瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森川直司『裏町の唄』(1)

12月26日追記】投稿当初「赤いマント(221)」と題していたが、「赤いマント」の記述の検討に入る前に、本の内容を一通り見て置くことにしたので、記事の題を著者名と書名に改めた。

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・森川直司『裏町の唄』昭和53年4月15日初版発行・定価780円すずらん書房・238頁・四六判並製本

裏町の唄

裏町の唄

 本書には赤マント流言の調査を始めた頃に気付いて、目を通していました。しかしながら取り上げなかったのは、貸出しを受けて手許に置きながら検討して見たいと思っていたのが果たせなかったからです。6年前、昭和館の図書室で閲覧したのですが、やや曖昧なところもあるので、時期の明確な新聞記事の追究に掛かって後回しにしてしまい、その後、本書の一部が次の本に抄録されており、その中に「赤マント」も含まれていることが分かったので、都内の図書館に少なからず所蔵されているこちらを借りて、昭和館の閲覧室で本書と照合すれば良い、と思ったのです。
・森川直司『昭和下町人情風景』平成3年4月15日初版・定価1500円・廣済堂出版・235頁・四六判上製本
昭和下町人情風景―小さきものをいとおしむ

昭和下町人情風景―小さきものをいとおしむ

 私は昭和館の企画展には欠かさず出掛けているのですが、私の地元の図書館及び当時の勤務先に最寄りの区立図書館は『昭和下町人情風景』を所蔵していないので、思い立って昭和館の企画展に行こうと思ったときに手許に『昭和下町人情風景』がなかったり、そもそも企画展を通覧するのに時間が掛かって図書室に行く時間が取れなかったり、いや、企画展で疲れてしまってとてもじゃないが本の照合なんてやっていられないと思って、しかしなかなか、この要件のみで別に出掛ける機会も作れないまま、いたづらに時間ばかり過ごしてしまった次第です。とにかく『昭和下町人情風景』の「赤マント」の本文だけでも打ち込んで、照合すれば良いだろうと思うのですけれども、他のことにかまけて結局何もしないまま返却してしまう、と云ったことを何度も何度も繰り返しておりました。
 しかし、現在上手い具合にこの2冊とも借り出すことが出来ましたので、並べて確認して置きましょう。いえ、これとても半年前に出来ていたことなのですけれども。
 その前に、本書について略述して置きましょう。
 カバー表紙、私の見た本には帯が掛かっていない。帯の下には学帽をかぶった頭だけが見えている男児の身体が隠されており、青地に白い井桁模様の絣の着物、黒い帯、左肩に肩掛け鞄を下げ、下駄履き、手前に茶色で夕陽に照らされて出来た長い影を描くが、腰辺りまでしか収まっていない。左下、帯から花弁の一部が覗けているが、近景に薊の花。満開が3つと咲き初めたものが1つ。ゴシック体の著者名の上に明朝体で「もり かわ  ただ  し」とルビ。
 カバー背表紙、橙色地だが裏表紙に比べると褪色してくすんでいる。最上部に赤紫色の丸があってゴシック体紺色で標題、下部に黒のゴシック体で「森 川 直 司 著」但し「著」から最下部に掛けて、分類票貼付のため見えない。
 カバー裏表紙、橙色地だが褪色していない。中央やや上に横から見た人力車を図案化したロゴ。左下隅にゴシック体横組みで「定価 780円0095-000016-3742」とある。
 カバー裏表紙折返し、橙色時が 0.5cm ほど入り込んでいる他は白地。
 カバー表紙折返し、表紙の絵が 0.6cm ほど入り込んでいる他は白地、最下部中央に「カバー・本文イラスト阿木二郎」とある。阿木二郎(1940生)は貸本漫画や学習漫画を手掛けた漫画家。(以下続稿)