瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(05)

・巻一(2)八王子地区
 本書には、前回引いた「まえがき」にあったように、八王子市内の5つの地区の伝説等が纏められている。
 以下、地区ごとに、仮に《番号》を打って細目を眺めて置くこととしよう。4行取り2段抜きの題の左下に添えてある(地名)は、仮に題下に添え、その下に収録位置を示した。目次に添えてある話数に従って番号を附したが、なお目次には挙がっていない同題のダブリは、1話めと番号を同じくして同じように挙げて置いた。また、1つの題に幾つかの項が纏められている場合、各項に仮に「◯」を冠し、その題と収録位置等を附した。「典拠」として本文末に下詰めで入っている書名、人名を行を改めて添えた。加えて、※に私の気付いた典拠となった文献、共通する話を載せる文献、本書を利用した文献を註記した。
 私が今回対照した文献は以下の通り。
・清水庫之祐「多摩の傳説」‥‥「商工日日新聞」連載。私は二代目清水庫之祐編『多摩の傳説』に拠ったが、本書刊行後に出ているので清水氏は連載の切抜きに拠ったものと思われる。
・『八王子周辺の民話』‥‥清水氏の編著で東京都立八王子図書館の『郷土資料シリーズ(4)』。但し清水氏はこの本には拠らずに原資料に拠ったらしい。細目は11月17日付「清水成夫 編『八王子周辺の民話』(2)」に示した。
・八王子市「ふるさと八王子」‥‥八王子市の広報に連載。これも1冊に纏められたのは本書刊行後なので清水氏は切抜きを使用したものと思われる。私は書籍版に拠った。細目は11月1日付「東京都八王子市『ふるさと八王子』(1)」に示した。
・八王子市「東西南北」‥‥八王子市の広報に本書刊行後に連載。「ふるさと八王子」と抱き合わせて1冊に纏められており、本書を利用した記述がある。細目は11月3日付「東京都八王子市『ふるさと八王子』(3)」に示した。
4~67頁「八王子地区」
*「目次」1頁め上段3行めには1字下げでやや大きく「八王子地区(四十三話)」とある。
《1》八王子の地名(八王子市)4頁2行め~13頁
◯横山町 4頁上
八日市(八日町) 4頁下
  典拠(八王子市)
八木町 5頁上1~5行め
◯平岡町 5頁上6~13行め
◯小門町 5頁下1~6行め
◯千人町 5頁下7~12行め
◯馬乗 6頁上1~6行め
◯八幡宿 6頁上7~13行め
◯日吉 6頁下1~3行め
◯久保 6頁下4~5行め
◯島ノ坊 6頁下6~9行め
◯寺町 6頁下10~12行め
◯三崎町 7頁上1~4行め
◯本郷町元本郷 7頁上5~13行め
◯富士見町 7頁下1~4行め
◯竹の鼻船森 7頁下5~14行め
◯藪の内 8頁上1~6行め
◯大横町 8頁上7~10行め
◯梅原横町 8頁上11~12行め
◯あんま横町 8頁下1~3行め
◯御無沙汰横町 8頁下4~5行め
◯馬場横町 8頁下6~7行め
◯南横町 8頁下8~9行め
◯小谷横町 8頁下10~11行め
  典拠(八王子市)
◯八王子八景(八王子風土記)9~10頁
◯明治初年八王子八景 11~12頁
◯明治三十年頃/八王子の八景 奥津涯江 13頁上
◯八王子八勝記 澳津涯江 13頁下
《2》丹前勝山 14~16頁
  ※『八王子周辺の民話』【2】丹前勝山<八王子市横山町>3~4頁
《3》甲州道(八王子市内)17~18頁6行め
  典拠「はちおうじ」
  ※「ふるさと八王子」【30】66~67頁「旧甲州街道」(48・12・1)
《3》甲州道(二)(八王子市内)18頁7行め~20頁2行め
  典拠(はちおうじ)
  ※「ふるさと八王子」【20】46~47頁「甲州街道の市内電車」(48・2・1)
《4》弘法大師と水無河原(八王子市)20頁3行め~21頁4行め
  典拠「八王子」昭和八年
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』11「水無し河原」(郷土教育資料)
  ※『八王子周辺の民話』【6】水無河原<八王子市日吉町>8頁
《5》富士塚(八王子市上野町)21頁5行め~22頁4行め
  典拠「八王子」
  ※『八王子周辺の民話』【8】富士塚<八王子市上野町>11頁
《6》だんご祭(八王子市上野町)22頁5~10行め
《7》御所水(八王子市台町 御所水 )23頁
《8》良寛和尚と秋山義方(八王子市子安町)24頁
  典拠(天野佐一郎氏)
《9》セーキ地蔵(八王子市千人町)25頁1~5行め
