瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (3)

 昨日の続きで8〜14頁「19871」について、もう少し確認して置きましょう。
 8頁下段に、普通の注より一回り小さく、かつ本書には殆ど使用されていない明朝体で、

×本文中の(P)は投稿者のペンネームで/「まるぴー」と読んでほしい。(本)は本/名で「まるほん」ね。で、タイトルの/年・月は『投稿写真』の発売の月号な/ので、実際よりも3ヵ月程進んでるの/でよろしく。

とあります(「まるぴー」「まるほん」とある通り、○にP、○に本なのだが再現出来ないので仮に( )で括った)。前回見たように「投稿写真」の誌面そのままではないのですが、「投稿写真」の連載をベースにしていることは確かなようです。すなわち、前回引用した9頁上段3〜4行めに「1月に僕の元へ入って/きた情報」とありましたが、実際には10月頃の噂だと云うことになります。何故だか雑誌は表示されている月の前月に発行されることになっていて、さらにその編集作業、集まってくる噂投稿を纏めて順位付けして、コメントを書いて、と云った時間があって、それ以前に投稿者が噂を聞いて葉書に書いて送ってくるところまでを含めると、3ヶ月くらいズレが生じてしまう、と云うことなのでしょう。
 この点をちょっと確認して見ましょう。と云って、私は当時のアイドルについて殆ど知識がありません。リアルタイムで知っていても、出演しているTV番組は殆ど見なかったし、本や雑誌は見もしませんでした。だから本書で取り上げられているアイドルたちも、今も第一線で芸能活動している人については「当時はこんなに人気があったのか」と新鮮に驚いているような按配ですし、現在芸能活動していない、引退した人たちを見ては、まづこんなにいたのかと驚き、そして検索して情報がそこそこヒットするのを見て初めて、やはり同じような感慨を持って新鮮に驚いています。そして検索しても殆ど情報のヒットしない人たちについては、一体どこに消えてしまったのだろう、と何だか途方に暮れているのです。そんな体たらく(?)ですから、私は本書の芸能情報について何等コメント出来ません。
 そこで、先取りになりますが51〜57頁「19877」と、195〜201頁「19892」の、それぞれ1頁めに述べられた時事、それから流通時期に関する記述を挙げて置きましょう。
 まづ後者の195頁上段3〜4行め、

 あいやー、この号が出てる頃といえばク/リスマス&正月、ということで‥‥

とあって、平成元年(1989)2月号は、もし元号が表示されておれば昭和64年2月として、実際には昭和63年(1988)12月には発売されていたことになります。195頁右上の4行のキャッチフレーズに「アン・ルイスラ・ムーの黒人女も乗っていたJR東中野列車事故」とあるのですが、この噂は[2]にランクされて196頁中段7〜21行めに見えています。この事故(死者2名)は昭和63年(1988)12月5日に起こりました。「3ヵ月程」とありましたが、このような話題の場合は2ヶ月程で対応しております。
 それから前者は、51頁上段3行め〜中段3行め、

 おお恐い!!  朝日新聞襲撃の赤報隊。正/義のジャーナリズムの王道を歩み続ける当【上段】欄としても、非常にコワイ。もしかして襲/われたらどうしよう。朝日の次はうちかも/しれない。‥‥

と昭和62年(1987)7月号の前置きに書かれた(ことになっていますが、実際に雑誌掲載そのまま再録しているのではないらしいので実は注意が必要なのですが、一応これを信じるとして)朝日新聞阪神支局襲撃事件は、昭和62年5月3日に発生しております。これも2ヶ月前ですが噂投稿ではないので東中野駅列車追突事故ほどの速報ではありません。とにかく前々月の前半には執筆・編集作業を行っていた証拠として挙げることが出来そうです。(以下続稿)