瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小林千登勢『お星さまのレール』(4)

 フォア文庫はカバー表紙折返しの右下にあるように「装丁 安野光雅」なのだが、第17刷では装丁者の上に「©協同組合全国映画センター/テレビ東京」と1行に入っている。この図柄だが、主人公の背景は枕木の見える鉄橋だから「●20/谷川の鉄橋」と見当が付く。まさに北朝鮮からの逃避行の最中だ。まぁそれにしては主人公の血色が良すぎるようだけれども。尤も、それだからと云って、その辺りの挿絵(●19など)と同じように描いたら、『わたしは幽霊を見た』の表紙みたいになってしまいそうだが。
 これに対して古いカバー、ここでは第6刷によって記述するが、灰色の枠内に少し余白を取って、14.0×8.0cmの、黒鉛筆の素描に水彩で着色した絵が収まる。左上に「フォア文庫/お星さまのレール/小林千登勢・作/小林与志・画」とあり、標題は黄色(黒で縁取り)で他は白抜きである。図柄、右下に黄色い開襟シャツを着た少女の上半身像、これは挿絵(●13など)に描かれる主人公とはあまり似ていないが、目が大きいところは「チコちゃんの目、大きいから」という記述(●2)に合致している。背景の上2/3は黒い夜空で星がいくつか鈍く光っている。下1/3は遠景に丘陵地、近景は右下から左上へ向かう平坦な道で、白く浮かんで見える。なお、第17刷の表紙には画家の名はない。
 背表紙、最上部に横書きで「フォア/文庫/C056」その下に第6刷では2本の花のカット、第17刷には表紙と同じアニメ映画の主人公のカットがあり、標題、少し空けて「小林千登勢・作」そして最下部に横書きで「FOURBUNKO」とある。
 裏表紙、第6刷では表紙と同じ飾り枠・灰色の枠があって、その中に藤色の長方形(14.2×8.3cm)、上部に「ISBN4-323-01038-9 C8293 P430E」とあり、中央やや上に2.5×2.0cmを白く抜いて、その中にフォア文庫のシンボル・マーク(後述)と「フォア文庫/C056」の文字が入る。その下に「金の星社/定価430円/(本体417円)」とある。第17刷には枠はなく、左上にバーコード2つ、右上に2行にISBNコードが入る(定価部分が「\540E」となっている以外は同じ)。その下に10.8×8.9cmの藤色の四角形があり、その中央やや上、白く抜かれている2.5×2.0cmの枠は第6刷と全く同じ、その下に「金の星社/定価(本体540円+税)」とある。
 表紙折返し、縦書き7行の簡にして要を得た説明文がある。裏表紙折返しには同じ位置に「●「朝日新聞」評」が紹介され、下部に横書きで「フォア文庫の整理番号」の説明がある。3項目中1項目「●アルファベットとシンボル・マークの色によって対象を表示してあります。」とあり(以下2項略)、裏表紙にあるシンボル・マークは水色なので、Cの番号と合わせて「C=小学校高学年・中学」が対象であることが分かる。
 本体の表紙、異同がある(背表紙の最下部、第6刷には「C/*/056」とあるが、第17刷には「FOUR/BUNKO」とある)が、外して見ることが出来ないので省略する。
 本体(172頁)の比較はしていない。奥付には少し異同があるが記述は略す。奥付の上部に「著者紹介」があるがこれは単行本のものより簡略である。画家の紹介はない。
 奥付の裏、第6刷には「一九七九年十月」付の「フォア文庫》刊行のことば」が、第17刷に「《フォア文庫》刊行のことば 1994年1月 フォア文庫15周年にあたって」がある。ともに「岩崎書店金の星社童心社理論社」連名で、敬体であるが、前者が大人向けに書かれているのに対し、後者は対象読者の「みなさん」に呼びかける書き方になっている。
 最後に裏表2頁の「C=小学校高学年・中学*1」向けの「フォア文庫もくろく」がある。第6刷は3段組で説明文はない。第17刷は段組なし1頁11行で説明文も附されている。

*1:第17刷「〜中学」。