瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

吉田秋生『櫻の園』(09)

中原俊監督映画(4)
 ③の「main menu」画面は、右が濃いグラデーションの桃色地で文字は全て横組み、左にパッケージに使用されているB2判ポスター、その下に淡い桃色のゴシック体で英語の題「The Cherry Orchard」、ポスターの右に淡い灰色の明朝体で立体的に大きく「櫻の園」地色が透けている。「園」字の下に写真撮影シーンの倉田と志水の顔。その左に桃色で濃く「main menu」とあって、桃色で太く仕切られた白地の4行に明朝体、指定すると濃くなる(しないと薄い)桃色で、1行め「本篇再生」中央やや右寄り。以下右を揃えて、2行め「チャプター・メニュー」3行め「オリジナル予告篇」4行め「英語字幕 ON/OFF」。右に薄い桃色で右が上に横転して「ARGOPROJECT」のロゴ文字、これは4行に重なっている。
 「チャプター・メニュー」をクリックすると上下2段に3つずつ、合計6つの場面のサムネイルが表示される。背景の桃色地に「ARGOPROJECT」のロゴ文字は「main menu」に同じ、サムネイル上段の「1」と「2」の間に杉山、「2」と「3」の間に城丸、下段は大きく「5」の背後に倉田、「6」の背後に志水の顔が並んで、写真撮影の場面だが、地色に紛れて写し込まれている。上部左に「櫻の園chapter Index」漢字は赤紫色、平仮名はやや薄く、アルファベットは桃色で上寄せ。下部に淡い桃色のゴシック体で英語の題「The Cherry Orchard」に続いて「main menu 1‐6 7-12 13-18」文字の周囲は黄色くぼかし、表示されているところが赤くなっている。この仕様は「チャプター・メニュー」の3種の画面に共通。
 1(メインタイトル」2(煙草~島田の煙草を/取り上げる城丸」3(煙草~落ちていた煙草を拾い上げる志水」
 4(煙草~/煙草を吸おうとする志水」5(「櫻の園」上演中止?」6(煙草~志水から/煙草を取り上げる杉山」
 7(「櫻の園」上演決定」8(志水の想いと杉山」9(倉田の想いと志水」
 10(煙草~/煙草を吸おうとする杉山」11(櫻の下/駆け抜ける城丸」12(志水、倉田、杉山」
 13(煙草~/煙草を吸う杉山」14(「私、倉田さんの/ことが好き」15(二人の触れ合い~/スローモーション」
 16(煙草~杉山から/煙草を渡される城丸」17(志水の誕生日~開演」18(エンドロール」
 この「チャプター・メニュー」は透明ケースを使用しているので白黒で印刷されているパッケージの裏面、左側(蓋の内側)下部にも横組みで「chapter index」として、以下に左右2列で「1.メインタイトル」の如く表示されている。違いとしては「2.煙草①~島田の煙草を取り上げる城丸」のように長いものでも1行で、かつ「煙草」の場面には丸数字で番号が打たれて、その最後は「16.煙草⑦~杉山から煙草を渡される城丸」である。
 このチャプターは④HDリマスター版とは異なっている。詳細は④HDリマスター版と比較しつつ述べることとしよう。
 「オリジナル予告篇」は「本篇再生」にしていても最後に連続して再生される。7月29日付(7)に見た「 ARGOPROJECT」の画面が出て、黒地に縦組みの淡い桃色で、中央にやや縦に長い隷書体で大きく「櫻の園」ルビ「さくら・その」、その左下に長方形の枠に明朝体で「[予告]」。左下隅に白抜きで映倫のマーク。この予告篇は④HDリマスター版には収録されていない。予告篇の内容については別に検討することにしよう。
 そして英語字幕ONにすると、下部に白のゴシック体で英語字幕が表示されるが、その担当者についてはエンディングの冒頭に「English Subtitles by/DONALDO RICHIE and/TADASHI SHISHIDO」と出る。これも④HDリマスター版には引き継がれなかった仕様である。
 最近、恐らく⑤ Blu-ray 盤発売に合わせて削除されたらしい、某巨大動画サイトに上がっていた映画全編は、歯車のマークをクリックすると英語字幕を表示することが出来た。そのため(日本語ではなくアルファベットの題*1で投稿されていたこともあり)世界の同性愛に共感を覚える人々が視聴して、熱い英文コメントが多数投じられ、視聴回数も百数十万回になっていたのだが、③の英語字幕に基づくものなのかは確認出来なかった。明後日発売される⑤ Blu-ray 盤は、こうした全世界の人々の要望に応える仕様になっているであろうか。(以下続稿)

*1:英題「The Cherry Orchard」か、ローマ字「Sakura no Sono」だったか、もう覚えていない。

吉田秋生『櫻の園』(8)

