瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話1『信濃の民話』(07)

 一昨日からの続きで、上製本(初版)第一刷の、3章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。
 139頁(頁付なし)中央上部に大きく「安曇野・筑摩の里*1」。140頁(頁付なし)は左下に「北安曇郡 南安曇郡 大 町 市/東筑摩郡 松 本 市」。
【27】猟師・渋右衛門のはなし〔北安曇郡〕141~150頁(挿絵141頁上「や」)
 ※ 途中、1行分空けて3字下げで以下の見出し。
    一 二子岩の山の神にあったこと。143頁9行め~147頁2行め
    二 西山の化物を退治したこと。 147頁3行め~149頁7行め
    三 姫川で大蛇と闘ったこと   149頁8行め~150頁12行め
   はなし  北安曇郡北城村  松沢徳吉
                 西山元吉
   再 話           瀬川拓男
【28】山鳥の尾〔南安曇郡〕151~157頁(挿絵151頁上「や.」)
   採 集  村沢武夫
【29】切明の庄屋*2北安曇郡〕158~162頁(挿絵158頁右上「比」)
   はなし  北安曇郡美麻村  武内義男
                 高橋彦一
                 小林つね
【30】物くわぬ女房〔北安曇郡〕163~166頁(挿絵163頁上「ゆ.」)
   はなし  北安曇郡美麻村  山田嘉栄治
【31】子供の好きな薬師さまの話〔北安曇郡〕167~168頁(挿絵167頁上)
   はなし  北安曇郡南小谷村  宮入 某
【32】雪女〔北安曇郡〕169~174頁(挿絵169頁上*3
   採 集  村沢武夫
【33】小泉小太郎〔東筑摩郡〕175~183頁(挿絵175頁上)
   再 話  瀬川拓男
【34】カッコウ鳥〔東筑摩郡〕184~185頁(挿絵184頁上)
   採 集  牧内武司
【35】桔梗原の狐〔東筑摩郡〕186~185頁(挿絵186頁上「や.」、190頁「狐の地図」)
 ※ 途中、1行分空けて5字下げで以下の見出し。
    一 狐ども、より集って大ばかしのこと     186頁10行め~187頁17行め
    二 猫塚の孫左衛門、親不孝ものを説教のこと  188頁1行め~189頁5行め
    三 六助池の六助、姉さまにばけること*4    189頁6行め~192頁9行め
    四 玄蕃允、汽車にばけること         192頁10行め~193頁13行め
   はなし  松本市笹部  赤羽鴻一郞
【36】ものぐさ太郎〔東筑摩郡南安曇郡〕194~202頁(挿絵194頁上)
   はなし  松本市笹部  赤羽鴻一郞
   文 献         お伽草子
【37】わらべうた  203~206頁
    三九郎の唄(南安曇郡穗高村)/採 集  池上隆祐
    鳥追い唄(北安曇郡)/採 集  南方華洲
    子供の盆唄(南安曇郡一日市場)/採 集  有賀喜左衛門
         (松本市付近)/赤羽重雄
    遊び唄(東筑摩郡)/採 集  有賀喜左衛門
    てまり唄(東筑摩郡)/採 集  丸山寿栄
 【33】については、本文の末から1行分空けて185頁13行め、小さく1字下げで「附  記」として、14~16行めに2字下げで、

 このお話は筑摩の里におさめましたが、各地にいろいろな形となっている伝説です。所によっては白龍太郎とも泉小太郎とも/よばれています。南安曇、北安曇、東筑摩、小県の各郡にのこっているお話をまとめ、小県郡丸子町の黒坂周平先生や塩田町の/宮島博敏さんのお話も参考にして、これを一つの物語にしました。

とある。黒坂周平(1913.11.3~2003.2.7)は編集委員会のメンバーである。宮島博敏は【18】の話者。
 【35】については度々松谷氏が言及しているので、別に取り上げる機会を作りたい。
 ここで新たに「採 集」として名前が見えるのは【37】の池上隆祐(1906.1.15~1986.4.3)、南方華洲、有賀喜左衛門(1897.1.20~1979.12.20)、丸山寿栄の4名だが編集委員会のメンバーではない。直接資料の提供を受けたのか、既に発表されていたものに拠ったのかは検討を要する。【28】【32】の村沢武夫、【34】の牧内武司は既出。(以下続稿)
2024年7月2日追記2024年6月19日付「現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(02)」に参照した松谷みよ子自伝 じょうちゃん』204~211頁「23 太郎座創立―民話採訪へ」の210頁16~17行めに「‥‥。炭屋のおじいさんである宮島博敏さんを訪ねたとき、そこで聞いた小泉小太郎/の話である。」とあって、以下211頁(1~15行め)に宮島氏の語った内容が紹介されている。

*1:ルビ「あ ずみ の」。

*2:ルビ「きり あけ」。

*3:本文に「行燈」とあるが、描かれているのは柱の上に皿が載る灯台のみで周囲を和紙を貼った木枠で囲う行灯になっていない。

*4:ルビ「あね」。