瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話1『信濃の民話』(06)

 昨日の続きで、上製本(初版)第一刷の、2章めを見て行くこととする。要領は昨日に同じ。
 91頁(頁付なし)中央上部に大きく「塩田平・佐久平」。92頁(頁付なし)は左下に「小 県 郡 北佐久郡 南佐久郡/小 諸 市 上 田 市*1」。
【16】鯨の夫婦〔南佐久郡〕93~94頁(挿絵93頁上「ゆ」)
   はなし  南佐久郡小海村  菊原龍之助
【17】望月の駒〔北佐久郡〕95~101頁(挿絵95頁上「ゆ」)
   はなし  北佐久郡望月高校  楜沢龍吉
   再 話            瀬川拓男
【18】本郷の笊水〔小県郡〕102~104頁(挿絵102頁上「や.」)
   はなし  小県郡塩田町  宮島博敏
【19】いざり車〔小県郡〕105~109頁(挿絵105頁上)
   はなし  桐山きよえ
   採 集  小山真夫
【20】きつねのお礼〔南佐久郡〕110~112頁(挿絵111頁)
   はなし  南佐久郡佐久町  青柳美都子
【21】つつじの乙女〔小県郡〕113~117頁(挿絵113頁上)
   採 集  村沢武夫
【22】ほととぎすの話〔北佐久郡〕118~119頁
   はなし  北佐久郡浅間町上平尾  楜沢龍吉
【23】ぼた餅と河童小僧〔北佐久郡〕120~123頁(挿絵120頁上「ゆ.」)
   はなし  北佐久郡  神津はま
【24】まったらこうよ〔小県郡〕124~129頁(挿絵124頁上「や.」)
   採 集  小県郡  小山真夫
   再 話       瀬川拓男
【25】龍になった甲賀三郎〔北佐久・南佐久郡〕130~135頁(挿絵130頁上「ゆ.」)
   はなし  北佐久郡       古越おかの
   はなし  南佐久郡栄村上村影  岡部いちの
   再 話             瀬川拓男
【26】わらべうた  136~138頁
    道祖神の唄(小県郡武石村
    十日夜の唄*2小県郡武石村
    浅間山から(北佐久郡
    坊主ぽっくり(北佐久郡)/「軽井沢の民謡」より
    びちがた観音堂南佐久郡野沢町伴野)/木内省吾
「わらべうた」の出典表示は「奥信濃」と異なっている。最初の2首は武石村の小山真夫(1882~1937.9)の、炉辺叢書『小県郡民謡集』に出ているのであろうか。「浅間山から」は『軽井沢の民謡』に載っているのかどうか。
 小山真夫の「採 集」とは『小県郡民譚集』から採ったのであろう。【17】と【22】の楜沢龍吉(1904生)は編集委員の1人で、前者は「北佐久郡望月高校」と所属を示すが後者は住所を示しているようである。佐藤春夫(1892.4.9~1964.5.6)の弟子で詩集や短篇集、郷土史の本などを出している。
 木内省吾は自刊(長野縣南佐久郡岸野村/木内省吾)で戦前に3冊本を出している。
 そして、ここでは【21】に村沢武夫の「採集」の話が見えていることに注意して置こう。(以下続稿)

*1:ルビ「ちいさがた/」。

*2:ルビ「とうかんや」。