瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

蓋にくっついた話(2)

 実は私はこの「蛸焼きの話」を子供の頃に聞いた記憶がない。ネット上にはいくつか出ているが、小異がある。それらを綜合して史的展開を跡づけることは目下の目的ではないので、そんなことはしないが、ついでだから、今日、直接取材することが出来た話を紹介しておく。
 三重県の中学校で、昭和57年(1982)頃、後輩から聞いたというもの。やはり「蛸焼きの話」という題である。

【A】6個入りの蛸焼きを買ったお婆さんが「1個足りない」と文句を言った。そしたら「蓋にくっついてるじゃないか」と言われて「よく見ろ」と責められて、それがショックで死んじゃった。
【B】で、そのお婆さんの葬式に、蛸焼き屋が悪かったと思って行って、棺桶を開けたらいない。「あれっ」と思ってよく見たら蓋にくっついてた。(笑)


 このパターンなら【A】と【B】の因果関係も明白である。お婆さんが蓋にくっついている理由もよく分かる(?)。『学校の怪談』掲載の話は、そのお婆さんが蓋にくっつく理由が分からない。【A】の体験をしたお父さんがたまたま葬式に行って【B】の現場に立ち会うというのでは、どうも……。
 ちなみに、昨日紹介した話、聞いた当時のノートがあるはずなのだがすぐには出て来そうにない。流行時期について、話者は小学生の頃(昭和50年代後半)と言っていたように思うのだが。(以下続稿)