瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

湯浅初江、もしくは湯浅初枝(3)

  Wikipedia ドイツ語版「Hatsue Yuasa」項、立項者の Nicole は2017年1月17日の2度め*1の加筆で、歿年を「1945年以降」から「1943年以降」に改めている。1945年と云うのは、モーツァルトフィガロの結婚』の「ケルビーノのアリア」の録音が、1945年に発売されたかららしい*2。しかしそれは1945年まで湯浅氏が生存していた根拠にはならないとして、Yvonne Grolik『Willy Jaeger: Leben und Werk』66頁に見える、1943年3月1日のドレスデンでの公演を、湯浅氏の確認し得る最後の足跡と認定したのである。
 しかしこれ以上の追究となると、それこそ『鴎外の恋』や『それからのエリス』で、粘り強く Elise Wiegert(1866.9.15~1953.8.4)の実像に迫った、ドイツ・ベルリン在住の六草いちか(1962生)にお願いするしかなさそうである。
・『ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻 CD集 日本SP名盤復刻選集 Ⅳ』解説書(2)
 昨日の続き。
 解説書の残りは「目 次」に「表紙絵 上村松園」とあるように、表紙絵に関する記事である。非常に趣味は良いけれども、収録内容とは合っていない。
 表紙の図版、下辺右寄せで「上村松園作/春風(1940年)山種美術館」とある。解説は特にこの絵のみを説明したものではなく、214~215頁「松園の画業」は、孫の日本画家・上村淳之(1933.4.12生)が祖母・上村松園(1875.4.23~1949.8.27)について概観したもので、214頁17~18行めに「春風」に触れている。216~217頁「松園が描く着物」は、田畑喜八(社団法人日本染織作家協会 理事長・株式会社田端染色美術研究所 代表取締役)が、8作品を取り上げて解説したもので、最後(217頁19~23行め)に「春風」について説明している。218頁は下部に囲みで「表紙絵 上村松園(1875-1949) 略歴」とあって、最後(6~7行め)に「・・・・。今回のCD集表紙画には、/1937年~48年に描かれた美人画全8点を使用しています。」とあって、全4集に各2冊、英語版と日本語版の解説書で全8冊、全8点と云う計算になる。
 裏表紙の裏、奥付には1項め「企画・発行」から16項め「発行年月」まで、制作スタッフや協力者、発行に関するデータ等が列挙されている。
 さて、湯浅氏についてはまづ、6~23頁「CD収録楽曲トラック表示」の11~13頁16行め「CD3 日本人音楽家海外録音」の、12頁19~20行めに「湯浅初江 Hatsue Yuasa(1902-) (ソプラノ)ヴァルター・カール・マイツネル Walther Carl Meiszner (未詳) (ピアノ)」とあり、21行め「12. [15] F.ジルヒャー(訳詞:近藤朔風)/ローレライ<1837> 」3点リーダーで繋いで右端「2’57”」22行め左寄り「F.Silcher / Loreley」右「日本パーロフォン E15130(1929年ドイツ録音)」とある。
 なお、既に注意してあるが伴奏者については16行めにも20行めと全く同じ記載がある。すなわち15行め「鈴木乃婦(信子) Nobu(Nobuko) Suzuki(1885-1970) (ソプラノ)」、曲名は17行め「11. [14] H.ヴォルフ(訳詞:二見孝平)/世を逃れて<1888>」3点ダーシで繋いで右端「3’25”」、18行め左寄り「H.Wolf / Yo-wo-Nogarete(Original song=Verborgenheit)」右「フォックス 2164(1924年ドイツ録音) 機械式録音」とある。(以下続稿)

*1:2020年8月26日追記】「最後」としていたが2回の加筆の2つめなので「2度め」と訂正した。

*2:根拠となっているサイトがリンク切れで、詳細不明。