中原俊監督映画(3)出演者
 前回整理した、映像商品のうち③のパッケージの写真は、ポスター(B2判)を縮小して収めている。
 ポスター(B2判)にはもう1種類あって、制服姿の顔写真を1段に4~5人、5段に配したものがある。すなわち、2~4段めの中央は標題とスタッフ名を入れているので、合計で22名の勘定になる。1段めは梶原阿貴宮澤美保中島ひろ子つみきみほ白島靖代、2段めは三野輪有紀・いせり恵・金剛寺美樹・菅原香世、3段めは白石美樹・後藤宙美・永田美妙・丸山昌子、4段めは古川りか・西村雪絵・永椎あゆみ佐藤友紀、5段めは浅沼順子・山田純世・白戸智恵子・阿部千種・大原麻琴。このうち、私が知っているのは連続テレビ小説に出ていた中島ひろ子(志水由布子)とつみきみほ(杉山紀子)くらいで、白島靖代(倉田知世子)も知らなかった。他の部員たちはしばらく藝能活動を続けたもののパッとせずに(何人かはヌードを披露した上で*1)消えてしまった人が多いようだ。現在まで活動が継続している人は梶原阿貴宮澤美保(ホーチャンミ)・永椎あゆみ柚木涼香)・佐藤友紀、この他にもさほど目立たないところで続けている人もいるかも知れない。――同様の現象は矢口史靖監督映画「スウィングガールズ」でも(ヌードを披露したかどうかは知らぬが)起こっていて、進路を決定する時期に出演した映画が当たっ(てしまっ)たことで、続けてみようと思わせたことの罪深さを(余計なお世話だろうが)思ってしまうのである。
 そして下部左に演劇部員以外が名前のみ、まづ「森沢なつ子/西山友紀子/植竹よしみ/伊藤礼奈/森 典子/広野美保子」、エンディングを見るに前半3人は「聖華女子学園」の不良生徒で杉山の友人、後半3人は「知世子ファンの2年生」として連続して紹介されている。少し開けて「三上祐一/橘ゆかり」男の方は舞台監督・城丸香織(宮澤美保)の彼氏・島田祐介で、バブル期を遊んで過ごしているような、甘ったるい風情の大学生で、かなり見ている者の神経を逆撫でする。女の方はアーニャ役の中野敦子(菅原香世)の姉・中野綾子(24歳)で、中野敦子は原作では「vol.1 花冷え」の主人公だったが映画ではちょっと目立つ程度にされてしまったのに伴って、原作では最後の吹出しがこの人の担当(?)だったのに、当り付きアイスキャンディの差入れをする綺麗なお姉さんと云うだけになっている。しかし、その後で入れ違いになった妹の口から、6月に結婚を控えた24歳で、元演劇部員だったが、出演することなく2年の5月に退学したと説明される。どうも、何か別の筋が用意されていたかのようであるが……。
 最後の「上田耕一/岡本 舞/南原宏治」は教員たちで、坂口(上田耕一)は生徒指導で、聖華女子学園の3人が喫煙しているのを見付けて校舎内を追いかけ回す(そしてバテてしまって逃げられてしまう)。里美先生(岡本舞)は顧問で杉山の喫煙問題で公演が中止にされそうになっていたのを阻止する。職員会議で頑張っている場面はないが、様子を見に行った部員たちによって逐次報告され、出番以上に存在感がある。中村先生(南原宏治)はラスト近く、満開の桜の下を里美先生と歩きながら話す場面のみ、ここで、里美先生が今回初めて演出を担当したことや、終戦から3年か4年ほど後、自身が演劇に裏方として関わっていたときに上演した「桜の園」について、当時の受け止め方などが初老で温厚そうな中村先生によって語られる。平成2年(1990)4月として、公立高校では定年退職しているが、私立なので60代前半でまだ(担任などは持たずに)勤めている、と云う勘定になろう。
 ①のレーザーディスクのジャケットの下半分にもポスターと同じ顔写真が並んでおり、1段めが梶原阿貴白島靖代中島ひろ子つみきみほ宮澤美保・三野輪有紀・後藤宙美、2段めは丸山昌子・菅原香世・いせり恵・金剛寺美樹・永田美妙・古川りか・永椎あゆみ、3段めは阿部千種・山田純世・佐藤友紀・浅沼順子・白戸智恵子・大原麻琴の20人で最後の1人分が空いており、ポスターにあった白石美樹と西村雪絵が見当らない。「誰もがいた青春の季節――女子高生22人の甘酸っぱい/青春の1コマを描いた、'90年の邦画ベストワン。」との惹句があるのだから何とか収まらなかったものだろうか。

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 別に火事でもないのに非常ベルが鳴る、と云うのは昭和末年の中学・高校ではありがちなことだった。あれはやはり誰かが鳴らしているのだろうと思うのだけれども、誰が鳴らしたか分からないから、何だか自然に鳴るもののように思っていた。*2(以下続稿)

*1:私は藝能界に興味がなかったので誰が脱ぐか、みたいな話は殆ど聞いていなかったが、とにかく売れなくなると脱いで(と云うか脱がされて?)ヘアヌードを披露して、それで決定的にいなくなってしまう。何のために脱いだのか分からなかったが、辞める前に少しでも稼いで置こう、と云うつもりだったのだろうか。それとも脱いで、起死回生となった人もいたのだろうか。

*2:8月14日追記】長く勤めた女子高でも、非常ベルが鳴ったことがあったのかなかったのか、あったような気もするがなかったような気もする。それはセキュリティが強化されて(と云うか、宿直から用務員、そして警備会社へと変化する中)校内に監視カメラが設置されたことで、そのような悪ふざけが出来なくなったからなのである。