瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(08)

・巻一(5)加住地区
 昨日の続きで4章めを眺めて置く。要領は11月24日付(05)に同じ。
135~144頁5行め「<加住地区>」
*「目次」3頁め下段10行めには1字下げでやや大きく「加住地区(九話)」とある。
《1》滝は落ちると移った滝山城(八王子市丹木町)135頁2~11行め
《2》滝山城は霞の城(八王子市高月町滝町)136頁
  典拠(小池益男氏)
《3》眼鏡井戸(八王子市滝山二丁目)137頁1~6行め
  典拠(多摩の伝説)
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』68「井戸の伝説(下)」
《4》五穀石(八王子市加住地区)137頁7行め~138頁
  典拠(清水庫之祐氏)
《5》黒八丈の原料(八王子市高月町滝町)139頁1~4行め
  典拠(清水庫之祐氏)
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』14「黒八丈の由来」
《6》因果物語(八王子市高月町滝町)139頁5行め~140頁
  典拠 清水庫之祐先生
  ※『八王子周辺の民話』【18】因果物語<八王子市高月町>21頁下
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』18「多摩の因果物語」(因果物語)
  ※『因果物語』上ノ十「罪無シテ殺サルヽ者怨㚑ト成事*1
《7》近藤三助と天然理心流(八王子市戸吹町)141~142頁4行め
  ※「ふるさと八王子」【28】62~63頁「天然理心流剣道場」(48・10・1)(前半の典拠)
《8》八木岡家の伝説(八王子市戸吹町)142頁5行め~143頁2行め
《9》明化小学校(八王子市戸吹町)143頁3行め~144頁5行め
  ※「ふるさと八王子」【9】24~25頁「明化学校」(47・2・1)
 「因果物語」の原典は現在ではネットで閲覧出来る。愛知県図書館の貴重和本デジタルライブラリーの寛文元年(1661)十二月刊『因果物語』上ノ十六丁表3~8行め、同題(十四丁裏6行め~十六丁裏6行め)に4話纏められているうちの3話め。

武州瀧山。某代官ノ時。火事出來ス。下代某下女ヲ捉。是*2/ヲ科人ト爲。村中ヲ引廻テ後。火炙ニス。餘口ヲキクト云テ。*3/口ヲ破テ物ヲ言セズ。然ニ火ノ中ヨリ。大ナル黒虵。火ノ上ヱ四*4/尺程高。頭ヲ上テ見ケルガ。頓家ノ中ヘ來。先下代ヲ妻子共*5/ニ取殺。次ニ家老ヲモ先子供ヲ取殺シテ。後夫婦残無取殺。*6/扨主人ワ癩病ヲ受。久ク乞食シテ死セリ。慶長十年ノ比也。*7


 慶長十年(1605)頃の滝山の代官は誰だったのだろう。最初に出て来る「某」が「代官」で、最後に登場する「主人」である。
 清水庫之祐がこの話をどうやって知ったのか、これも追々考えて見ることとしよう。(以下続稿)

*1:振仮名「ツミナク・コロ・モノヲンリヨウ・ナル」。

*2:振仮名「ブシウタキヤマ・ナニカシダイクハン・トキ・クハジシユツライ・ゲダイナニカシゲヂヨ・トラエ・コレ」。

*3:振仮名「トガニン・ナシテ・ムラジウ・ヒキマワシ・ノチ・ヒアブリ・アマリクチ」。

*4:振仮名「クチ・ワツ・モノ・イワ・シカル・ヒ・ウチ・ヲヽキ・クロヘビ・ヒ・ウエ」。

*5:振仮名「シヤクホドタカク・カシラ・アゲ・ミエ・ヤガテイエ・ウチ・キタリ・マヅゲダイサイシトモ」。

*6:振仮名「トリコロス・ツギ・カロウ・マヅコドモ・トリコロ・ノチフウフノコリナクトリコロス」。

*7:振仮名「サテシユヂン・ライビヨウ・ウケ・ヒサシ・コツジキ・シ・ケイチヨウ」。