左右2列の「索     引」があり演題が五十音順に175題列挙される。文庫版の「索     引」(489〜486頁)も同様に左開き左右2列で175題。文庫版では479〜480頁「あとがき」と「索引」の間(481〜485頁)に、1月3日付(1)に見た「目次」にあったように司馬遼太郎「解説 米朝さんを得た幸福」が追加されている。(以下続稿)

*1:13行めは鍵括弧・空白・読点合わせて1字分詰める。