昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、2章めを見て行くこととする。要領は昨日に同じ。
91頁(頁付なし)中央上部に大きく「塩田平・佐久平」。92頁(頁付なし)は左下に「小 県 郡 北佐久郡 南佐久郡/小 諸 市 上 田 市*1」。
【16】鯨の夫婦〔南佐久郡〕93~94頁(挿絵93頁上「ゆ」)
はなし 南佐久郡小海村 菊原龍之助
【17】望月の駒〔北佐久郡〕95~101頁(挿絵95頁上「ゆ」)
はなし 北佐久郡望月高校 楜沢龍吉
再 話 瀬川拓男
【18】本郷の笊水〔小県郡〕102~104頁(挿絵102頁上「や.」)
はなし 小県郡塩田町 宮島博敏
【19】いざり車〔小県郡〕105~109頁(挿絵105頁上)
はなし 桐山きよえ
採 集 小山真夫
【20】きつねのお礼〔南佐久郡〕110~112頁(挿絵111頁)
はなし 南佐久郡佐久町 青柳美都子
【21】つつじの乙女〔小県郡〕113~117頁(挿絵113頁上)
採 集 村沢武夫
【22】ほととぎすの話〔北佐久郡〕118~119頁
はなし 北佐久郡浅間町上平尾 楜沢龍吉
【23】ぼた餅と河童小僧〔北佐久郡〕120~123頁(挿絵120頁上「ゆ.」)
はなし 北佐久郡 神津はま
【24】まったらこうよ〔小県郡〕124~129頁(挿絵124頁上「や.」)
採 集 小県郡 小山真夫
再 話 瀬川拓男
【25】龍になった甲賀三郎〔北佐久・南佐久郡〕130~135頁(挿絵130頁上「ゆ.」)
はなし 北佐久郡 古越おかの
はなし 南佐久郡栄村上村影 岡部いちの
再 話 瀬川拓男
【26】わらべうた 136~138頁
道祖神の唄(小県郡武石村)
十日夜の唄*2(小県郡武石村)
浅間山から(北佐久郡)
坊主ぽっくり(北佐久郡)/「軽井沢の民謡」より
びちがた観音堂(南佐久郡野沢町伴野)/木内省吾
「わらべうた」の出典表示は「奥信濃」と異なっている。最初の2首は武石村の小山真夫(1882~1937.9)の、炉辺叢書『小県郡民謡集』に出ているのであろうか。「浅間山から」は『軽井沢の民謡』に載っているのかどうか。
小山真夫の「採 集」とは『小県郡民譚集』から採ったのであろう。【17】と【22】の楜沢龍吉(1904生)は編集委員の1人で、前者は「北佐久郡望月高校」と所属を示すが後者は住所を示しているようである。佐藤春夫(1892.4.9~1964.5.6)の弟子で詩集や短篇集、郷土史の本などを出している。
木内省吾は自刊(長野縣南佐久郡岸野村/木内省吾)で戦前に3冊本を出している。
そして、ここでは【21】に村沢武夫の「採集」の話が見えていることに注意して置こう。(以下続稿)