瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Agota Kristof “La Preuve” (1)

アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳『ふたりの証拠』(1)
 昨日の続きで『悪童日記』三部作の2作めについて。
・単行本 四六判上製本

ふたりの証拠 (Hayakawa Novels)

ふたりの証拠 (Hayakawa Novels)

・1991年11月10日 初版印刷・1991年11月15日 初版発行・定価1553円・早川書房・238頁*1
・1991年11月15日 初版発行・1992年9月30日 5版発行・定価1553円・早川書房・238頁*2
・1991年11月15日 初版発行・1992年12月15日 6版発行・定価1553円・早川書房・238頁*3
・1991年11月15日 初版発行・1993年12月31日 11版発行・定価1553円・早川書房・238頁*4
・1991年11月15日 初版発行・1995年3月15日 17版発行・定価1553円・早川書房・238頁
・1991年11月15日 初版発行・1995年6月30日 21版発行・定価1553円・早川書房・238頁*5
・1991年11月15日 初版発行・1995年7月7日 22版発行・定価1553円・早川書房・238頁*6
・早川文庫4876/早川epi文庫
・二〇〇一年十一月 十 日 印刷・二〇〇一年十一月十五日発行(302頁)定価660円
・二〇〇一年十一月十五日発行・二〇〇六年 六 月十五日 二刷(302頁)定価660円*7
ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

・二〇〇一年十一月十五日発行・二〇一四年 九 月十五日 七刷(302頁)定価680円*8
・二〇〇一年十一月十五日発行・二〇一六年 四 月十五日 十刷(302頁)定価680円*9
 文庫版は『悪童日記』と同様に改装されている。
 まだ読み終えていないが、一昨日以来問題にした文庫版『悪童日記』に於ける「若干の手直し」について、記述があるのでそこを抜いて置こう。
 文庫版295〜302頁、堀茂樹「解説(訳者あとがき)」の冒頭部、295頁3〜9行め、

 本書は、Agota Kristof : La Preuve, Paris Ed. du Seuil, 1988. の全訳であり、同じアゴ/タ・クリストフ著の『悪童日記』(拙訳、早川書房、エピ文庫既刊)の続篇にあたる。
悪童日記』は、一九九一年に初めて日本に紹介された折り、人びとをして「思いもかけな/いところから思いもかけない衝撃的な小説があらわれた」(川本三郎氏)とか。「読後感は/震駭*10(ふるえおどろくこと)の一語につきる」(塩野七生氏)、とかいった言葉を吐かせた/稀有の作品である。今年改訳してエピ文庫に収録したところ、またもや読者から、「続篇を/一日も早く読みたい」との声が上がってきた。本書をもってその期待に応えたい。
 


 ここでは「改訳」と云っている。気になった箇所に「手直しを加えた」のでは「改訳」とは云うまいから、やはり「ほんの手直し程度」ではなかったのである。
 僅かな比較に過ぎないが、単行本に比して文庫版はより子供らしさ(?)が出ているように思う。それを「ほんの手直し程度」とは、謙退の辞なのであろうが、実態に即していない。明確に「改訳」した旨を、文庫版『悪童日記』でも表明するべきだと思う。訳文が変わっていないと思ってうっかり単行本の発行年を示して文庫版を引用するような人が現れかねない。――まぁそれほどの実害があるとも思われないのだけれども。(以下続稿)

*1:6月4日追加。

*2:7月15日追加。

*3:2019年4月16日追加。

*4:6月17日追加。

*5:2019年8月16日追加。

*6:6月9日追加。

*7:6月19日追加。

*8:6月22日追加。

*9:2019年2月20日追加。

*10:ルビ「しんがい」。