瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

湯浅初江、もしくは湯浅初枝(2)

・『ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻 CD集 日本SP名盤復刻選集 Ⅳ』解説書(2009年5月発行・財団法人 ローム ミュージック ファンデーション・218頁)
 11月8日付(1)に触れたように、湯浅氏についてネット上で最も充実した伝記となっている Wikipedia ドイツ語版は、2017年1月14日に Nicola によって立項されている。生歿年については当初「* 1902, 1903 oder 1905 in Tokio (?); † nach 1945」すなわち「1902年か1903年、或いは1905年に東京(?)生、1945年以降歿」と、生歿年とも曖昧になっていた。
 しかし、その後も Nicola によって細かく追加修正が入り、2017年1月17日には生歿年が「* 1902[1]; † nach 1945」と改められた。生年の根拠を示した註を見るに「Rohm Music Foundation 4 [English Version.」云々とある。すなわち、今はリンク切れになっているけれども、当時は標記の復刻CD集の英語版解説にアクセス出来たらしい。
 そこで、日本版の解説書を久し振りに借りて来た。
 CDケースと同じ大きさでマットコート紙で218頁、全て横組み、表紙のみカラーで内容は全て白黒印刷。表紙裏に「目 次」。1頁、財団法人 ローム ミュージック ファンデーション/理事長 佐藤研一郞「ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻CD集/<日本SP名盤復刻選集>の発行について」はⅠ~Ⅲと共通。2~3頁、海老原敏「ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻CD集/全巻完結の偉業に寄せて/――もうひとたび日本の洋楽の過去の美しい響きに耳を傾けよう――」海老原氏は裏表紙裏、奥付の5項めに「総監修」として見えている。4~5頁。クリストファ・N・野澤「監修にあたって」野澤氏は奥付の6項め「監修」に片山杜秀と共に見えている。
 6~23頁「CD収録楽曲トラック表示」、24~177頁がCDごとの解説で、CD1 日本人音楽家国内録音(1)、CD2 日本人音楽家国内録音(2)、CD3 日本人音楽家海外録音、CD6 外国人音楽家国内録音(1)、CD7 外国人音楽家国内録音(2)の5枚については【楽家とその背景】をクリストファ・N・野澤が、【楽曲解説】を濱田滋郎が執筆している。CD5 日本人作品(1)、CD6 日本人作品(2)の2枚は片山杜秀が執筆している。この、各集の解説が非常に充実して読み応えがあり、殆ど知らなかった日本人の音楽家たち、そして来日した海外の有名音楽家、無名の、経歴もよく分かっていないような音楽家など、様々な人物が代わる代わる現れて倦むことがない。
 178~197頁、新忠篤「復刻技術者からのコメント」各曲について短いコメント。
 198頁、音楽評論家 濱田滋郎「まさしく掛替えのない集成」。濱田滋郎(1935生)は「日本人作品」以外の【楽曲解説】を担当していた。
 199~213頁「ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻CD集 復刻レコードデータ」表形式で、曲目*1ごとに「曲名・演奏者・レコードNO./レーベル/マトリクスNO./録音(年月日/国)/初発売(年月)」を示す。「レーベル」は写真を示すが、径1.3cmほどなので文字は殆ど読めない。「録音」時期は年だけのものも少なくなく、海外録音には国名も示す。

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第1集 日本語版

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第1集 日本語版

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第2集 日本語版

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第2集 日本語版

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第3集 日本語版

ロームミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集 第3集 日本語版

 私は『Ⅱ』が出たときに気付いて愛聴して来た。『Ⅱ』に収録されているマキシム・シャピロの演奏を聴いて、リャードフの前奏曲の美しさに気付かされた。それから『Ⅰ』に遡り、『Ⅲ』が刊行されて、続刊を楽しみにして来たのだが『Ⅳ』で完結と知って心底残念に思ったものだった。(以下続稿)

*1:11月18日追記】「トラック」としていたのを訂正した。