瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

加太こうじ『紙芝居昭和史』(1)

 私は街頭紙芝居を見た世代ではなく、実演は下町風俗資料館昭和館で見たくらいです。

紙芝居の世界 完全保存版

紙芝居の世界 完全保存版

 昭和館特別企画展「昭和の紙芝居 〜戦中・戦後の娯楽と教育〜*1」に行ったのも昭和館の特別企画展をほぼ毎回見に行っているからで、特に紙芝居に強い思入れがあるからではありませんでした。
 加太氏が、本書にて自作の紙芝居が「赤マント」の発生源であると述べていることを朝倉喬司が批判しているのを見て、初めて手にしたのでしたが、まず2013年10月25日付(04)にて立風書房版単行本と岩波現代文庫版、それから2月15日付(115)にて旺文社文庫版を取り上げましたが、必要箇所について触れたのみで細かい比較には及んでいません。今、手許にこの3冊を揃えていますので、それを果たして置きたいと思います。

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 まづ旺文社文庫について細かく見て置こう。
 旺文社文庫版の表紙はAmazon詳細ページには表示されますが鮮明ではない。toumeioj3のブログ「武蔵野日和下駄」の2008-10-02「紙芝居昭和史」に鮮明な書影と目次が示されている。
 カバー背表紙は淡い緑色地だがこれは褪色で、裏表紙の地色と同じ黄緑だったようだ。文字は黒で上部に明朝体で大きく標題、中央やや下に著者名、下部に丸ゴシック体で「旺文社文庫」その下には分類票が貼付されているが透かして見るに「122|1 」とあるらしい。最下部に「\380」。
 カバー裏表紙は右上に縦組みゴシック体で紹介文。

加太こうじは十四歳で紙芝居の世界にはいった。
昭和六年、日本国中いたるところに不況の風が吹き荒れ、「黄金バッ/ト」が街々の路地裏を徘徊しはじめたころである。以来三十数年、/著者はつねに業界の中心的存在であった。
テレビ時代の幕あきとともに劇的な終焉を迎えた紙芝居の栄/枯盛衰を克明に描き、紙芝居に情熱をかけた青春を万/感の思いをこめてつづる、興味深いもう/一つの昭和史!*2


 左下に「¥380[0193|612-73|0724]」定価はゴシック体、半角数字の真ん中の枠(横1.0cm)内は明朝体太字(枠の大きさは0.4×2.4cm)。中央左寄りに「黄金バット*3」の1枚め、「原作 鈴木一郎」「脚色・絵/加太こうじ」とあるがバーコード貼付のため篇名などは確認出来ない。下部右寄りに最初に「」とある裏書、これは左上に「黄金バット」1枚めが重なっている上に、貼付されているバーコードにも隠れて3分の1ほどが見えないが、まさ江と父が会話している場面である。
 カバー表紙折返しは白地で、右上に背広姿の顔写真、その下、右側に縦組みで「著者紹介」とあって、下部に明朝体(名前の読みは明朝体太字)10行(1行20字)の紹介文。

かた・こうじ 評論家。思想の科学研究会会/員。一九一八年、東京・浅草に生れる。太平/洋美術学校卒業。少年時代から紙芝居の世界/に入り『天誅蜘蛛』『鉄の男』『山の呼び声』を/はじめ、おびただしい作品を世に送った。紙/芝居衰退後の一九六〇年以降文筆業に転じ、/日本の民衆史、風俗史、大衆芸術などに関る/分野に多くの著作を残している。著書『街の/履歴書』『落語』『街の芸術論』『歌の昭和史』/『下町で遊んだ頃』他多数。


