瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

能美金之助『江戸ッ子百話』(2)

 昨日の続きで『上』の細目を見て行くこととします。
 3頁1行め、1字下げ3行取りでやや大きくゴシック体で「江戸ッ子百話 上目次」とあって、2行分空けて「第 一 話 俠気及び幼児の思い出……011」第 十 五 話まで。4頁は第 十 六 話から第三十五話、5頁は第三十六話から最後「第五十五話 明治の人力車……273    (以下下巻)」。
 6頁1行め、3行取りでやや大きく「下巻目次」、2行分空けて第五十六話から第七十話まで、題のみで頁は入っていません。7頁は第七十一話から第九十話、8頁は第九十一話から第百話、1行分空けてゴシック体でやや小さく「装幀 高氏雅昭」とあって以下余白。
 なお、頁付は小口側の下部に斜体で小さく入っており、奇数頁には1頁を除いて「3  目 次」或いは「11 第一話」の如く柱を添えております。
 9頁(頁付なし)中扉及びその裏の前置きについては前回記しておきました。
 本文は1頁20行、1行45字。各話冒頭、1字下げ3行取りでやや大きく「第一話  ★  俠気及び幼児の思い出」仮に★で示したのは4字分取ってここに4種類の顔のイラストを挟んでいるのですが、高氏氏のイラストでしょうから前回見た鶴見氏の序に当たる文章にあった「ガリ版の雑誌」にはなかったはずです。以下、イラストの種類ごとに仮に番号を附して置きました。題は「目次」は全て1行ですが本文では2行になっているものがあり改行位置を「/」で示し「目次」の空白も当該位置に入れて置きました。ルビも「目次」には第八十七話のみ。それから括弧内に頁、これに全頁の挿絵(頁付・柱あり)の位置を添え、最後に下詰めでやや小さく日付が入っているのを註記しました。
第一話〈①〉俠気及び幼児の思い出(11~12頁17行め)昭和31年5月9日
第二話〈②〉お染はこんな家に嫁入りするのであったか(13~14頁18行め)昭和31年5月22日
第三話〈③〉東京名物十二階(15~18頁10行め、17頁挿絵)昭和31年6月
第四話〈④〉下谷の金坊(19~20頁)昭和31年6月
第五話〈①〉一生に一度も立小便せぬ/潔癖の江戸ッ子美男子(21~23頁6行め)昭和31年7月
第六話〈②〉門跡前の大ガマグチ(24~27頁6行め、25頁挿絵)昭和31年7月
第七話〈③〉子供の決闘(28~30頁14行め)昭和31年10月
第八話〈④〉 東京へアト一宿り /新町の安泊り(木賃集合)(31~32頁9行め)昭和31年11月
第九話〈①〉やらずの信吉(33~35頁5行め)昭和31年11月
第十話〈②〉乞食が馬貰ったより困った大名の貰いもの(36~39頁6行め、38頁挿絵)昭和31年11月
第十一話〈③〉奥ゆかしい物貰いと風流な泥棒(40~41頁20行め)昭和31年12月18日
第十二話〈④〉猫に建てて貰った家/――猫六さんの目出たい話(42~43頁20行め)昭和32年1月
第十三話〈①〉生粋の江戸ッ子魂 /清水床屋のおじさん、彰義隊士に末期の水を(44~47頁4行め、46頁挿絵)昭和32年1月
第十四話〈②〉未帰営兵の死を救った/健気の江戸ッ子婆さん*1(48~51頁16行め)昭和32年5月
第十五話〈③〉大石順教尼さん /(旧松川屋妻吉さん=両腕無し芸者)(52~54頁14行め)昭和32年6月9日
第十六話〈④〉学校後援会の劇的場面(55~57頁12行め)昭和32年7月1日
第十七話〈①〉貧者の一燈/――燦爛と光る百円札(58~59頁18行め)昭和32年7月1日
第十八話〈②〉怪談、細長い青い腕(60~63頁9行め、62頁挿絵)昭和32年11月
第十九話〈③〉のんびりもんだよ/尾久の人たち、豪いものだよ(64~67頁14行め)昭和32年11月
第二十話〈④〉高雅な江戸ッ子、克さん(68~70頁20行め)昭和33年元旦
