瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

能美金之助『江戸ッ子百話』(3)

 昨日に続いて『下』の細目を、同じ要領で見て置きましょう。
 昨日注意した、話の番号と題の間に挟まれている顔のカットですが、いづれも男性で〈①〉四角い顔で眉間の上にのみ髪の毛、下り眉、下の輪郭すなわち両耳のから顎の下に掛けて顎髭〈②〉丸顔の子供〈③〉△型の輪郭で鼻と耳はなく口の上に髭の剃り跡〈④〉上顎までは四角く頰がこけて台形の下顎が付く。耳はなく上がり眉で髪の毛は上辺の左右の角にあって天辺は禿げています。
 1頁1行め、1字下げ3行取りでやや大きくゴシック体で「江戸ッ子百話 下目次」とあって、2行分空けて「第五十六話 更に拾った浅草の昔咄……007」第 七 十 話まで。2頁は第七十一話から第 九 十 話、3頁は第九十一話から最後「第 百 話 五万石殿様の江戸ッ子……240」、1行分空けてゴシック体でやや小さく「装幀 高氏雅昭」とあって以下余白。
 5頁(頁付なし)中扉、上部中央にやや大きく「江戸ッ子百話 下」と標題。何故か『上』よりも一回り小さい。
 以下細目を挙げるが「目次」及び『上』の「下巻目次」との異同を註として添えました。「目次」のルビは第八十七話のみ。
第五十六話〈④〉更に拾った浅草の昔咄(7~13頁18行め)昭和38年11月
第五十七話〈①〉明治(大正)のおわいや*1(14~17頁15行め、15頁挿絵)昭和38年11月
第五十八話〈②〉馬鹿にできぬ馬鹿(18~20頁16行め)昭和38年12月
第五十九話〈③〉明治東京の河童と川獺(21~24頁10行め、22頁挿絵)昭和38年12月
第六十話〈④〉神格化せる大偉人/――金儲け会社大株主*2(25~27頁19行め)昭和39年2月
第六十一話〈①〉銘刀の騒動(28~30頁17行め)昭和39年2月
第六十二話〈②〉明治下層民の貧窮(31~42頁5行め、40頁挿絵)昭和39年4月
第六十三話〈③〉東京の洪水(明治時代)*3(43~49頁11行め)昭和39年6月
第六十四話〈④〉賢明なる芸能人/三遊亭円歌*4(50~55頁14行め)昭和39年10月
第六十五話〈①〉小僧物語(56~61頁13行め)昭和39年10月
第六十六話〈②〉明治浅草公園の大火*5(62~65頁13行め)昭和39年12月
第六十七話〈③〉東京市内で駝鳥に襲わる(66~68頁14行め、67頁挿絵)昭和39年12月
第六十八話〈④〉明治の名渓御茶の水(69~72頁6行め)昭和40年3月
第六十九話〈①〉東京で一番道幅の広い往来(73~75頁9行め)昭和40年3月
第七十話〈②〉不可思議の人名(76~81頁11行め)昭和40年5月
第七十一話〈③〉頼もしき青年/現代の東京ッ子にも*6(82~84頁7行め)昭和40年5月
第七十二話〈④〉庚申の夜参り(85~88頁19行め)昭和40年7月
第七十三話〈①〉貧家育ちの恥じらい(89~93頁20行め、92頁挿絵)昭和40年7月
第七十四話〈②〉仁医、現代にもあり(94~97頁17行め)昭和40年9月
第七十五話〈③〉明治の浅草広小路(98~104頁18行め)昭和40年11月
第七十六話〈④〉明治、大正の憧れ/ポンポン蒸気*7105~110頁6行め)昭和41年4月
第七十七話〈①〉明治の円遊の葬式付三筋町(111~116頁14行め)昭和41年7月
第七十八話〈②〉明治の庶民は弱かった(117~120頁14行め)昭和41年7月
第七十九話〈③〉雷お新ちゃん/(スッキリした江戸ッ子娘)*8(121~126頁9行め、123頁挿絵)昭和42年2月
第八十話〈④〉祭りに身命賭けた仕事師(127~131頁17行め)昭和42年4月
第八十一話〈①〉往復三十六里、徒歩で借金取り(132~135頁13行め)昭和42年4月
第八十二話〈②〉彰義隊百年祭(136~140頁20行め)昭和42年7月
第八十三話〈③〉明治の盛業、羅宇屋(141~145頁4行め、142頁挿絵)昭和42年7月
第八十四話〈④〉明治の江戸ッ子は癇癖*9(146~150頁10行め)昭和42年11月
第八十五話〈①〉死別した女房の尊さ――今更に(151~155頁9行め)昭和42年11月
第八十六話〈②〉明治最低の結婚支度の花嫁(156~159頁5行め)昭和43年2月
第八十七話〈③〉鬼神も泣く老女の俠気*10(160~165頁、162頁挿絵)昭和43年2月
第八十八話〈④〉明治の飛鳥山の花見(166~171頁17行め)昭和43年4月
第八十九話〈①〉明治吉原遊廓の大火(172~176頁10行め)昭和43年4月
第九十話〈②〉東京ッ子、大井川昔の川越し(177~181頁10行め)昭和43年7月
第九十一話〈③〉けしからぬ置き逃げ(182~185頁7行め)昭和43年7月
第九十二話〈④〉兎の大流行(186~192頁6行め、188頁挿絵)昭和43年11月
第九十三話〈①〉明治の志る粉屋考*11(193~198頁14行め)昭和44年2月
第九十四話〈②〉政府が懼れた失業知識階級*12(199~206頁4行め、201頁挿絵)昭和44年4月
第九十五話〈③〉児童を護る親子の離別/(小学校集団疎開*13(207~216頁1行め)昭和44年9月
第九十六話〈④〉明治三十年頃の幡随院付近(217~222頁3行め)昭和44年10月
第九十七話〈①〉尾久の奇怪なる連続事件/及び阿部定騒ぎ(223~227頁20行め)昭和44年12月
第九十八話〈②〉小揚げとつばめ(女)/――もったいなかった穀物の散佚*14(228~234頁9行め、231頁挿絵)昭和45年4月
第九十九話〈③〉神仏も運不運(235~239頁16行め)昭和45年6月
第百話〈④〉五万石殿様の江戸ッ子(240~247頁5行め、242頁挿絵)昭和45年9月
 1頁白紙、奥付、裏に横組みの「三一書房」の映画関係の書籍の目録6点7冊*15。(以下続稿)

*1:『上』の「下巻目次」は「他」も同じ大きさ。

*2:私の見た本は「主……025」が欠けている。

*3:『上』の「下巻目次」は「(明治時代)」なし。

*4:改行のところ「目次」では読点。

*5:『上』の「下巻目次」は「明治浅草公園大火事」。

*6:改行のところ「目次」では読点。

*7:改行のところ「目次」では読点。『上』の「下巻目次」は「明治大正の憧れ、ポンポン蒸気」。

*8:「目次」は改行のところ「――」として以下( )なしで大きさも同じ。

*9:「癇」は病垂に「間」。

*10:ルビ「おとこぎ」目次も。『上』の「下巻目次」は「おとこ」のみ。

*11:『上』の「下巻目次」は「明治の志るこ屋考」。

*12:ルビ「おそ」。

*13:『上』の「下巻目次」は副題「――小学校集団疎開」。

*14:『上』の「下巻目次」は「げ」なし。

*15:4月4日追記】これは第1版第2刷の奥付裏で、第1版第1刷は縦組みの『明治の群像』全十巻の広告、最後に「全巻完結!」とある。