 カバー裏表紙折返しには横組みで「旺文社文庫」のうち安藤鶴夫『昔・東京の町の売り声』岡本綺堂『綺堂むかし語り』正木ひろし『近きより』の3点(標題はゴシック体、著者名は小さいゴシック体)についてそれそれ明朝体4行(1行14字)の紹介文が附される。左下にゴシック体縦組みで「カバー・デザイン 池田 拓」とある。
 1頁(頁付なし)扉、3〜4頁「まえがき」。
 文章のところは1頁18行、1行44字。章題は7行取り(右4行分・左2行分空白)5字下げ。
 5頁(頁付なし)「目   次」の扉、6〜8頁(頁付なし)の文字は明朝体、4字下げでやや大きく章題、下部に半角漢数字でやや小さく頁数が入る。「まえがき」と「あとがき」はさらに1字下げで本文と同じ大きさの活字、ここも下部に頁数。章題の次に2字下げてやや小さく節題、ここには数字は入っていない。8頁8行め「あとがき」の次、6字下げで「*」、次に10行め、章題と同じ扱いで「紙芝居の作り方・演じ方」下に半角漢数字「二八九」1行弱空けて6字下げで「解  説」下に「鶴見俊輔 三〇一」。
 9頁(頁付なし)中扉「紙芝居昭和史」。
 10頁(頁付なし)左下に小さく明朝体縦組みで小さく「写真協力(順不同)」として1字下げで3行「毎日新聞社・共同フォトサービ/ス・現代マンガ図書館・鈴木勝/丸・加太こうじ」とある。
 11頁から本文、節題はゴシック体で初めの2行の上部に2行取り上下に1字ずつ空白、本文は1字下げにせず、1行め2行め同じ高さ。
 277頁「あ と が き」は282頁3行めまで本文、単行本と同じく年記と著者名が282頁4行めに1行で入り、2字分空白で「文庫本へのあとがき」とあって1行空けて本文、288頁2行めまで本文で3行めに2字下げで「秋風東京に吹く日に」下に「加太こうじ」その下2字空白。残りは余白。
 289〜300頁「付録/紙芝居の作り方・演じ方」。細目については後述*4
 301〜306頁、鶴見俊輔(1922.6.25〜2015.7.20)「解 説」については既に2014年2月19日付「赤いマント(119)」に触れた。
 「旺文社文庫目録」は4頁、3段組で標題と著者名、1頁めの上段1行め、1字下げ「日本文学(〈*印は/近 刊〉)」とあって*5、以下近代文学の名作がずらりと並ぶ。
 「旺文社文庫新刊・近刊」は1頁、9点13点。本書は2点めで上半分に「加太こうじ著 紙芝居昭和史」下半分に明朝体で小さく紹介文2行、

今はなつかしい紙芝居の世界に青春の情熱をそそ/いだ著者が語る、興味深い昭和紙芝居興亡史。

とある。
 その裏、最後の頁が奥付で、上半分は縦組みの赤尾好夫「「旺文社文庫」刊行のことば」。下半分は横組みで、横線(7.0cm)が4本あって、1本めの上に中央揃えで「〔編集顧問〕〈小田切進 茅 誠司 木村 毅/中島健蔵 森戸辰男 (五十音順)〉」とある。1本めと2本めの間(0.9cm)に「旺文社文庫  紙 芝 居 昭 和 史  〈定価はカバーに表/示してあります 〉とある。2本めの下、左側に「1979年9月25日 初版印刷/1979年10月1日 初版発行」右に「(〈乱丁・落丁本はお取りかえします/ので本社に直接お申し出ください〉)」と文字は小さく(括弧は大きく)入っている。1行弱空けて左寄せで4行、

著 者  加  太  こ う じ*6
発行者  立  澤  節  朗
印刷所  株式会社 厚 徳 社/合資会社 中村印刷所
製本所  有限会社 穴口製本所

とあって3本めの横線、2本めと3本めの間は2.7cm。3本めと4本めの間(1.0cm)に、やや大きく「発行所 株式会社 旺  文  社」社名の下にやや小さく「 162 東京都新宿区横寺町」と添える。その右に小さく「電話〈(編集)03-266-6372/(販売)03-266-6415〉」とある。4本めの横線の下、左側に長方形の枠(0.5×2.2cm)があって2本縦線で仕切って[0193|612-73|0724]とあり、この下に「Printed in Japan 」と添える。枠の右、中央から右に掛けて2行「909084     © 加太こうじ 1979/(許可なしに転載,複製することを禁じます)」とある。(以下続稿)

*1:本稿は2014年2月28日から4月8日に掛けて準備したのだが、2年以上放置してしまった。準備当時のURLはhttp://www.showakan.go.jp/events/kikakuten/120317/index.htmlであったがリンク切れになっていたので貼り直した。なお、今回投稿に際して若干手を入れた。

*2:ルビ「はいかい・しゆうえん」。

*3:振仮名「おう・ごん」。

*4:この辺りまでは2年前の草稿をほぼそのまま使った。

*5:割書は〈 / 〉で示す。

*6:ルビ「かた」。