瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(6)

辛夷
 昨日の続き。
「第八章 岳 辺 余 録」523頁扉(頁付なし)。
・524~530頁2行め「山 の 話 七 つ」(『辛夷』五巻八号、昭和三年八月)
・530頁3行め~531頁9行め「山 を 愛 す」(『辛夷』昭和十年五月)
・531頁10行め「山 話 今 は 昔」(『辛夷』昭和十年七月、八月)
 531頁11行め「山岳五年第一號」
 534頁11行め「山岳二業地」
・537~540頁15業め「黒 部 の 怪」(『辛夷』昭和三十三年七月)
 中島氏は俳号の「中島杏子」で俳句・古俳書関係の文章を多数発表している。12月25日付(01)の最後に見たように俳誌「辛夷」の第2代主宰であり、中島氏の自宅が「辛夷社」の所在地になっていた。
「第九章 杏子山岳句百八十章」541頁扉(頁付なし)。
 542頁上段1行め「昭和五年」1句。
 542頁上段3行め「昭和六年」3句。
 542頁上段7行め「昭和七年」4句。
 542頁上段12行め「昭和九年」4句。
 542頁下段2行め「昭和十年」1句。
 542頁下段4行め「昭和十一年」6句。
 542頁下段11行め「昭和十三年」3句。
 543頁上段1行め「昭和十四年」5句。
 543頁上段7行め「昭和十六年」1句。
 543頁上段9行め「昭和十八年」1句。
 543頁上段11行め「昭和二十二年」1句。
 543頁上段13行め「昭和二十三年」3句。
 543頁下段3行め「昭和二十五年」1句。
 543頁下段5行め「昭和二十六年」1句。
 543頁下段7行め「昭和二十七年」2句。
 543頁下段10行め「昭和二十八年」1句。
 543頁下段12行め「昭和二十九年」11句。
 544頁上段11行め「昭和三十年」7句。
 544頁下段2行め「昭和三十一年」21句。
 545頁上段7行め「昭和三十二年」6句。
 545頁上段14行め「昭和三十三年」12句。
 545頁下段13行め「昭和三十四年」9句。
 546頁上段6行め「昭和三十五年」29句。
 547頁上段1行め「昭和三十六年」10句。
 547頁上段12行め「昭和三十七年」4句。
 547頁下段1行め「昭和三十九年」3句。
 547頁下段5行め「昭和四十年」2句。
 547頁下段8行め「昭和四十二年」4句。
 547頁下段13行め「昭和四十三年」2句。
 548頁上段1行め「昭和四十四年」1句。
 548頁上段3行め「昭和四十五年」4句。
 548頁上段8行め「昭和四十六年」2句。
 548頁上段11行め「昭和四十八年」1句。
 548頁上段13行め「昭和五十年」4句。
 548頁下段4行め「昭和五十一年」1句。
 548頁下段6行め「昭和五十三年」7句。
 548頁下段14行め「昭和五十四年」2句。
 2行分空けて549頁2行めより550頁1行めまで、段組なしの「」八項目。但し註ではなく凡例と云うべきである。1項めを抜いて置こう。3~5行め、

一、『中島杏子句集』中、山岳に関する句約三百句、その中から百八十句を抄出した。山岳景観・登山・山岳信仰/ に関する句の他、山麓山村(五箇山・木曾・飛驒道・宇奈月・本宮など)に関する句もこれに含めた。「海に/ 突き入る境川」の句など、奥山廻り役の巡視コースとなった国境の重要な川なので、これも山岳句に含めた。


 すなわち、越中北アルプスに限らず、阿寒や鳥海、磐梯、妙高、富士、甲斐駒、伊吹*1の句も含まれている。なお「昭和四十二年」の4句めは山岳を詠んだ句ではないが、3句めの岳燕を詠んだ句に(悼石黒清蔵君、我四十年来の/の岳友なり。)との原註を添えるのに合せて、(悼木倉豊信君、我三十年/来の史学の友なり。)との原註を添える木倉豊信(1906.9.20~1967.8.28)の追悼句をも、石黒清蔵(1898~1967)の追悼句に並べって採ってしまったようだ。
 それはともかく、登山者ならではの景観や心情を詠んだ句が殆どで信仰に関する句は少なく、中島氏の個人的な信心を伴ったようなものは、ほぼ存しないようである。この点、廣瀬誠〈編集後記〉の次の段落、585頁7~9行め、

 中島氏は黒部奥山の史的研究には全力を尽くされたが、立山信仰の研究にはほとんど手をつけられなかった。/『観光手帳』に載せられた、なかば啓蒙的な「立山談義」があるくらいである。私に「立山信仰は君に任せとく/よ」ともいわれた。氏は性格的に信仰そのものの研究にはなじまれなかったのであろう。

とあるのが思い合される。民俗を取り上げた句もほぼ皆無で、その点、最近漸く検討に入っている十六人谷も白馬岳の雪女も、9月14日付「白馬岳の雪女(047)」に取り上げた辺見じゅんと違って、中島氏は何ともしていない。本書を確認したのは白馬岳及び蓮華温泉の歴史を見るためであったが、もちろん「蓮華温泉の怪話」など、話題にも上らない。(以下続稿)
2022年1月2日追記】当初「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(194)」と題していたが、余りにもそちらに関わらないままになったので記事の題を書名に改めた。

*1:2022年2月1日追記】当初、ここに「、二上山」としていたが、大和・河内の境の二上山(517m)ではなく高岡市氷見市の境にある二上山(274m)なので削除した。