瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

津留宏『一少女の成長』(3)

 本書の初版『一少女の成長を見る 教育心理学的考察は、一応増刷もされていて昭和25年(1950)版と昭和26年(1951)版があるようだ。但し判型や頁数(228頁)は同じである。都内の公立図書館では昭和25年(1950)版が国立国会図書館東京都立多摩図書館に所蔵されており、国立国会図書館デジタルコレクションにも入っているが「国立国会図書館/図書館送信限定」でネットでは閲覧出来ない。しかしこれにより「目次」が判明する。以下、これを本書、改訂新版『一少女の成長 小さな魂の記録の分析と対照させて見よう。巻頭にあった「目次」は改訂新版では「もくじ」5~6頁、最後、6頁11行めに下寄せ「章扉カット 津留暁美」。

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初版「はしがき」→改訂新版「初版まえがき」1~2頁
「序篇」→「第一章 一事例研究の試み」7頁(頁付なし)扉
 「一 問題と方法」1頁   →「1●問題と方法」8~12頁2行め
 「二 資料の検討」5頁   →「2●資料の検討」12頁3行め~24頁
 「三 登喜子の輪郭」19頁 →「3●登喜子の輪郭」25~39頁
「前篇」→「第二章 小学生時代」41頁(頁付なし)扉
 「一 記録以前」35頁   →「1●記録以前」42~46頁5行め
 「二 小学一年生」40頁  →「2●小学一年生」46頁6行め~55頁
 「三 小学二年生」50頁  →「3●小学二年生」56~64頁
 「四 小学三年生」58頁  →「4●小学三年生」65~78頁
 「五 小学四年生」72頁  →「5●小学四年生」79~91頁9行め
 「六 小学五年生」84頁  →「6●小学五年生」91頁10行め~107頁6行め
 「七 小学六年生」101頁  →「7●小学六年生」107頁7行め~127頁
「後篇」→「第三章 女学生時代」129頁(頁付なし)扉
 「一 制服への誇」123頁  →「1●制服への誇り」130~140頁2行め
 「二 友と友の間」132頁  →「2●友と友の間」140頁3行め~160頁13行め
 「三 孤独の憂愁」152頁  →「3●孤独の憂愁」160頁14行め~174頁
 「四 戦争と女学生」165頁 →「4●戦争と女学生」175~192頁2行め
 「五 人生への絶望」183頁 →「5●人生への絶望」192頁3行め~216頁9行め
 「六 向学の心」207頁   →「6●向学の心」216頁10行め~228頁
「あとがき―本事例に於ける性格形成上の諸問題」219頁
   →「初版あとがき――本事例における性格形成上の諸問題」229~237頁

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 私は「改訂新版あとがき」を書いている村瀬孝雄のように、本書を心理学の資料として扱おうとしている訳ではないから、村瀬氏が指摘している本書の限界は気にならない。いや、私が必要としているのは極僅かな記述で、しかしどんな人物が、いつ、どこでそれを体験したのか、そして著者はそれをどのように取り扱っているのかを明らかにして置く必要があるから、本書についても少々細かく確認しているのである。
 それでは次回、第一章から津留氏に「成長記録」を提供した登喜子(仮名)について、確認して置こう。(以下続稿)