  典拠「八王子」
《10》飼犬大黒(八王子市千人町)25頁6行め~26頁8行め
  典拠「桑都日記」
《11》千人頭原半左ェ門と馬(八王子市千人町)26頁9行め~27頁
  典拠「新事著聞書」清水庫之祐氏
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』42「馬の話」(新著聞集)
  ※『八王子周辺の民話』【5】原半左衛門と馬<八王子市千人町>7頁
《12》文護稲荷(八王子市追分町)28~29頁8行め
  典拠(大野清次郎氏談)
《13》車地蔵(八王子市八木町)29頁9行め~30頁9行め
  典拠(小沢佐吉氏談)
《14》三年坂(八王子市八木町追分町・第二小学校の横道)30頁10行め~32頁6行め
  典拠(東京日々新聞)
《15》現宝稲荷(八王子市本郷町)32頁7行め~35頁
  典拠(山本正夫氏)
  ※『八王子周辺の民話』【7】現宝稲荷社<八王子市本郷町>9~10頁
《16》賭け事にきく黄金地蔵(八王子市八木町三〇)36~37頁
  典拠(読売新聞)
《16》黄金地蔵(二)(八王子市八木町雲龍寺内)38頁
《17》産千代稲荷(八王子市小門町)39~40頁4行め
《18》とうもろこし地蔵(八王子市小門町)40頁5行め~41頁2行め
  ※「ふるさと八王子」【25】56~57頁「とうもろこし地蔵」(48・7・1)
《19》明治の宿場のなごり(八王子市八幡町)41頁3行め~42頁4行め
  ※「ふるさと八王子」【6】18~19頁「宿場町のなごり」(46・10・1)
《20》鼻取り如来(八王子市大横町)42頁5行め~43頁2行め
  ※『八王子周辺の民話』【3】鼻取如來<八王子市大横町>5頁
《21》歯吹阿弥陀如来(八王子市大横町極楽寺)43頁3~10行め
  典拠(八王子市)
《22》首地蔵(八王子市大横町)44頁1~4行め
《23》お十夜(八王子市大横町)44頁5行め~45頁
  ※「ふるさと八王子」【7】20~21頁「お十夜」(46・11・1)
《24》大善寺で死んだ稚子(八王子市大横町大善寺)46頁
  典拠(清水庫之祐氏)
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』46「寺や社の伝説」
《25》笠守稲荷(八王子市大横町)47頁1~5行め
《26》機守様(八王子市大横町)47頁6行め~48頁6行め
  典拠「八王子より」
《27》亀屋の徳利(八王子市八日町)48頁7行め~50頁
  典拠(八王子)
  ※『八王子周辺の民話』【1】亀屋の徳利<八王子市八日町>1~2頁
  ※清水庫之祐『多摩の傳説』61「徳利亀屋」(郷土教育資料)
《28》八日市十文字桑(八王子市八日町)51頁
  典拠(八王子)
《29》とんがらし地蔵(八王子市本町「禅東院」)52頁
  典拠(大石俊一氏談)
《30》古い石べい(八王子市南新町)53~54頁3行め
  典拠(成田山伝法院)
  ※「ふるさと八王子」【4】14~15頁「成田山伝法院の石塀」(46・8・1)
《31》祐天面と血の雨(八王子市寺町)54頁4~10行め
  典拠(小俣進一氏談)
《32》あんま横町(八王子市東町)55~56頁6行め
  ※「ふるさと八王子」【26】58~59頁「あんま横丁」(48・8・1)
《33》小豆買の僧侶 56頁7行め~57頁6行め
《34》空より石が降る(八王子市旭町)57頁7行め~58頁8行め
《35》横山様(八王子市元横山町)58頁9行め~59頁5行め
《36》竹の鼻の生姜祭り(八王子市新町)59頁6行め~60頁2行め
《37》さいかち様(八王子市新町)60頁3~10行め
《38》安産の神様(八王子市明神町)61頁1~5行め
《39》せき守様(八王子市明神町)61頁6行め~62頁3行め
《40》八王子の機関庫(八王子市子安町)62頁4行め~63頁6行め
  ※「ふるさと八王子」【10】26~27頁「八王子機関庫」(47・3・1)
《41》藤井の行者(八王子市子安町一丁目)63頁7行め~64頁
《42》馬場横町(八王子市千人町)65頁
《43》子安神社と新年松飾り(八王子市子安町)66~67頁
 典拠を示さない話が多く、かつ市の広報に連載されていた、伝説とは言い難い文章を載せているのが気になる。folklore や legend ではなく reminiscence の意味の「昔話」と云うことには、なるのだろうけれども。(以下続稿)