瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川文『追想 芥川龍之介』(1)

・単行本筑摩書房・245頁・四六判上製本

追想芥川龍之介 (1975年)

追想芥川龍之介 (1975年)

・昭和五十年二月十五日 初版第一刷発行
・昭和五十年五月三十日 初版第三刷発行・¥1200
・中公文庫
追想芥川龍之介 (1981年) (中公文庫)

追想芥川龍之介 (1981年) (中公文庫)

・昭和五十六年 六 月二十五日印刷・昭和五十六年 七 月 十 日発行(186頁)定価280円
・中公文庫(改版)
追想芥川龍之介 (中公文庫 R 35)

追想芥川龍之介 (中公文庫 R 35)

 中公文庫(改版)は未見、カバー表紙は中公文庫の初版に同じ。
 単行本は2冊見たがいづれも初版第三刷である。
 単行本と文庫版の違いであるが、まづ、著者について、単行本はカバー表紙・カバー背表紙・扉のいづれも「芥川 文 述/中野妙子 記」として、奥付も「著者」のところに「芥川 文(述)/中野妙子(記)」としているのに対し、文庫版はカバー表紙・カバー背表紙・扉「芥 川 文/中野妙子記」とし(扉のみ横組み)、奥付の「著者」は「芥 川  文/中 野 妙 子」としている。
 従って、文庫版では「筆者によるあとがき」を見ないことには、芥川文と中野妙子の分担が若干分かりにくい。
 単行本カバー表紙折返し、上右に「芥川が愛用した夫人手製「ネクタイ」/部分  布地は大正十年の中国土産」とあって、濃紺の木綿の上に白い絹に蝶や花の刺繍を入れたネクタイが、カバー表紙に2本、カバー裏表紙は右側に1本。カバー表紙には左上に「追想芥川龍之介芥川龍之介は白抜き、左下に赤で「芥川 文 述/中野妙子 記」、いづれ明朝体。カバー背表紙「追想 芥川龍之介芥川龍之介は白抜き、下部に赤で「芥川 文 述/中野妙子 記」、最下部に白抜きで小さく版元名、やはりいづれ明朝体。カバー裏表紙は下左に横組みで「¥1200/0095-81060-4604」と白抜き。
 文庫版はカバー表紙の左上に紅色で「追想 芥川龍之介」左下に「芥 川 文/中野妙子記」、薄い浅葱色の布地のところ、下部に横組みで「中公文庫」以上全て明朝体。カバー背表紙は肌色地に文字は全て黒で、上部に標題、中央やや下に「芥 川 文/中野妙子記」、下部に「中公文庫」云々とあるが分類票貼付のため、私の借りた本は最下部が見えない。カバー裏表紙は白地で、右上に明朝体縦組みで以下の紹介文。

十八歳で芥川に嫁し、昭和二年七月、龍之介/自殺の日まで、わずか十年の結婚生活の中に、/日々深まる夫の苦悩に心を痛めつつも、優し/い気配りを絶やすことのなかった夫人が、去/りいく年月の足音を哀惜しつつ、陰影豊かな、/抑制のきいた美しい語り口で物語る追想録。


 最下部左寄せで「定価280円   1195-690242-4622」。
 私の見た本はカバー裏表紙折返しが切除されている。
 カバー表紙折返し、上部に芥川文の写真、中央に「著者紹介」として「芥川 文」と「中野妙子」、これについては次回述べることにする。最下部右に小さく、カバーの浅葱色の布地に白抜きの草書で入っている句の翻刻。改行位置は「|」で示した。

カバー句(文夫人筆)
「夏山や山も楚らなる|夕明り/龍之介句/文|うつし」


 「楚」と翻刻しているが「そ」で良かろう。「そ」の字母は「曾」で「楚」を字母とするものは変体仮名。それから「文うつし」は、字母で示すと「文可久」と読める。すなわち「文かく」である。(以下続稿)