第二十一話〈①〉江戸ッ子児童はこんな社会訓練を受けた(71~74頁6行め)昭和33年2月
第二十二話〈②〉松葉町物語(75~76頁20行め)昭和33年2月
第二十三話〈③〉大寝ぼけ裸のさまよい(77~80頁15行め、78頁挿絵)昭和33年3月3日
第二十四話〈④〉江戸時代よりの名水(81~86頁10行め)昭和33年3月3日
第二十五話〈①〉都々逸一首で有名銀行より/融資を受けた江戸ッ子青年(87~89頁4行め)昭和33年4月15日
第二十六話〈②〉奥山に咲く人の見ぬ桜花/――江戸ッ子戯観(90~91頁8行め)昭和33年4月15日
第二十七話〈③〉無邪気な子どもと無邪気な大人(92~93頁20行め)昭和33年5月15日
第二十八話〈④〉江戸ッ子憧れの/根岸の里、日暮らしの里(94~103頁7行め)昭和33年8月1日
第二十九話〈①〉銭湯と江戸ッ子(104~110頁19行め、109頁挿絵)昭和33年11月
第三十話〈②〉江戸ッ子の親しみ深い/観音堂前の鳩豆売りのお婆さん(111~115頁7行め、113頁挿絵)昭和34年元旦
第三十一話〈③〉上野の宮様を背負うて尾久へ逃れた/江戸ッ子越前屋佐兵衛(116~120頁9行め)昭和34年元旦
第三十二話〈④〉東海道五十三次徒歩旅行・発端(121~126頁7行め)昭和34年4月
第三十三話〈①〉思い出深き浅草(127~133頁13行め)昭和34年8月
第三十四話〈②〉五十三次草鞋の足豆/――東海道五十三次徒歩旅行(2)*2(134~142頁12行め)昭和34年11月
第三十五話〈③〉鼠と遊ぶ要助さん(143~150頁4行め、148頁挿絵)昭和35年1月
第三十六話〈④〉泥棒を抱き寝した親方(151~156頁4行め)昭和35年8月
第三十七話〈①〉狂人物語(157~163頁10行め、161頁挿絵)昭和35年8月
第三十八話〈②〉着物は血が通っている(164~173頁5行め) 昭和35年10月
第三十九話〈③〉憧れの中仙道木曽路の旅衣(174~185頁14行め)昭和36年1月
第四十話〈④〉明治の上野付近(186~196頁17行め)昭和36年6月
第四十一話〈①〉江戸ッ子と犬 / 197~207頁9行め、206頁挿絵)昭和36年6月
第四十二話〈②〉皇太子殿下の御凧にいどむチャメ小僧(208~211頁17行め)昭和37年元旦
第四十三話〈③〉名画の俳優その他二項(212~214頁16行め)昭和37年5月
第四十四話〈④〉明治時代の子供の大喧嘩(215~216頁13行め)昭和37年5月
第四十五話〈①〉根岸日暮らしの里後記(217~219頁17行め)昭和37年5月
第四十六話〈②〉並木から浅草橋通りまでの思い出(220~231頁8行め、230頁挿絵)昭和37年8月
第四十七話〈③〉疑 問(232~237頁18行め)昭和37年11月
第四十八話〈④〉上野の森に群らがる烏(238~240頁8行め)昭和37年11月
第四十九話〈①〉川育ちは川に溺る(241~245頁7行め)昭和37年12月
第五十話〈②〉浅草観音様はチビ助を恵まる――観音利生記(246~251頁8行め)昭和38年1月
第五十一話〈③〉豪勢であった宮戸座(252~257頁19行め)昭和38年3月
第五十二話〈④〉粋*3(258~262頁5行め、261頁挿絵)昭和38年3月
第五十三話〈①〉浅草漫話(263~267頁20行め)昭和38年5月
第五十四話〈②〉賭 博(268~272頁20行め)昭和38年5月
第五十五話〈③〉明治の人力車(273~282頁4行め)昭和38年8月
 282頁5行めに下詰めで「(以下下巻)」とあります。
 次いで奥付、その裏は14点17冊の縦組みの目録*4。(以下続稿)

*1:ルビ「け な げ」。

*2:ルビ「わ ら じ」。

*3:ルビ「いき」。

*4:4月4日追記】第1版第3刷は、『下』第1版第2刷と同じ割付の、横組みで6点6冊の目録。