一昨日からの続きで、①上製本(初版)第一刷の、3章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。
139頁(頁付なし)中央上部に大きく「安曇野・筑摩の里*1」。140頁(頁付なし)は左下に「北安曇郡 南安曇郡 大 町 市/東筑摩郡 松 本 市」。
【27】猟師・渋右衛門のはなし〔北安曇郡〕141~150頁(挿絵141頁上「や」)
※ 途中、1行分空けて3字下げで以下の見出し。
一 二子岩の山の神にあったこと。143頁9行め~147頁2行め
二 西山の化物を退治したこと。 147頁3行め~149頁7行め
三 姫川で大蛇と闘ったこと 149頁8行め~150頁12行め
はなし 北安曇郡北城村 松沢徳吉
西山元吉
再 話 瀬川拓男
【28】山鳥の尾〔南安曇郡〕151~157頁(挿絵151頁上「や.」)
採 集 村沢武夫
【29】切明の庄屋*2〔北安曇郡〕158~162頁(挿絵158頁右上「比」)
はなし 北安曇郡美麻村 武内義男
高橋彦一
小林つね
【30】物くわぬ女房〔北安曇郡〕163~166頁(挿絵163頁上「ゆ.」)
はなし 北安曇郡美麻村 山田嘉栄治
【31】子供の好きな薬師さまの話〔北安曇郡〕167~168頁(挿絵167頁上)
はなし 北安曇郡南小谷村 宮入 某
【32】雪女〔北安曇郡〕169~174頁(挿絵169頁上*3)
採 集 村沢武夫
【33】小泉小太郎〔東筑摩郡〕175~183頁(挿絵175頁上)
再 話 瀬川拓男
【34】カッコウ鳥〔東筑摩郡〕184~185頁(挿絵184頁上)
採 集 牧内武司
【35】桔梗原の狐〔東筑摩郡〕186~185頁(挿絵186頁上「や.」、190頁「狐の地図」)
※ 途中、1行分空けて5字下げで以下の見出し。
一 狐ども、より集って大ばかしのこと 186頁10行め~187頁17行め
二 猫塚の孫左衛門、親不孝ものを説教のこと 188頁1行め~189頁5行め
三 六助池の六助、姉さまにばけること*4 189頁6行め~192頁9行め
四 玄蕃允、汽車にばけること 192頁10行め~193頁13行め
はなし 松本市笹部 赤羽鴻一郞
【36】ものぐさ太郎〔東筑摩郡/南安曇郡〕194~202頁(挿絵194頁上)
はなし 松本市笹部 赤羽鴻一郞
文 献 お伽草子
【37】わらべうた 203~206頁
三九郎の唄(南安曇郡穗高村)/採 集 池上隆祐
鳥追い唄(北安曇郡)/採 集 南方華洲
子供の盆唄(南安曇郡一日市場)/採 集 有賀喜左衛門
(松本市付近)/赤羽重雄
遊び唄(東筑摩郡)/採 集 有賀喜左衛門
てまり唄(東筑摩郡)/採 集 丸山寿栄
【33】については、本文の末から1行分空けて185頁13行め、小さく1字下げで「附 記」として、14~16行めに2字下げで、
このお話は筑摩の里におさめましたが、各地にいろいろな形となっている伝説です。所によっては白龍太郎とも泉小太郎とも/よばれています。南安曇、北安曇、東筑摩、小県の各郡にのこっているお話をまとめ、小県郡丸子町の黒坂周平先生や塩田町の/宮島博敏さんのお話も参考にして、これを一つの物語にしました。
とある。黒坂周平(1913.11.3~2003.2.7)は編集委員会のメンバーである。宮島博敏は【18】の話者。
【35】については度々松谷氏が言及しているので、別に取り上げる機会を作りたい。
ここで新たに「採 集」として名前が見えるのは【37】の池上隆祐(1906.1.15~1986.4.3)、南方華洲、有賀喜左衛門(1897.1.20~1979.12.20)、丸山寿栄の4名だが編集委員会のメンバーではない。直接資料の提供を受けたのか、既に発表されていたものに拠ったのかは検討を要する。【28】【32】の村沢武夫、【34】の牧内武司は既出。(以下続稿)
【2024年7月2日追記】2024年6月19日付「現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(02)」に参照した松谷みよ子『自伝 じょうちゃん』204~211頁「23 太郎座創立―民話採訪へ」の210頁16~17行めに「‥‥。炭屋のおじいさんである宮島博敏さんを訪ねたとき、そこで聞いた小泉小太郎/の話である。」とあって、以下211頁(1~15行め)に宮島氏の語った内容が紹介されている。